■将来DJや音楽プロデューサーになりたいと思っている人にアドバイスするとしたら?
M さっきと少し被るけど、オリジナリティーと自分のスタイルを追求してほしいと思う。今の時代、多種多様な音楽に溢れている世の中だからこそ、みんなとは別のテイストを聴きたいと人々は求めているんじゃないかと思うんだ。実際KYGOのトロピカルハウスを例に挙げると、スローテンポな曲は誰もがクラブやフェスなどでのダンスミュージックには合わないと思っていたのに、彼はそこにオリジナリティーを混ぜて世界中のダンスミュージックファンを虜にしたんだ。僕も彼を尊敬しているし、彼のようにオリジナリティーを追求したいって思っているよ。
Y オリジナリティーは大切ですよね。出来上がっているものを完全にコピーしてもつまらないし。ただ、オリジナリティーを追求する事に追われて何も前に進まないのであれば、コピーからのオリジナリティーの追加、化学反応を起こす事もある意味、オリジナリティーかもしれないね。
M まさにそれ!化学反応!何より行動に移さないと起こりうる化学反応も起こらないしね。
■今後の音楽、ナイトクラブ業界の展望と流行となりそうな音楽は?
Y 日本はいろいろなジャンルの音楽が流行していて、例えばJ-popやK-pop、ラテン、ロック、ヒップホップ、トラップ、ハウスと、あげるとキリがないくらい。でもそれに比例してダンスミュージックが流行っているかというと疑問を感じるところがあります。日本のクラブでDJをすることは、ダンスミュージック以外の音楽に興味があるお客さんたちも盛り上げないとだから、選曲などがある意味とても難しいんですよね。だから何が流行るとかは断言しにくいけど、これからは少しゆっくり目なハウスがクラブではプレイされるんじゃないかな。
M すごく分かるよ。もうこれだけ多種多様でユニークな音楽が次々にリリースされているから、次は何が流行るかなんて正直わからないよね。(笑)Tiestoなんか、1時間半のセット全てをトランスミュージックで統一するくらいだし。
Y ELE TOKYOでは最近、大人のお客さんたちにダウンテンポの横ノリがウケてるんですよ。
M そうなんだ!これからは僕もテンポが異なったものが流行ると考えているから、yaksaが言うようにダウンテンポな曲も考えていたんだよ!
Y それ良いチョイスだと思うよ!
■お二人にとって音楽とは?
M 人と人を繋げるものだね。戦争や悪から人を守ってくれるもの。僕自身救われている存在であって、無くちゃいけないものだよ!
Y 本当にありきたりな言葉だけど、音楽は国境を越えて繋がれる、共有できる、最も大切なツール。悲しいメロディーがあれば泣けるし、明るいメロディーがあれば笑顔になれるし、全世界の人間全員が一度は音楽に救われたことがあるんじゃないかな?本当に無くてはならないものだよね。
■お二人の2018年はどんな年にしたいですか?
M 僕はとにかくユニークなことをしていくつもりさ!例えば、今までは同じようなテンポの曲を作っていたけど、来年はテンポが遅いものや更に早いものにもチャレンジしたいね。あと、今から言うことも新しい試みなんだけど、アジア市場が急速に伸びていることを受けて、来年2018年はyaksaとBUSTA-ROWを迎えてアジアンナイトをやろう!世界を魅了しているモンスターフェスであるADE(Amsterdam Dance Event)と絡めてやろうよ!
Y お、この対談録音されているので確定ってことでいいんですか?(笑)
M 言っちゃったからにはやらないとね!(笑)
Y ありがとうございます。Marcもそうだけど、ELEやV2に来てくれたアーティストたちみんなとコラボしていく事をどんどん進めていきます。Marcの夢のある話も聞けたしね!(笑)DJとしてはもっともっとDJ目線の楽曲をプッシュして、みんなと共感出来る幅を広げていきたいです。
PROFILE
DJ yaksa
2000年にDJとしてキャリアをスタートし、数々のビックネームと共演を果たす。現在は麻布十番のELE TOKYOにてサウンドプロデュース兼レジデントDJとして活躍し、「ULTRA EUROPE」をはじめ、世界の有名なフェスやクラブに多数出演。2016年にはDJ MAG JAPANから「Best Resident DJs from Best of Japan 2016」を受賞。
Marc Benjamin
オランダ出身のDJ兼プロデューサー。2013年12月にAfrojackのレーベルWall Recordingsからシングル“Riser”をリリースし、Beatportトップ10入りを果たす。その後も立て続けにリリースし有名に。また、Tommorowlandをはじめ、UlTRA MUSIC FESTIVAL、Ministry of Soundなど世界的フェスティバルへの出演など世界を飛び回る。