■いままではあまり意見を聞いたりということはなかったんですか?
加治 それまではほんとに自分の世界観だけでやってきちゃったんですよね。わたしほんとうに周りを見なさ過ぎるんですよ、良くも悪くも。それでいいときもあると思うんですけど、周りから見ると「それで大丈夫?」ってときもあって。そのタイミングで現在のマネージャーにお世話になることになったのも大きいですね。そのマネージャーには4月からお世話になっているんですけど、歳が近めの女性スタッフは初めてだし、いろんな話を聞いてくださって。いままでわたしは年齢とか気にしたことなかったんですけど、自分の年齢と向き合ったりもして。もっと知ってもらいたいと思うなら年齢とか自分の性格とちゃんと向き合うべきだし、そのマネージャーとの出会いはそういうことを考えるきっかけにもなったんですよね。
■人生は出会いだって言いますけど、まさにそういう出会いだったんですね。
加治 ほんとうに予想もしてなかった出会いだったので、ラッキーだなって思います。わたしが歌をうたいたい理由は、歌が自分自身のパーソナルな部分や意見をいちばん伝えられるものだと思っているからなんです。だから事務所に「モデルやグラビアをやってみない?」と言われても、「歌をやれないんだったら、事務所辞めます」って言ったんです。ちょうどその頃に現在のマネージャーと出会ったので。
■そうなんですね。
加治 どうしても歌がいい、じゃあ歌で何がしたいの?って言ったら、わたしは27歳でオーディションに受かって29の歳でデビューしているんですけど、いくつになっても夢を追うことはできるし、年齢は関係なく夢は叶えられるってことを伝えたい。それはデビュー当時からいまも変わっていないんです。そこで実際にそういうメッセージを伝えるとなったら、やっぱり自分の殻を破らなくちゃいけないし、殻を破って周りの人とも話をしなくちゃいけない。そうしないとやっぱり伝わらないんですよ。例えば、暗い曲でも殻を破った状態で歌ったら、それはきっとちゃんと伝わると思うんです。でもわたしがやっていたのは自分のパーソナルな部分を伝えられないまま、ただ暗い曲を歌っていた状態だったのかなって。
■なるほど。
加治 だからわかりにくかったんですよね。そういう意味ですごく自分を知れた半年だったのかなって思うし、この半年のそういう部分がすべてこの歌詞に現れたのかなって思います。だから等身大。いままで出してきた曲はもちろん全部大好きですけど、これはもうオンタイムというかリアルな曲で、そこが魅力でもあると思いますね。
■まさにいまのありのままということですね。
加治 ありのままです。いままでは自分のためだけにがんばっていたところがあるんですよ、自分がこうだから、自分がこうなりたいからって。でもこうやって周りの人が自分のために向けてくれる熱意を知ったら、それだけでがんばる力が倍になるんだって、こういう気持ちになったのも初めてなんですよね。
■そういう人たちが周りにいると心強いし、もう何でもできそうな気がしますよね。
加治 「どんなこともできそうね」って歌詞にもあるし、それは思いますね。真剣に死ぬ気で全力で楽しむ。それがこの夏といまの加治のテーマなので。いろんなことをやっていきたいです!そんな感じでこの夏をエンジョイして、それが伝わればいいなって、この曲が伝わればいいなって思っています。
Interview & Text:藤坂綾
PROFILE
夢を諦めきれず27歳でTGA(東京ガールズオーディション)2014に応募。アーティスト部門グランプリを受賞し、東京ガールズの頂点となり、28歳というアーティストとしては遅咲のデビューを果たす。心に届く歌唱力と表現力に加え、持ち前の美貌と長身のスタイルで圧倒的な存在感を放ち、ファッションやメイク、長年続けているフィットネスで鍛えた“驚異のくびれ”など、日々掲載しているSNSではファッションや流行に敏感な女性を中心に多くの注目を集めている。
RELEASE
『My perfect sky』
配信リリース
avex trax
7月18日ON SALE