空白の2年を乗り越えて、抗えない運命までも
味方につけた10周年のラブソング・プリンセス
今年デビュー10周年を迎えたラブソング・プリンセスことシェネル。5月10日の“Destiny”(TBS系金曜ドラマ「リバース」主題歌)の発売を始め、6月には待望のニューアルバムの発売も控えている。そんなアニバサリーイヤーを迎え、なおも彼女は邁進的。新しい側面を伺わせる新曲“Destiny”では、これまであまり見受けられなかったスリリングさや不穏さを交えた、真夜中の生命力や運命に抗えず、いやおうなく惹き込まれていく心情を、その歌声と表現力で見事に演じきっている。また、これまでとこれからが同居した、まさに現在の彼女が多分に詰まったその作風のニューアルバムにも期待大だ。そう、10年以降も颯爽と彼女は自分の道を進んでいく!!
■現在はアルバムのレコーディングも佳境だそうですね。
シェネル 85%ぐらい完成したかな…。ラストスパートに入ったんで、間もなく完成するわ。
■数曲聴かせていただきましたが、どれもタイプが違っており、非常に楽曲の幅が楽しめそうですね。
シェネル 以前LAで作っていたアルバムと新しく日本でのプロジェクトの中で作った新曲とがブレンドされたものになるので、かなりハイブリッドな作品になりそう。とてもスペシャルなアルバムになる予定なので楽しみにしていて。
■これまでを感じさせつつ、これからもしっかりと感じさせる内容になりそうなので今から楽しみです。
シェネル そう言ってもらえて光栄だわ。実は前回の取材からいろいろなことが私にも起こったのよ。(笑)そんな大きな変革期を経てのアルバムでもあるし…。
■その変革期というのは?
シェネル 実は前作をリリースしてから2年間ほどは表舞台には出なかったの。自分でも自身がどのような活動をしてくのか?が見えない時期を経ての作品でもあるしね。2年前はそれこそ活動も白紙の状態だったことを考えると、今回のリリースはほんとうに嬉しいわ。
■その期間は主に何をしていたのですか?
シェネル とにかくLAに戻り、スタジオに入って、1人のプロデューサーと共に新しい作品についていろいろと考えていたわ。
■そこではどんな作業を?
シェネル 主に自分探しをしたの。自分をもう一度見つめ直す作業。いわゆる自分自身が発信したい歌やサウンドはどういったものなんだろう?といったことを、もう一度探る期間だったというか。本当に自分が好きなメロディはどんなメロディなのか?歌いたいメロディはどういったメロディなのか?を問いかけたわ。
■そこで見つかったものはどんなものでした?
シェネル 自分はすごく生楽器の音が好きだし、ファンクなメロディやアーバンなメロディも好きなんだけど、根本的なところではポップアーティストなんだと改めて気づいたわ。で、一番大きかったのは、より嘘の無い、自分の中から出てくる本物のメッセージ、より深いメッセージを伝えたかったんだってことね。
■ニューアルバムでは、その辺りが凝縮されたものになりそうですね。
シェネル そうね。と言いつつ人間は常に新しいものを見つけていきたい生き物だから。(笑)そういった部分も踏まえて、今の自分が凝縮された1枚にはなるかな。今後どうなるかは今の時点では自分でも分からないけど。(笑)
■その自分探しにはどれぐらいの期間を?
シェネル 4か月くらいかな。しっかりとグローバルに通じる作品を作りたいとの思いを込めて、その4か月で30曲ほど作ったわ。それを12曲に絞って、まずはその作品を最後まで作りあげたわ。そこからいろいろとまたお仕事の話をいただき出して。その一つが今回のドラマの主題歌だったの。