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erica WEB LIMITED INTERVIEW

ポップで明るい楽曲も出現した、
本来のキャラクター性を前面に出したericaの新側面ミニアルバム

取材前に資料用にもらったericaの今作に際するアーティスト写真やジャケット写真を見て驚いた。元々、彼女のキャラクターにあった、とても自然でナチュラルな、飾ったり背伸びしたりすることのない等身大のericaがそこに映し出されていたからだ。そして、その辺りはしっかりと今回のニューミニアルバム『告白100ヵ条』にも表れていた。そう、ポップで明るいナンバー“告白10ヵ条”“恋の充電器”は、まさにその部分にあたる。とは言え今作は、これまでの彼女と現在、そしてこれからの彼女が1枚で楽しめる意欲作。他にもミディアムでちょっとウェットなナンバー、彼女の出自的とも言える人気告白ソング等も収まっており、より彼女の表現の幅が楽しめるものとなっている。

■ジャケットやアーティスト写真の雰囲気も、かなりガラリと変わりましたね。すごく自然でナチュラルになったというか…。

erica  ありがとうございます。これまで自分の好きなものを都度着ていたんですけど、みなさんから「写真と実際に会った印象が全然違う!」と言われることも多くて。写真と実際のキャラクターとのギャップが大きかったようなんです。(笑)そこから、<中身もイメージも自分らしいものがいいのかも…>と、今回、実践してみたんです。

■これまでは「告うたシンガー」のイメージもあり、表情もちょっとシリアスなものが多かったですもんね。

erica  そうなんです。それに比べて今回は、普通に自然に笑ってますから。靴も初めてスニーカーを履いてみたり。今まで無かった帽子をアクセントに使ってみたりもしました。

■こちらの方が断然いいです。

erica  普段の私がそのまま出ている感じで、自分でも気に入ってます。撮影も女性カメラマンだったこともあり、撮影というよりかは普通に女性同士で会話しているうちに撮り終っていたり。おかげさまで自然の笑顔を切りとっていただけました。

■今日着てる服もこれまでと違い、なんかナチュラルですもんね。

erica  これまでは取材の際も赤文字系のファッション誌に掲載されているような洋服を着ることが多かったですからね。それが最近は、『MORE』や『non-no』等に取り上げられているような、カジュアルなんだけど、その中でもキチンと自分らしさがある、そんなブランドに移行し出してるんです。

■今作収録の“告白10ヵ条”と“恋の充電器”は、まさにこの雰囲気にぴったりの明るくポップで可愛らしい曲ですね。

erica  基本、これまでも楽曲に関しては素(す=ありのまま)だったんです。それは今回も変わっていないんですが、今作ではそれをより分かりやすく形にしてみました。この2曲も、これまでこのようなタイプの曲を作ってこなかったことが不思議なくらい自分の中ではしっくりきていて。

■ポップで可愛らしいんだけど、その伝え方や表現の仕方の方法論が変わっただけで、基本は変わらず、“まずは自分を好きになろうよ”“こういった自分に成りたい”が根底にありますもんね。

erica その通りです。切り取るところが変わっただけで、私の中身は全く変わっていないんです。今までは若干自分の「告うた」的なイメージの保持もあり、歌うことは差し控えてきましたが、元々こういったタイプの自分も自身の中では存在してましたからね。

■と言え、ここまでポップで可愛い感じの曲が飛び出してきたのには驚きました。

erica  まず、悩んだのは、<私が歌うとどうしてもちょっとウェットになっちゃう>ってところで。どうやったら軽い感じが出せるかは苦労しました。歌詞も「苦しい」とかネガティブに映るものは避けて作ったんですが、その縛りもまた大変で。

■ポップなんだけど、それをコミカルに響かせていないギリギリのラインも絶妙です。

erica  その「コミカルになり過ぎないよう」は、特に気をつけました。“恋の充電器”なんて、「いろはにほへとで!」とか、「1.2の3.4で!」等、合いの手やイェイとか入ってますからね。その分、そのバランスは工夫し、逆にあえてアレンジで遊ばないようにしました。あと、あえてコミカルに響く音は入れなかったり。“告白10ヵ条”も飛び抜けたアレンジにせず、しっかり歌詞が聴こえるようにしたり。

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