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DJ yaksa VANITYMIX 2017 WINTER BACK to BACK TALK

第九回
世界中を飛び回るDJ Marc Benjamin対談

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DJ yaksa(Y)
DJ Marc Benjamin(M)

location:V2 TOKYO
photo by:Kazunori Wataya

多種多様な音楽に溢る世の中だからこそ
自分のスタイルを追求してほしい

■日本の印象は?

M まだ二度目だけど、良い文化があって、人に対する尊厳が本当に素晴らしい国だと思うよ。今回また日本に呼んでくれて感謝しているよ!

Y そうですね。今回は僕がレジデントを務めるELE TOKYOに迎えることができて光栄です。去年の11月にはV2 TOKYOにも出演してくれたけど、その時はどうでしたか?

M とてもびっくりしたよ!まず想像以上に日本ってこんなに人あたりが柔らかいのかって思ったし、音楽の文化がとても発達していて、クラウドの熱気がすごかったのを覚えているよ。特にレジデントのBUSTA-ROWがZEDDの“Beautiful now”とSelena Gomezとコラボした“I Want You To Know”をプレイした時のお客さんの反応はすごかったね!日本のDJに驚かされたよ。みんな狂ったように踊っていたけど、同時に凝縮された一体感をBUSTA-ROWは作り上げていたからね。個人的にZEDDの“I Want You To Know”に関してはリミックスを本人に提供していたこともあって感慨深かったよ!そして今回はV2 TOKYOの姉妹店のELE TOKYOでプレイできるから、今からとてもワクワクしているよ。ELE TOKYOはどんな感じなの?

Y ELE TOKYOはV2よりもサウンドシステム、ライティングシステムに特化していて、ビジュアルも映えるし、何よりプレイをしていて気持ちいいと思いますよ!

M そうなんだ。それはとても期待感が高まるな。新曲もリリースしたばかりだからチャレンジしてみたいよ。

■2013年12月にリリースしたシングル以降、スターダムを駆け上がっていますが、お気持ちは?

M 2013年から特に2、3年間は僕にとって間違いなくハイライトな年だったよ。関わってくれたみんなにとても感謝しても仕切れないほどさ!特にLaidback Lukeにはいろいろなことを教わったおかげで様々なことにチャレンジすることができて、信じられないほどのキャリアアップができたと同時に、他のフェスやクラブで切磋琢磨しながらオリジナル曲のプロデュースにも力を入れられたんだ。本当に夢が叶ったんだって嬉しく思うよ!

Y そんなにサポートされる事がすごいし、楽曲が素晴らしいからリリースも立て続けに出来たのでしょうね。それとMarcは数々の著名な方とコラボしていますが、何か印象的なことありましたか?

M 最新の曲から言うと、Yves Vとのコラボ曲“BLOW”だね。これは僕が彼にデモを送って気に入ってくれたことから始まった曲で、何度もやり取りをしながら完成したものだよ。媚びない感じのドロップがとても気に入っているよ。Regilioとのコラボ曲に関しては逆で、彼からデモをもらって一緒に作って出来上がったのが“Thunder”という曲さ!こっちは挑発するようなドロップがとても効いていてカッコイイよ。あと個人的に思い入れがあるのはBenny BenassiとヴォーカルにChristian Burnsを迎えてコラボした“Who I Am”って曲なんだ。キッカケが面白いんだけど、彼のスナップチャットで7秒くらいの音源が流れたことがあって、それにラブコールを送ったことから始まったんだよ。(笑)

Y いやー、本当に夢がありますね!情熱を持ってチャレンジする事を改めて思い知りました。普段はどういうイメージを意識して楽曲をプロデュースしていますか?

M テックハウスなどのコアな曲から始まって、Dutch Music、TOP40、レゲトン、ありとあらゆるものを聴き漁った僕だけど、やはりどれもオリジナリティーに溢れているんだ。だから、今作っている曲や今後作る曲は難しいことであることは間違いないんだけど、絶対的に僕のオリジナルなテイストを入れ込むことを念頭にプロデュースしているよ。まだ今より若かった頃は、オランダのビッグクラブで毎週水曜日のレジデントとしてお客さんと間近でプレイしていたという経験もあるから、プロデュースする曲はどれもみんなを楽しませたいという思いから、次第によりコマーシャル、よりEDM、よりプログレッシブさを意識したものになっていると思うよ。

Y レジデントを経験するとそういう意識になりますよね。僕は逆にDJプレイはお客さんの反応に重きを置くので、自分が作る楽曲は自分の好きなグルーヴオンリーで作ります。

M 是非今度聴かせて欲しいな!

■影響を受けてきた音楽は?

M ある意味全部だと思う。実は姉が割と有名な音楽関連のMCで、僕が幼少期の頃によく彼女の仕事場にお邪魔していたんだ。そこでみんなが知らないようなコアなジャンルの音楽から、その時流行っていた最新の曲まで聴いていて、13歳になった頃には明確にいろいろな曲を操るDJをやりたいと思ったんだよ。だから、影響を受けた音楽が何かというより、姉の仕事の影響がとても大きかったと今では思うよ。

Y それは素晴らしい環境でしたね。僕はラジオ、クラブ、ミックステープ、バイト先のUSENチャンネルで勉強していましたね。

M 偶然って面白いよね。(笑)yaksaみたいに自分から環境を作り出すような熱心なDJこそハイライトが当たるべきだと思うよ!

Y ありがたいお言葉です。

■オランダは多くの著名DJを輩出していますが、その特徴は?また、日本のDJの印象は?

M 僕が思うに、日本もそうだけど、オランダにも各国から移民してきた人々が多くて音楽性が多様なことによってDJが影響を受けやすい環境があることがまず挙げられると思う。そこから派生して表現することを恥じることがないという事と、自分のオリジナルな音楽を表現したいという良い意味で我の強い国民性があるからだと思うな。あと、オランダとその近隣諸国ではそこら中でフェスなどが開催されていて、自分の音楽やプレイを表現する機会がとても多いからだと思うよ!僕の経験で言うと、一ヶ月の間に昼夜イベントでまずはオランダから始まり、バルセロナ、ブルガリア、ローマ、トルコ、そして戻ってオランダってツアーがあるくらい近隣諸国は活発なんだよ。

Y なるほど。確かに移民の影響で多種多様な音楽性、考え方が生まれると良い刺激が密接しているよね。さらにフェスがそんなに頻繁にあるなら大舞台の経験も積めるし、反応も見られるし、勉強するには素晴らしい環境ですね。

M その環境に耐えられるか耐えられないかって言われると正直本当は辛かったよ!(笑)反面、日本のDJに関してはyaksaとBUSTA-ROWしか知らないんだけど、とても礼儀正しくて、謙虚で、DJプレイに関してもダイナミックなのに正確な技術と絶妙な選曲も備えている。そこにオリジナリティーさを僕はとても感じているから、正直言って非が見当たらないよ。(笑)二人は世界でも活躍していると聞くし、とても良い刺激を受けているよ!

Y 日本人の僕が言うのも変ですが、確かに日本のDJは正確な技術を追求する人種ですね。(笑)

M さすが物づくり最先端の国ってところだね!

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