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きのこ帝国 ワンマンツアー『きみと宝物をさがすツアー』レポート@中野サンプラザ 4月3日(日)

今夏に日比谷野外大音楽堂にてワンマンライブを発表!
自然と心を豊かにしてくれる唯一無二の世界観!

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sub2sub2sub3sub4sub6sub72015年11月11日にニューアルバム『猫とアレルギー』をリリースし、それを引っさげて全国9ヶ所を巡るワンマンツアーは、この日、中野サンプラザでツアーファイナルを迎えた。SOLD OUTした会場前では、数多くのオーディエンスが長蛇の列を成し開演を待ちきれんばかりの笑顔で溢れかえる。

佐藤(Vo&Gt)の歌声が会場に響き、ゆっくりと暗転するとステージ幕にメンバーのシルエットが浮かび、轟音とともに“ひとひら”で開演。続く“海と花束”ではステージバックの照明が客席を照らし、4人の奏でるグルーブがとても幻想的で温かい空気を呼び込む。ここで佐藤が「こんばんは!きのこ帝国です。よろしくお願い致します。」とオープニングの挨拶を済ませると“怪獣の腕のなか”を披露。あーちゃん(Gt&Key)のキーボードによるキラキラなサウンドに合わせるようにステージバック頭上から煌びやかな電色がゆっくりと降下し、満面な笑顔の花が咲く。ここから立て続けに“35℃”“スカルプチャー”“YOUTHFUL ANGER”“Donut”と疾走するサウンドからスローナンバー、轟音からグルービーな楽曲と彩り豊かなアンサンブルで息つく間もなく湧かせていく。

ライブ中盤に入るとドラムのリズミカルなタムまわしにあわせリリックを刻んだ“クロノスタシス”、ピアニカの音色で一足早い夏の夜を感じさせてくれた“夏の夜の街”、色とりどりの照明で会場を彩った“パラノイドパレード”と多種多様なパフォーマンスでオーディエンスを圧倒。中盤のMCでは全国ツアーでそれぞれが印象に残った食べものを紹介し小休止。ライブも後半にさしかかり“疾走”から、壮大なサウンドに歌声をのせた “東京”、この季節にピッタリな楽曲“桜が咲く前に”では会場中に桜を想像させるかのような照明の演出で心穏やかに。さらに照明で作られた薄荷をバックに歌った“ハッカ”、ピンスポットに浮かび上がる佐藤の佇まいと歌声がより一層楽曲を際立たせた“猫とアレルギー”と、きのこ帝国の世界観を音と視覚で表現して魅せた。ラストはしっとりと“名前を呼んで”を丁寧に歌い上げ拍手と歓声に包まれる中、終演。

アンコールでは今夏に日比谷野外大音楽堂でワンマンライブを行うことを発表すると今日一番の大歓声!その後、ライブでは欠かせないナンバー“スピカ”“ありふれた言葉”を披露。オーディエンスに寄り添うように、心の奥底まで楽曲を響かせると、なんとこの日の為に新曲を持ってきたと伝え届けた、新曲“クライベイビー”でツアーファイナルは幕を閉じた。

きのこ帝国のライブは、いつも終演後に余韻として残してくれる心地良さがある。それは根底にある、幸せな思い出を糧にして今の自分を肯定し生きていこうとやさしく寄り添ってくれるような唯一無二の世界観が、自然とオーディエンスの心を豊かにしてくれるのではないだろうか。本当の意味で心に響く音楽には、ひとりひとり感じることは違えど、誰の心にも必ず何かを宿す力を持っているのだなとツアーファイナルの余韻に浸りながら、すでに今夏に行われる日比谷野外大音楽堂でのワンマンライブを心待ちにしている自分がいた。

Photo:yuka jonishi

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