集った者たちと一緒に、まだ見ぬ世界へと共走させるLeadのMILESTONE(みちしるべ)
昨年デビュー15周年を迎えたダンスボーカルユニットLead。最先端のトラックに乗せた彼らの切れのあるダンスや歌、ラップの数々はVANITYMIX読者も知るべしところだろう。そんな彼らが2年ぶりのニューアルバム『MILESTONE』をリリースした。これまでを踏まえ、これからを提示しているかのような今作は、従来以上に幅広く間口の広い全13曲。より聴き手やファンと「今後も一緒に行こうぜ!」との共走を促すかのような逸品と言える。ここから彼らを知るであろう多くの方にも強い信望を得られること間違いなしな今作。彼らのこれからを強く感じさせ、聴き手をこれからのLeadの世界へと誘ってくれる頼もしい1枚だ。
■今作『MILESTONE』からは、お客さんも交え、ステージやライブでの光景が浮かんでくる作品印象を受けました。
鍵本 その感想は嬉しいですね。そこは目指していたところの一つでもあったので。SNSも含め、ここ最近の自分たちのライブでのお客さんからも多かったのが、「楽しかった」という感想で。それらもあり、自分たち的にも「ライブは楽しんでもらう場なんだ」というのを改めて気づけたんです。そこからは、“であれば、楽しんでもらおう!”と。ライブでは、より一緒になって楽しい空間を作ろうとの考えに移ってきたんです。
■では、そこから今作を?
鍵本 ところがそうでもなくて。無意識的にその辺りが表れていたというのが正直なところで。
谷内 ツアーの予定が先に決まっていての、このアルバムの制作でもありましたからね。無意識ながら、おのずとライブ観は心得ていたんだと思います。いわゆるガヤ感だったりも、結果増えたとは自分たちでも感じています。それはきっとみんながそこに向いていたからでしょうから。
古屋 あとは15年の月日がここまで辿り着かせた部分もあります。応援してくれている人と一緒の時間を過ごすことが凄く大切だと思ったし、自分にとってもそれらに勇気をもらったりしましたからね。そういった意味ではツアーを見据えて作った作品だったこともあり、盛り上がる気しかしていません。
■いわゆる、お客さんも一緒にと?
古屋 もちろんです。お客さんを置いていくのが一番アウトでしょうから。そのような意味でも、もっともっとお客さんと寄り添って、一緒に足並み揃えて楽しもうよ、というのが今の自分たちの自然なスタンスでもあったんだなって。
■そうですね。確かにこれまでの「ついて来いよ!」的な作品から、「一緒に行こうよ!」的に移ってきた感もあります。「これからもよろしく」的な、これまで一緒についてきてくれたファンの方への感謝の気持ちも含め。
古屋 その辺りもやはり昨年の15周年イヤーを機に、いろいろな人との出会いや関わりを思い出させてくれたのが大きかったと思います。それもあり今は、より感謝も大きくなってきているし。基本、「Leadはこれ!!」って縛られずにやってはきましたが、そんな中でもやはり経験してきたこと、拭っても拭い切れないものが滲み出ちゃっている感は非常にしていて。
■分かります。
古屋 なので、15周年を経ての作品だからこそ、あえて自分たちのルーツを今の自分たちで表したりした部分もあります。そういった意味でもすごく意味のある1枚になりました。例え1枚目と同じことをやっても、当時は絶対に今回のような作品にはなってなかったでしょうから。
谷内 振り返ると前作アルバム『THE SHOWCASE』は、かなりグイグイガツガツしていましたからね。ストロングさを出したかったところもあったし。
■対して今回はタイプも様々で間口も広く、幅広い人が入りやすいアルバムのように映りました。
鍵本 その辺りは非常に意識しました。これまでというよりは、これからの自分たちに期待してもらえるような。そんな作品を作ろうと。その共通認識はみんなの中にありましたね。
■これまで以上に楽しい感じが作品に満ちているし。
谷内 それはかなり軸にあります。さっきも言いましたが、ライブを見据えての作品だったこともあり、「やっぱライブ=パーティでしょう!!」と。
■その「ライブを意識して」の「ライブ」はステージ上でのライブですか?それとも会場やお客さんの情景や表情の方?
谷内 両方ですね。歌っている自分たちの動きやアクションもですが、それを観てリアクションしてくれるお客さんの表情や状況も含めてのことです。その両方を思い浮かべながらレコーディングをしていましたから。
鍵本 そうそう。自分たちが歌を伝えている時、踊っている時に、どんな表情でそこに参加してくれているのか?どう受け取ってくれているのか?都度それを思い浮かべながらのレコーディングでしたから。