eStrial　ワンマンライブ「earth」＠渋谷RUIDO K2ライブレポート 5月7日（土）

eStrialワンマン！すべての魅力を出し切ったステージ

5月7日、eStrialのワンマンライブ「earth」が渋谷RUIDO K2にて開催された。結成2年目となる昨年は、1枚のシングルと2枚のアルバムをリリース。常に進化を遂げてきた彼らの集大成ともいえる場に、多くのオーディエンスが駆けつけた。

民族的なSEと共にスクリーンに映し出されたのは、雄大な自然風景が移り変わっていくPV。やがてステージに姿を見せた3人は、“air”の壮大な世界観と広がりのあるメロディーでさっそくオーディエンスを引きつける。続いて、波に乗せてかすかに聞こえる風鈴の音がノスタルジックな“風鈴”、高原未奈（Ba）のシックなベースラインが映える“Squall”を披露。夢時（Vo）がタイトルコールをすると、彼らの醸す空気が一気に会場の色を変えた。そして優しげなメロディーが印象的な“with”“花”と続く。MCでは、篤人（Dr）が正面のシンバルのせいで全く客席が見えないことを告げて笑いをとり、緩急際立つ時間があっという間の前半となった。

ゲストで参加した荒井司海(Key)が加わると、人気曲“she’s gone”へ。夢時と高原のシンガロングが鍵盤の音と織りなす美しいハーモニーに、誰もが引き込まれていく。“LIFE”“BLACK”では4人それぞれの持ち味が全面に出され、メンバー自身の音楽への思いが会場にもひしひしと伝わってくる。雨音に乗せた妖艶な鍵盤の音色が際立つ“Rainy”、そして打って変わって晴れやかなサウンドが心地よい“shine”と続き、気づけばライブも終盤になっていた。

これまで客席が見えていなかった篤人が、メンバーに促され一念発起し正面のシンバルを撤去。今回初の顔見せが成されると、会場からは歓声が上がった。3人編成に戻った彼らがおもむろにジャムセッションを始める。先ほどまでの和やかな雰囲気が一変、圧倒的なカッコよさを見せつけて、“es”“disposable wolrd”、人気曲“killing”を立て続けに披露した。ラストは“go round”。篤人を中心に繰り広げられる掛け合いではファンとメンバーとの強い絆が垣間見え、今日一番の盛り上がりを見せた。

アンコールでは、全身真っ白な衣装に身を包んだ3人が新曲“the end”を披露。始まりの意味を込めたという本曲では彼ららしい温かさが会場を包み込み、3人はステージを後にした。

様々な楽しみ方を見つけた2時間では、ライブによってeStrialの魅力が何倍にもなるのだと改めて実感した。今後どのような魅力を新たに携えてくるのか、今から心待ちにせずにはいられない。

Text：矢作綾加
Photo:栃原美友