■“After glow”もまたメイリアさんのルーツとなるR&Bで、この流れも完璧ですね。
メイリア ここはメイリアルーツゾーンです。ジャズとかブラックミュージックから出来上がっている人間なので。“After glow”はいままでの中でもいちばん黒い感じを出したいなと思って。
toku いま普通にニュージャックスウィングとかをやるのもいいんだけど、僕の中にそれはなくて。聴いてきてはいるけど、いまっぽいR&Bテイストで他に何かないかなってところで、カシミア・キャットとか、ディトーとかのR&Bっぽい方向性みたいなものをガルニデでできたらおもしろいなっていうのが作り出しのきっかけですね。でもこれ悩んだなー。
■悩みましたか。
toku これもジャズにできるなと思って。(笑)
メイリア あー、たしかに!コード進行とかね。
toku でも“Love Swing”はジャズしかできないしね。
メイリア あれはジャズの方向しか向いてないもんね。でも、だからこの2曲を並べたらきれいな流れになったのかな。
toku この2曲並んで出してきたから、「おぉー!」って思って。(笑)
メイリア そっか、だからか。これはわたしの推し曲ですね。
■なるほど。tokuさんの推し曲は?
toku アルバムを通してだと、“Error”から“Désir”に入る流れ、そこが俺は好きかな。曲はね、もうどれも好き!
■そうでしょうね。で、この素晴らしい流れのあと、ラストの“最後の恋”。
メイリア これはもう、どバラードですね。ガルニデって激しいイメージがある方も多いと思うんですけど、バラードもわたしたちの看板だと思っているので、「王道のバラードを1曲入れたいね」ってことで、ザ・王道ってものを1曲作りました。
toku シンガーソングライター風というか、そういうテイストで。
■それはどういうことですか?
toku メイリアがピアノを弾きながら歌ってる、みたいなイメージになったらいいなって。
■なるほど。歌詞は最後の最後にまたど直球できましたね。
メイリア ここまですごくぶっ飛んだことをやってきたくせに、最後の最後に超ストレートってね。
toku やっぱり俺はこの曲が推し曲かな。
■おー!
toku 5分越えてるんだけど。
メイリア けっこう壮大だよね。
toku でもあっさり聴けてしまうという。作っているときからメロディとかずいぶん凝縮された感じがあるなというのはあって、不思議な曲だなとは思っていて。
メイリア この曲はほんときれいなメロディだなと思って、でもtokuさん的には悲しい曲になる予定だったんだよね?
■あ、なんか前もあったようなパターンですね。(笑)
メイリア “人魚姫”問題がまた発生しちゃって。(笑)以前、“人魚姫”のとき、tokuさん的にはアゲアゲのナンバーにするつもりだったのに、わたしがすっごい失恋の歌詞を書いちゃって。今回もそういう思い違いみたいなことが起きて。最初、ほんとはエンディングのコード進行が切ない感じだったんだよね。
toku そう。
メイリア だけど、例えばこの曲をライブの最後に歌うとして、みんなへ向けた曲として書きたいから、悲しい曲ではなくてハッピーな曲にしたいって言ったら、ハッピーなコード進行に変えてくれて。
toku エンディングのコードを全部変えて、ほんと大変だったの。(笑)バイオリンを録る当日に変えたんだけど…。
メイリア バイオリンを録る前日にこの詞が上がって、その前に歌を入れたのがほしいって言うから歌を入れて送ったら、「へ~、なんかしあわせな感じの歌なんだね…」って。
toku うそやん!って思って。(笑)
メイリア “最後の恋”ってタイトルだけだとどっちかわかんないからね。でもこの曲をどうしてもアルバムの最後の曲にしたくて。ツアー最後の日の最後の曲になったらいいんじゃないかって、そこまで想像して作ったんです。
“MIRAI”みたいな立ち位置の曲というか、“MIRAI”は大事なときに絶対に歌っていて、みんなとの絆を深めてくれる曲なんだけど、さらに大人になったわたしたちから、この区切りの1枚となるアルバムにみんなに向けた曲を入れたいなと思って。恋愛の曲ではあるけど、これからツラいこともつまずくこともあると思うけど、わたしたちのことを信じてついてきてほしいし、みんなと一緒ならいろんな壁も乗り越えていけるんじゃないかと思うし、というか、みんながいないと乗り越えられないからっていう想いを込めた曲だったので。これはしあわせな曲にする!って、また押し切りました。(笑)
■最後はしあわせなほうがいいですしね。
メイリア 終わりよければすべてよし、ですね。
■完璧な1枚、完璧なアルバムになりましたね!
メイリア ありがとうございます!
toku いやー、ほんとに作詞がすごいなと思いましたよ。
メイリア いや、わたしもtokuさん天才だと思いましたよ!
■お互いの素晴らしさにもあらためて気づけた1枚でもあると。
メイリア お互いにね!でもほんと最近あらためてtokuさんってすごいなと思っていて、だからこうやってガルニデを長く続けられていることに感謝だし、tokuさんの楽曲のすごさがつまったアルバムになったと思いますね。
■“G.R.N.D.”のMVでの向き合うシーンもそういう意味ですごく印象的だったし、お互いを尊敬する気持ちみたいなものをすごく感じました。
メイリア “G.R.N.D.”はガルニデのテーマソングだし、2人の曲にしたいからって監督が向き合うシーンを入れようって言ってくれたんです。今回のジャケットの後ろにある三角形も、あれはGを表しているんですけど、なぜGを三角形にしたかっていうと、わたしの点とtokuさんの点とファンの点、その三角形の点を結んでGってことだって、デザイナーさんがそう言ってくださって。
■わー、それはうれしいし、ファンもうれしいかと。
メイリア そうなんですよ。みんなをすごく大事にしていることを制作のみなさんがちゃんと受け取ってくれていて、提案してくださったんです。だから、このアルバムはチームみんなが一丸となって作った1枚でもあるので、ぜひみんなに聴いてほしいです!
Interview & Text:藤坂綾
PROFILE
女性ボーカリスト・メイリアとコンポーザーtokuの2人によるユニット。2014年3月に『ambiguous』でメジャーデビュー。デビュー以来9枚のシングル、1作の配信シングル、3枚のアルバムをリリース。、4月から中野サンプラザホール・香港公演を含む、ワンマンライブツアー「GARNiDELiA stellacage Tour 2018 ~G.R.N.D.~」を開催。多岐に渡るGARNiDELiAの音楽性と圧倒的なパフォーマンスが話題となっている。
RELEASE
『G.R.N.D.』
初回生産限定盤A(CD+BD)
VVCL-1197~8
¥3,980(tax in)
初回生産限定盤B(CD+DVD)
VVCL-1199~200
¥3,580(tax in)
通常盤(CD)
VVCL-1201
¥3,100(tax in)
SACRA MUSIC
3月28日ON SALE
LIVE
「GARNiDELiA stellacage Tour 2018 ~G.R.N.D.~」
4月7日(土)大阪 BananaHall
4月14日(土)愛知 Electric lady Land
4月29日(日)東京 中野サンプラザホール
5月5日(土)香港 Music Zone / E-Max