■曲順などは悩みましたか?
K 曲順は全体の流れを考えたりしながらなので、結構こだわりましたね。特にBUSTA-ROWリミックスをどこに入れるのかはこだわりましたね。
Y なるほどね。(笑)トラップとかのジャンルだからか!
K そうです。
Y BUSTA-ROWのリミックスはトラップとかのミックスなので、今どきといったらあれですけど、新しいジャンルというか、いわゆるプログレッシブハウスやエレクトロハウスとかではない、ちょっと音が好きな人のためのミックスなんですよね。あいつらしい感じだなとは思いますけどね。
K オリジナルでも普通に盛り上がる曲なんですけど、実際に何度かプレイしているのを聴いてみても、オリジナルよりも盛り上がっているし、今の音になっているので、すごくフロアウケがいいんですよね。
Y リミックスで言うとRYOくんのミックスは、なんかおしゃれというか、ハウス、ヒップホップ、トラップというジャンルでカテゴライズするのが難しいなと思っていて。いい意味でなんですけど、4つ打ちで演奏が強調されていて、リズム感も少なくないのに踊れるし、なんか不思議なリミックスですよね。それがおしゃれというか、カテゴライズでハウスミックスしましたとか、トラップミックスしましたとかじゃないところを狙って作っているので、その辺のこだわりはRYOくんぽいなって思います。
K そうですね。この全体の流れを考えて、こういう感じのリミックスが欲しいというようなオーダーはだしたんですけど、いい意味でその期待を裏切られたような感じで。本当に難しいですけど、オペラのような壮大な感じのリミックスですよね。すごくいい感じに仕上がっていると思います。yaksaさんのリミックスについては、オリジナルのいいところを踏まえつつ、ピアノのリフがすごく走っている疾走感のある気持ちのいいリミックスになっていると思います。
Y 悪いことは言えないよね。(笑)このリミックスは元々Kentaro01から2曲候補がきて、オリジナルの曲はThe Weekndの曲なんですけど、その曲がすごく大好きなので、そっちでやりたいなと思って。オリジナルは結構ゆっくりな曲なんですけど、これをハウスでピアノをフューチャーしたような感じでやるとイメージがわくだろうなというのが、パッと思い浮かんだので、結構リミックスはしやすかったですね。ちなみにもう1曲の候補はClean BanditとSean Paul の“Rockabye”だったんですけど、最終的にThe Weekndの曲を選びました。
■今年、これからトレンドになりそうな音楽はありますか?
Y 一概にはなかなか言えないですけど、やっぱり毎日のように現場で音楽をかけていて、フロアの反応を見ると、おそらく世界的なリスナーからみてもわかりやすいのがブルーノ・マーズで、いわゆるTOP40と言われているくくりが、昔だったらポップスが多かったと思うんですけど、今は、昔のファンクグルーブみたいな感じが流行っていますね。曲もそういうアレンジのものが多いですし、たぶんそういうのを意識していると思うんですけどね。そういうTOP40みたいな音楽がトレンドですね。でもプログレッシブミックスだったり、ハウスミックスだったりというところも増えてくると思うので、流行るかどうかわからないですけど、そういう音楽もクラブでは多くプレイされるんじゃないかと思います。
K 実際、今もすでにかかっていると思うんですけど、結構EDMのクリエーターが、TOP40のようなBPMがゆっくりのポップスを作っているので、そういうものが今フロアでもウケているので、どんどんそういう感じのものをほかのクリエーターもだしてくるんじゃないかと思いますね。
Y 僕らも駆け出しのころ、よくダンスクラシックやクール&ギャングとかもかけていたので。だからファンクミュージックを今の若い子たちが聴くと、面白い、新しいと感じるんでしょうね。まさか昔のリメイクとはきっと思わないんでしょうね。(笑)
■それぞれの聴きどころをお聞かせください。
Y そうですね。僕らのやったリミックスものに関しては、オリジナルと聴き比べて、こういう曲がこういう風に変わるんだ、ミックスされるんだ、というところに注目して聴いてもらえると面白いかもしれないですね。DJが手を加えるとこういう風に変化するんだ、みたいなところがひとつの醍醐味であり、聴きどころかなと思います。
K 全体的なことを言うと、わりと選曲のセットリストも実際にDJプレイするような感じの流れで作っています。だから1枚のCDを聴くというよりは、クラブで遊んでいるような感じで聴けるような仕上がりになっていると思います。クラブ初心者の方たちやこれから行ってみたいなという人にも、雰囲気は感じとってもらえると思います。
Y オススメですね!
K 最初、注文を受けていたのが、車の中で聴けるような感じのコンセプトでやりたいというのがあったので、イメージしたのは真夜中に車で走る感じですかね。
Y 「イニシャルD」みたいに首都高を走るようなイメージ?ドリフトしながら。(笑)
K まあ、こういう感じですよね。(ジャケットを指しながら)
Y 本当にクラブに行く前の準備運動じゃないですけど、そういうノリですよね。人によって聴き方は自由でいいですけどね。このシリーズの面白いところでもあるんですけど、毎回ミックスしているDJが違うので、それぞれのシリーズでカラーがありますし、選曲もミックスも変わっているのでいろいろと楽しめると思います。
■最後に読者にメッセージをお願いします。
Y 新譜やわりとわかりやすい曲がメインで作られているので、本当にクラブの予習じゃないですけど、クラブに行ったことがない人とかもこれを聴いてV2に遊びにきてくれるといいなって。知ってる曲がかかっていると、楽しみ方も増えるんじゃないかと思います。地方に住んでいる人でもこれを聴いて、お店の雰囲気を知ってもらえるだけでも嬉しいですね。ぜひ機会があったら遊びに来てほしいです。
K 本当にそうですよね!これを聴いて楽しいと思って、まだ来たことがなかった人も来てくれたら、それが1番嬉しいですね。
Y いつも来ていただいている人も、このCDを家や車で聴いて、V2に来られない日も店に来たような気分で楽しんでいただけたら嬉しいですね。