自分が情熱を注げるものに注力していけば、きっと世界も開ける!
■グリフィンさんは元々はバンドマンで、大学時代はエンジニアを目指していたそうですね?
G そうなんです。大学の時にダンスミュージックに目覚めて、そこから機材を買い込んで、まずはリミックスから始めました。そのうちDJの話がいろいろと来るようになって。去年やっと自分の作品を出すことが出来たんです。
■ということは、ダンスミュージックのキャリア的には、かなり短期間で成功をおさめられたわけですね。すごい!
G これには自分でも驚いていて。今このような充実した活動が出来て、ものすごく感謝しています。様々なフェスにも出れるようになったし、自分がダンスミュージックにハマった時にアイドルとして憧れていた方々とも一緒にプレイ出来ていますからね。ある意味、信じられない毎日です。
■リミキサー、DJを経て、念願の自身の曲の発表と、ある程度の過程を経ての現在のように映りますが、これには何か理由でも?
G そもそもリミックスを始めた時は、これをキャリアとしてやっていく想像がつきませんでした。最初はそれこそただ趣味で楽しくてやっていただけだったので。そのうちに段々と自分の音楽も作りたくなっていったのが正直なところです。
■グリフィンさんの構築する音楽はリミックスにしろ、オリジナルにしろ、独特の叙情性や景色感、ミニマルさを感じます。
G その通り!リミックスにしろ、オリジナルにしろ、最初はミニマルなコードからアイデアを固めて作っていってます。それをより大きなスケールにするためにエレクトロや後からエフェクト等を使っていき、曲をよりパワフルや緊張感のあるものに構築しているんです。
■高揚感とチルアウト感の同居も独特で興味深いです。
G アップテンポに頼らず、落ち着いていながらも高揚感を得られる音楽性を目指しています。より感情が高まるような、世界をも自分のものにできるようなフィーリングをリスナーの方にも持ってもらえるような音楽が理想ですね。
■景色感もすごくあるし。
G ミッドテンポでありながら、ダンスすることも出来れば、美しさや旋律をキチンと味わえる、そんな音楽が理想です。そのバランスのキープは気をつけているところで。あと、深夜に限らずどんな時間帯で聴いても楽しめるし、ここではないどこかに連れ出せる、そんな音楽を目標にDJもリミックスも自分の音楽も作っています。
■最新曲“Feel Good”はいよいよお得意のギターが全面的にフィーチャーされた楽曲ですね。
G 最終的にはディストーションギターが前面に出ていますが、ここに至るまでに音色のマッチングはいろいろと試してみました。それこそピアノやシンセも含めいろいろと。そんな中、ピッタリとマッチングしたのがこのディストーションギターの音色だったんです。そこが決まって逆に音の方向性も決まり、より音像に広がりが見えましたね。
■その“Feel Good”は、オリジナル曲としては初めての女性ボーカルとなるDayaをフィーチャーしていますがいかがでしたか?
G 実は元々僕は彼女の作品のファンだったんです。彼女の才能と表現力の豊かさ、より人々を繋けられるエネルギーを持っているところに惹かれて今回アプローチをしました。彼女から人間関係のポジティブさを歌にしたいとのアイデアをもらい、それを元に曲を膨らませていったところもあります。
■グリフィンさんの人選するフィーチャリングボーカリストは、過去どなたも独特の生命力を擁した方ばかりですね。
G ボーカリストに関してはすごく吟味しています。基本はエモーショナルな声を持った人で、心からのリアルな感情が歌となって出てきたり表せるシンガー。そして、自分も心が動かされるようなシンガーをチョイスして歌ってもらってます。
■グリフィンさんのお母様は日本人で、それもあって幼少の時分より、これまで何度か日本にも来られていたそうですが、ずばり日本の魅力って何でしょう?
G 日本の方々は会う人会う人、みなさんいい人たちで。温かいし、人との接し方は世界中で一番だと思います。フレンドリーで常に迎えてもらえる感じがすごくしますね。
■今回の来日で何かしたいことはありますか?
G 前回の来日の時に、とても美味しい鉄板焼き屋さんに連れて行ってもらったんです。今回は初来日の僕のツアーマネージャーも、そこに連れて行ってあげたいですね。
■最後にVANITYMIX読者にメッセージをお願いします。
G ぜひ自分が情熱を注げるものを見つけて欲しいですね。そしてそれが見つかったら、あとはそれに向かって努力していくだけです。それがとても大事なことだと僕は思っていて。例えば僕の場合、学校でずっとエンジニアリングを勉強していたんですが、パッションは常に音楽にあって。それを自分でやれるようになってからは、それこそ全てがハッピーになりました。ほんと世界が開けた気がしたんです。なので、みなさんもぜひ自分が情熱を注げるものを見つけて、それに一生懸命注力して下さい。きっと世界も開けますよ。
Interview&Text:池田スカオ和宏(LUCK’A Inc)
PROFILE
良質なメロディーと共に多彩な楽器を操るダンス・ミュージック界に突如現れた超新星グリフィンことダン・グリフィス。2017年にリリースされた新曲“Feel Good(feat.Daya)”はストリーミングサイトにて3000万再生を突破。2017年4月に行われたEDCジャパンにて2年連続となる来日を果たす。