■ヨーロッパと日本のクラブシーンについていかがですか？
T ヨーロッパは各々が受け入れているというか、楽しむことに対して非常にストイックな感じかな！楽しむことにストイックってなんか変だけど。（笑）要はオープンなんだよね。他人のパーティーは気にしないで、とことん自分たちのパーティーを楽しむというスタイルなんだ！日本というかアジアでは、結構他人の目を気にしている節が感じられるかな。全員がそういうわけじゃないけどね。でも実際にそういうところはない？
Y 同感です。まぁ日本人は、感情を出すのが恥ずかしいとか、控えるという国民性はあると思いますね。（笑）昔ながらの美徳と言ったところでしょうけど。だから、なかなか難しいところはあるけど、音楽という場はやっぱり楽しい場所でしょ？って。変な話、欧米の形を真似るじゃないけど、音楽で発散！楽しいものは楽しい！っていうスタイル。僕自身もそういう場を作っていきたいですし、日本のクラブシーンの発展にも繋がるんじゃないかと思っています。
T なるほど。シャイな面も確かにあるけど、謙虚ってイメージの方が強いのはそういう美徳があるからなのか！yaksaさんみたいにクラブシーンを真剣に考える人がもっともっと増えればこのシーンは必ず盛り上がると思うよ！なんていうかミッションじゃないけど、そういう明確なヴィジョンを持った人が世界を変えているからね。素晴らしいと思うね！
Y そう言っていただけると嬉しいです。すでに日本のクラブシーンは少しずつ変わってきていて、年々盛り上がりが増しているのを感じていますし、今もなおそういう各々のパーティーをできる場所やフェスティバルが増えていっていると実感しているので、今後の日本のクラブシーンも目が離せないですね。
T 日本でも大きなフェスティバルが開催されているのは聞いているよ！EDMにおいても、プログレッシブ・ハウスにしろ、テンポが違う曲や様々なジャンル、スタイルが乱立している世の中に変容していっていると僕も実感するよ。なんというか音楽の大航海時代みたいだな、みんなが音楽を学んで追い求めているこの感じ！この波をもっと広げていったらシーンはもっともっと大きくなるよね！
Y 学ぶこと……深いですね。確かにもっと興味を持って音楽を知ること、その楽しさを周りに共有していくことが加速すれば、良い方向に発展することは間違いないですね！
■2016年のそれぞれの目標は？
T 今年はいろいろなことにチャレンジしてみたいよ！手始めには、今まで作ってきた曲と決別するわけじゃないけど、世の中に次々に溢れてくるジャンルに縛られず、こだわらず、取り入れられるいいものは取り入れて、新しい自分のスタイルの確立を図っていきたいのはもちろん、もっとツアーを回って自分の音楽を広めて行きたいね。僕はただ、自分の思うままに、音楽とひと時も離れず繋がっていたいんだ！
Y 僕は次のステップとして、先程TOMさんに曲の作り方でメロディーが大事だと教えていただいたので、それに積極的にトライしてみたいですね！TOMさんは僕なら簡単に作れるとおっしゃってくれましたが、きっとそんなに簡単じゃないと思うので、ひたむきに頑張りたいと思います。（笑）それとELE TOKYOのレジデントDJとしては、もっとジャンルレスに、ムーンバートン、トラップ、トワーク、エレクトロ・ハウス、プログレッシブ・ハウスなど、ハマるのであればトランスなんかも、いろんなジャンルをプレイして、それがきちんとハマるような場を作っていきたいですし、最先端で活躍するTOMさんのような様々なジャンルの有名なアーティストが来日した時に日本のクラウドがついて来られるような世界規格の場所やナイトシーンを盛り上げられたら良いなと昔から常に思っています。今回はTOMさんと対談ができて本当に良かったです！ありがとうございました。
T こちらこそ招待してくれてありがとう！DJの先輩とお話しができてとても貴重な時間となりました。yaksaさんみたいなかっこいい侍がいてくれれば、日本のクラブシーンは安泰ですね！お互いにこれからも頑張りましょう！
PROFILE
DJ yaksa
2000年にDJとしてキャリアをスタートし、数々のビックネームと共演を果たす。さらに『Million Dance 2』に自身の楽曲“Cocky”を提供するなど、クリエイターとしても精力的に活動。現在は麻布十番のELE TOKYOにてサウンドプロデュース兼レジデントDJとして活躍し、2015年には「ULTRA KOREA」に出演するなど新たな世界観を構築。
TOM SWOON
2015年DJ Mag46位。美しいメロディーラインを生み出すポーランド出身のミュージックプロデューサー兼DJ。Afrojack、Tiësto、Aviciiなど数々の大物DJ陣からサポートされ、Lush&Simonとコラボレーションした”Ahead Of Us”のヒットでも知られる。プログレッシブ・ハウスのシーンに欠かせない人物のひとりとなった類まれなる才能の持ち主。
