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Hanah Spring WEB LIMITED INTERVIEW

■さっき、ラブソングを歌うのは何歳になってもいいものだとおっしゃられてましたけど、僕はラブソングに人柄が出ているんじゃないかなと思ったんです。さっきの2曲以外はご自身で作詞されてますけど、ハートフルなラブソングが多くて、切なくて苦しいみたいな感じではないじゃないですか。

Hanah そういうのは20代に終えました。(笑)

■そのへんのラブソングに対する考え方は、(前作を共同制作していたギタリストの吉田サトシと)結婚されて変わった部分もあるんですか?

Hanah 所帯じみたくはないなと思ってますけど、どうしても私生活とつながってますからね。でも、初々しく歌いたいです。(笑)

■「I can change my last name, for us to start a family」と歌っている“Song 4 Darlin’”は、思いっきり家族の歌ですよね。

Hanah うち、大家族なんですよ。5人きょうだいで、両親がミュージシャンで、テレビゲームとか買うお金がなかったので、ギター一本でみんなで歌うことが娯楽だったんです。みんなで歌ったら家族のケンカが収まったり、公園で歌ってたら友達が集まってきて人気者になれたり、それでいまの自分が作られたというか。

■素敵な家庭じゃないですか!

Hanah ありがとうございます。そういう子供のときの音楽体験は家族にもらっていたものだったし、旦那さんと結婚して恋人関係から家族になったということもあって、この歌を作ろうと思ったんです。

■それから“ほほにキスして”は、ラブソングというより大きな意味での愛を歌った曲だと思うんですけど、東日本大震災の被災地で歌ったことがきっかけで作ったそうですね。

Hanah そうですね。お母さんに教えてもらったジャズの有名な歌とか、きっとおばあちゃんの世代でも知っている歌もやったんですけど、そこで“見上げてごらん夜の星を”をリクエストされたんです。そのときは歌詞がわからず歌えなかったんですけど、「みんなが歌えて、心に残る歌を作るってすごいな」と思ったんですよね。だから、私なりの“見上げてごらん夜の星を”が作れたらいいなと思って。

■やっぱり、どの曲にもいままでの経験がにじみ出てますよね。

Hanah まぁ、出ちゃいますよね。(笑)

■アルバムを聴いた人には、どんなことを感じてほしいですか?

Hanah 夢を持てたらいいなと思うんですよね。こんな30代でも夢見れるんだから、私も夢を持っていいんだと思ってもらえたら。若い子たちにも、私はもっといけるなと思ってもらえたら最高だなと思います。

■実際、いまはリリースされて1週間が経ったわけですけど、リアクションはいかがでした?

Hanah 私が投げた11曲のなかで、1曲でもボールが当たればいいなというか、自分の意図が10分の1でも伝わればいいなと思っていたんです。でも、リアクションしてくださる方を見ていると、音楽的なコンセプトの部分だったり、いまも自分がこうして夢を追いかけていることに対する気持ちだったり、わりとサイズ通りに受け取ってくださっている感じがして、やっぱりミュージックラバーの人たちは最高だなと思いました。

■ちなみに僕は今回の作品を聴かせていただいて、前作から比べるとわかりやすい方向に行ったと思うんですけど、さらに遡ってメジャー時代の作品と比べたら、1周まわったのかなと感じたんです。

Hanah あー、そうですかね。結局、自分が伝えたいことは変わってなかったのかもしれない。

■それでメジャーデビュー作だった“愛されたくて 愛したいだけ”を聴いて、めちゃくちゃいい歌だなと思って、昨日配信で購入しました。(笑)

Hanah ありがとうございます。(笑)あの曲も生きていくってなんだろうとか、20代のときの自分の葛藤とか、みんなこういうふうに思ってるんじゃないかなぁっていうことを一生懸命考えて書きましたね。言われてみると、コード進行とかも“ほほにキスして”とちょっとつながる部分があるかもしれない。意識したわけではないですけど。

■3月9日にはワンマンライブも控えてますが、どんな感じになりそうですか?

Hanah 今回はトニー・サッグスというアメリカ人がキーボードを弾いてくれるんですけど、カウント・ベイシー・オーケストラ(1936年に結成された世界最高峰のビッグバンド)にも在籍していた人で、私たちのバンドにジャズやソウルミュージックを教えてくれている伝道師のような人なんです。それから一緒にMISIAツアーをまわっているドラムのトモくん(TOMO Kanno)、吉田サトシ、SOKUSAIさん、コーラスにはLynちゃん、そして大阪から来たばかりのニューカマーで、すごい才能を持ったチカちゃんという若い子がサポートしてくれます。

■Hanahさん含めて7人編成、けっこう大所帯なんですね。

Hanah そうですね。この日は生音のバンドシーンの子たちがみんな集まる日なので、ちょっとした会合みたいなことになると思います。

■関係者注目も高そうです。

Hanah そうなんですよ。毎日のように「行っていいですか?」っていう連絡がミュージシャン仲間から来るので、ヘタなことできないなって。(笑)でも、絶対に「音楽っておもしろい!」と思ってもらえるライブにするので、ぜひ遊びに来てください!

Interview&Text:タナカヒロシ

PROFILE
1983年、神奈川県生まれ。ジャズギタリストの父、ジャズシンガーの母を持ち、姉や弟たちとジャズのスタンダードナンバーやJackson 5、TLCなどを歌って踊って育つ。10歳から曲作りを始め、高校時代には数回の渡米を通じて語学も習得。卒業後、HanaH名義で音楽活動を開始し、2008年にミニアルバム『soulflower』でデビュー。Erykah Badu、The Roots、Brian McKnight、Musiq Soulchildなどの来日公演でオープニングアクトも務め、MISIAのツアーにもコーラスとして参加。2014年にHanah Springに名義を改め、アルバム『Handmade Soul』をリリース。iTunesジャズ・トップアルバム、Billboard JAPANトップ・ジャズ・アルバムで1位を獲得するなど、抜群の歌唱力とソングライティングでシーンの注目を集める。

http://www.hanahsp.com/

RELEASE
『Dreamin’』
sub
TYOR-1001
¥3,240(tax in)
TOKYO RECORDS
2月14日 ON SALE

LIVE
NEW ALBUM『Dreamin’』Release Live
“Thank you! Yhank you! Thannk you!”

3月9日(金)渋谷duo MUSIC EXCHANGE

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