■CDは通常盤とDVD付き、フォトブック付きの3種類がありますけど、それぞれどんな内容ですか?
岩永 DVDは“今しかない”のミュージックビデオ(MV)と、フォトブックのメイキング映像が入ってます。MVは同い年くらいの学生さんたちが作ってくれたんですけど、一緒にイチから作りあげるような感じで楽しかったですね。それで、DVDには入らないんですけど、“いつまでも”のMV(9月30日まで期間限定配信)も撮っていて、メイキングはそのときの映像が入るんです。こっちはプロの方たちに囲まれての撮影で、いつ撮られてるのかわからないくらい、普通に遊んでいるところを撮ってもらって。自分でも最初は「大丈夫かな?」と思ったくらい超自然体です。水族館とか、公園とか、いろんな場所に行って、男性だったらデートしてるみたいな、女の子だったら一緒に遊んでるみたいな気分になると思います。
■フォトブックのほうはどんな感じですか?
岩永 “いつまでも”のMVと同じ日に撮ったんですけど、浴衣を着たり、海沿いに行ったり、衣装や髪型もいろいろ変えてもらったんです。それはMVにも写ってないので、また違う感じで楽しんでもらえると思います。今回は曲もMVもジャケットも、たくさん私のわがままを聞いてもらって、スタッフさんの力をお借りして作り上げた1枚なんです。グループにいた頃は、用意されたものを歌うっていう感じで、それはスタッフさんたちが裏で動いてくれていたから歌えていたんですけど、今はフリーになって、自分で動くところも増えて、そのありがたみや大変さも身にしみてわかったし、そういうことも含め、いろんな感情が入り混じった作品になりましたね。
■ひとりで活動していて、辛いこともありますか?
岩永 毎日ありますよ。何が辛いって言われると難しいけど、やっぱり寂しいじゃないですか。けっこう寂しがり屋で、一人暮らしなので、相談する相手がいないと、頭のなかがぐちゃぐちゃになっちゃって。歌の活動だけに集中できればいいけど、ほかのことも考えなきゃいけないから。
■事務所に所属するつもりはないんですか?
岩永 考えてないわけではないですけど、もともと卒業してからしばらくは歌や音楽の勉強をする予定だったので、もうちょっと自分に自信を持てるようになってから考えたいです。でも、よくしてくれるスタッフさんからは、「心配だから事務所に入って」と言われます。(笑)
■女の子がひとりで活動するのは心配ですからね。この先はどんな感じで活動していきたいですか?
岩永 次は自分で作詞した曲を出せたらなと思ってます。あと、地方でもカフェライブみたいな小さい規模で、アットホームなイベントができたらなって。今は少しでもファンの人たちと触れあいたいんですよ。CDを出したいと思ったのも、ライブの物販を作ったのも、ファンの人たちの声がきっかけになって、ファンの人たちに引っ張られて次につながることが多かったので、これからも二人三脚でやっていけたらなと思ってます。
■武道館でライブしたいとか、そういう目標は?
岩永 壮大なことは考えてないんです。でも、いつの間にかファンの人が増えていたというか、卒業してから初めて来たという人も多くて。何がきっかけだったのかはわからないけど、この1年があったから出会えた人もいっぱいいるから、そういう人たちを大事にしていきたいです。
■グループにいた頃と比べて、ファンの人たちに対する気持ちも変わりました?
岩永 今まで以上に考えられるようになったと思います。以前は握手会とかで毎週のように会ってて、それが当たり前になってしまっていた部分もあったと思うんです。今は次は来てくれないかもしれないとか、今いる人たちを楽しませたいとか、ファンの人たちへの気持ちも確実に強くなっていて。これからもファンの人がやりたいと言ってくれたことをできる限り一緒にやりたいですね。もちろん、私もやりたいことはやるし、それでお互いがよかったらいいし、やってみて違ったらやめればいいし。そういう感じでやって、その先に今回のシングルみたいに目標が出てきたら、ひとつずつ叶えていけたらなと思ってます。
■ちなみに、しゃべる仕事とか、写真を撮られる仕事とか、歌手以外の活動もやっていくんですか?
岩永 あんまり考えてないです。人とお話をすることも、写真を撮られることも好きなんですけど、歌が好きだという気持ちとは違う種類の好きで。機会があればやってみたいなとは思うし、もしやったら気持ちも変わるかもしれないし。別に拒否してるわけではないです。(笑)
■まだ岩永さんを知らない人には、どういう部分を知ってほしいですか?
岩永 私はアイドルをやっていたし、アイドルを知らない人からしたら抵抗があるかもしれないですけど、こんな感じでアイドルっぽくはないんですよね。ファンの人たちとの関係性も友達みたいな感じで、普通にズバッと言っちゃったり、女の子らしくないって自分で言うのは悲しいですけど、(笑)けっこう親しみやすいタイプかなと思うんです。私、人と話すのが好きで、人の意見を聞くのも好きなので、興味を持ってくれた方にはぜひ会いたいなって思います。
Interview&Text:タナカヒロシ