■世界のナイトシーンの今後について
M 常に変化が止まらないと感じるよ!時代、音楽、人によってもね。オーディエンスの反応がエレクトロ主流になったと思ったらヒップホップの需要が少なくなって、気づいたら今度はエレクトロとヒップホップがコンバインされたり、ラッパーとコラボした曲が流行したりと目まぐるしく大きな流れで変化している。今、僕自身も積極的にトライしているんだけど、みんなにそれぞれの音楽性が備わって、違う文化に住んでいて、その点DJは世界中のクラブでプレイできて、それらの人々のそれぞれのカルチャーと音楽に対する愛情や、バイブスの理解に努めて共有して行ければ、もっともっと大きな流れを作れるんじゃないかってね!つまり僕たちDJを主体にオーディエンスを盛り上げたいと思うよ。「ONE LOVE for MUSIC and GOOD PARTY」が僕のスローガンさ!
Y MOUSSが言う様に、ダンスミュージックは常に変化をしていくね。今のエレクトロでもハウスでも、昔のブラックミュージックのワンフレーズをサンプリングしたネタ使いの曲が存在している様に、ヒップホップはメインストリームのジャンルが何であれ、常に近くにあり続けているし、この先もそうなんじゃないかな。音楽やダンスには国境がないし、言葉がなくてもみんなでパーティーできるから。もっとナイトクラブに足を運んで、笑顔溢れる空間を作れたら最高だと思うよ。バンドがあり続けるのと同じ事で、DJが主体の場所や規模を問わないパーティーが増えていく事を心から願うよ。
B 音楽然り、ナイトシーンはいろいろな物が新しい形で続々と出てくるから、本当に飽きないですね。ヒップホップも常にナイトシーンに付随しているし、MOUSSの言うスローガンは自分も共感できます。各国どこのクラブに行っても楽しいし、世界のナイトシーンはこれからもずっと素敵な場所であり続けるよね!
■最後にそれぞれヒップホップのオススメの楽曲を教えてください。
M 同じクラブDJとしてまずは二人のおすすめの曲が素直に知りたいな!
B 僕はV2 TOKYOで反応が良いこの曲をレコメンド!1曲目は、DJ Khaled Featuring Rihanna & Bryson Tillerの“Wild Thoughts”。これはみんなで歌えるわかりやすいフレーズがグッド!今年のDJ Khaledの勢いは凄まじいです。2曲目は、Kendrick Lamarの“Humble.”。今ノリにノリまくってるKendrick Lamar!知らない人はいないくらいの人気っぷりですね。ラストは、Futureの“Mask Off”。なんと言っても流行りのフルート音が最高のトラックです。今のHIP HOP感がストレートに伝わります!
Y 僕は、自身が好きなのもそうですが、自分のレジテントクラブのELE TOKYOでプッシュしている楽曲をPICK UPしました。1曲目は、Drakeの“Fake Love”。Drake節のトップラインのメロディーがとてもキャッチーでヒップホップとポップが融合しているジャンルを超えた1曲です。2曲目はPost Maloneの“Congratulations”。ダークな雰囲気が全面に押し出された、これぞヒップホップな1曲。サビに入るところのメロディーの食いまくっている所とキックの打ち方が最高にカッコイイです。ラストは、French Montana ft. Swae Leeの“Unforgettable”。最高に都会的なイメージでヒップホップと他ジャンルをクロスオーバーさせたヒップホップの新しさを見出しているであろう1曲。単純に気持ち良くて場所を選ばずにどこでも聴けますね。
M どれも素晴らしいトラック達だよね!僕は敢えて昔のものを紹介すると、まずはMobb Deepの“Shook Ones”。この曲は僕にとって本物のヒップホップを体現していると思っているよ。ダークなループがあると同時に美しいラインとのバランス感がたまらない!まるでヒップホップの暗い部分を美しいアートに昇華させたような曲だと思うよ。2曲目は、Joe(Toto Remix) の“All or Nothing”。どっちかというとR&B寄りかもしれないんだけど、個人的にこの希少価値の高いアナログレコードを手に入れるために相当苦労したから思い入れが深いんだ。(笑)ラストに紹介するのは、Calvin Harrisの“Slide feat. Franck Ocean & Migos”。最後のは最近だけどね!ソウル・ファンクチックなトラックだけど、今までに長らくなかったような新鮮さのあるクラブDJとしてのオススメ曲だよ!
B MOUSSが“All or Nothing”を選んだのにテンションが上がりました!自分は原曲をよくかけていました。
Y 流石の選曲だね!Mobb Deepのあのアンダーグラウンド感は最高で真っ暗なフロアで踊りたいですね。(笑)Joeの歌声は今も色褪せないし、彼の声は楽器だね。ぜひ、参考にしてみてね!
PROFILE
DJ yaksa
2000年にDJとしてキャリアをスタートし、数々のビックネームと共演を果たす。さらに『Million Dance 2』に自身の楽曲“Cocky”を提供するなど、クリエイターとしても精力的に活動。現在は麻布十番のELE TOKYOにてサウンドプロデュース兼レジデントDJとして活躍し、2015年には「ULTRA KOREA」に出演するなど新たな世界観を構築。
DJ BUSTA-ROW
2008年DJとしてキャリアをスタート。自らイベントプロデュースし、地元の神奈川県厚木にて最大規模のイベント開催し話題となる。その後、都内主要クラブで数々のレギュラー出演を獲得。現在は六本木のV2 TOKYOにてレジデントDJとして活躍。2015年には「Miller Sound Clash 2015 」で1位を獲得し日本代表としてラスベガスの世界大会でプレイ。
DJ MOUSS
フランス出身のDJ兼プロデューサー。1994年にキャリアをスタート。1997年には「The DMC World DJ Championships」にて準優勝し、フランスで一躍有名に。DJをする傍ら自らも音楽プロデューサーとして活躍。LAのUSチームにて、共同協力制作をしたAustin Mahoneの『Lady ft. Pitbull』でダンスミュージックチャート1位に輝いた。
ヒップホップラジオステーションMOUV’ RADIOとは?
1997年に発足したフランス随一の若者向けヒップホップラジオステーション。視聴数は国の約2%を占める55万から65万と言われており、「HIP HOP NEVER STOP」というスローガンの元に、ヒップホップカルチャーの普及に一役買っている。2009年にはWEBサイトも発足し、ラジオだけでなく動画配信などのコンテンツも楽しめる。
公式サイト(フランス) www.mouv.fr