天才シンガーソングライターが世に送りだす第3章
待望の3rdアルバムがリリース
世界的な大ヒットアルバム『×(マルティプライ)』から3年。天才シンガーソングライター「エド・シーラン」が、ニューアルバム『÷(ディバイド)』と共に還ってきた。3年の月日をかけその期間に見たもの、感じたもの、体感したものが、その時々の日記のように表れている今作。「入っている各曲毎に違った感受をして欲しい」との想いと共に、これまで以上に楽曲に幅を持たせ、スケール感や景色感の多彩さも印象的だ。今作と共にエドはまた世界を自身へと惹き寄せていく。
■まずはニューアルバムを完成させた今の感想から聞かせて下さい。
E ようやく終わってドアを一旦閉めた心境かな。世に送り出せる手前なので、みんなの反応も含め今はとてもワクワクしています。いつもそうなんだけど、作品が完成して出す間のこの時間はホントいつもワクワクさせてもらっているよ。
■全体を聴き返して自身ではどんな作品になったと?
E かなり折衷的で、音楽性的にもバラエティに富んでいて、幅広い作品になったかな。音にしても内容にしても。
■その辺りは最初から狙っていたものだったんですか?
E まあ、狙っていたところもあったよ。最初から今作のタイトルは『÷(ディバイド)』にしようと決めていたんだけど、この言葉自体、「÷(割る)」という意味で、パーソナル的にも性格的にもかなり隔離していたり、解離している意味を持たせているからね。
■では、今作のコンセプトの根底には様々な「÷」があったと。
E まさに。前作アルバムが『×(マルティプライ)』で、「全てをより大きく」とのコンセプトだったんだけど、それと同様に今回も最初にコンセプトを決めて制作に入ったから。
■ちなみにエドさんの思う「ディバイド」とは?
E 「一つ一つが違う」って意味かな。この作品にしても、入っている一つ一つの曲が違ったものであって欲しいし、聴いている方にもぜひ違った感受をしてもらいたいところもあるから。
■制作は主に2016年1年をかけて?
E 全体的には3年がかりかな。とは言え今回のアルバムは子供時代を振り返っての楽曲もあるから、そういった意味では、僕の人生の25年ぐらいを費やして作られたアルバムとも言える。もちろん曲自体はここ3年の、その時々に思ったこと感じたことを都度作品化した感じではあるけど、やはりそこに至るまでの自分の人生があってこそと省みると、やはりこれまでの25年間の集大成的なところもあるかな。
■先行で発表された“Castle On The Hill”なんてまさしくエドさんの少年時代が浮かんできます。
E この年齢って不思議だよね。自分としても、〈まだ振り返るには早い年齢かな……〉とは思いつつも書きたくなって。
■常に前に前に、次へ次へと向かっている印象があったので、このような振り返り系の歌は意外でした。
E まさに今の僕は前を向いているんだけど、ちょうどこの曲を書いた頃は、まさにそんなメランコリックな気分だったんだ。ちょっと振り返りたい時期や振り返ってもいい時期だったというか。それこそ16歳の頃は、〈早く大人になりたい!!〉と思っていたくせに、いざ今の年齢になってみると、〈16歳に戻ってみたいな……〉〈ああ、あの頃は良かったな……〉なんて思ったりするんだから。人生ってホント分からない。(笑)
■何かそうメランコリックな気持ちにさせる出来事でも?
E うーん、また自転車を買ってサイクリングを楽しみ出したのが関係しているかも。(笑)
■(笑)。サイクリング、いいですね。
E 15歳に乗ったっきり以降、久しぶりに乗ってるよ。それに乗っていて当時を想い出したところもあった。
■個人的には“Castle On The Hill”に、景色が流れているような情景感を多分に感じたので、ふとそれもサイクリングと関係しているのでは?と思いました。
E 初めて言われたけど、確かにそれもあるかも。自転車で自分の育った街を久しぶりに回ったことで、あらためて街や育った環境の良さ、美しさが分かったところもあったし、再発見もあったからね。それを気づかせてくれたのは自転車のおかげだったからね。