繊細さと力強さ、慈しみも宿した独特の歌声が魅力の19歳の女性SSW番匠谷紗衣デビュー!!
番匠谷紗衣(ばんじょうや さえ)は大阪生まれの19歳のシンガーソングライター。中学生の頃より路上でギター弾き語りの活動を始める。自身の気持ちや想いを相手に伝えるべく放つ楽曲群はもとより、その「歌声」にも高い評価を得ている彼女。繊細さと力強さが同居し、慈しみも宿したその独特の歌声にはきっと多くの方が魅了されることだろう。そんな彼女がシングル『ここにある光』にてデビューする。テレビ朝日系ドラマ「科捜研の女」の主題歌でもあるタイトル曲に加え、自身の出自や思い入れ深いカバー曲からなる今作。まさに彼女の「新たにここから始める!!」との気概が至る所から伺える1枚だ。
■番匠谷さんは中学時代に路上ライブからキャリアをスタートさせたそうですね。
番匠谷 そうなんです。自分の歌を聴いてもらいたくて。でも当時の私は全く楽器が出来ず。かと言って伴奏ナシのアカペラで歌う勇気もなくて。そんな中、ちょうどおばあちゃんの家にギターがあったんです。それで、まずは尾崎豊さんやレディー・ガガさんのカバー等から始めました。
■オリジナル曲を歌い始めたのは?
番匠谷 中学三年の頃ですね。その時に初めて作った曲は今でも私の原点になるんです。
■それは?
番匠谷 当時、友だちが悩んでいた時に上手く言葉で励ましてあげられなかったんです。頭での中にはあるんだけど、キチンとそれを口に出せなくて。結果、全く励ませなかったんです。どうしたらこの想いを上手く伝えられるんだろう?と、家に帰り想い返している中、ふと曲と歌詞が浮かんできたんです。後日、それを形にしてYoutubeにあげたんですが、それを聴いた当人から「この曲を聴いて元気が出た!!」と言ってもらえて。その子の為に作ったとは未だに言えてないんですけどね。(笑)その時に感じたんです。あっ、私は気持ちを伝える際に、言葉よりも曲にした方が伝えられるし、自分を出せるんやって。
■そこから自分の気持ちや想いを歌に乗せて伝えようと?
番匠谷 そうですね。歌だとほんま自分が自分でいられるというか、普段の生活も歌をうたっている時みたいだったらいいのにって思います。(笑)
■主にシンガーソングライターには2タイプいて、片や自分自身の内面を心情吐露のように吐き出すタイプと、もう一つは人の気持ちを代弁するタイプがいますが、番匠谷さんの場合は?
番匠谷 その両方かもしれません。作る時は届けるイメージだし、作っている際には誰かを想っていたりするし、誰かの顔を浮かべながら作っていますが、こと歌う際には自分の感情に任せて、まるで自分のことのように歌っています。なのでライブ中の事は全く覚えていなくて。
■歌い始めて気がついたら終わっていた、みたいな?
番匠谷 イベントライブ等ステージの場合、そんなことも多いです。「えっ、もう終わったん?早っ!」って。(笑)
■繊細さから力強さまで、その表現力の幅もですが、その一つ一つのディテールまでしっかりしている、その歌声には驚かされました。
番匠谷 ありがとうございます。実は歌はすごく勉強してきたんです。中学時代は学校が嫌いで、ほとんど家に居てたんですが、その時に洋楽の曲をループさせて合わせて歌っていたり、高校生の頃は、黒人の歌の先生、マイケルという方なんですが、その方がピアノを弾きながら歌っているのにセッションするかのように、合わせて一緒に歌う練習をしていました。でも、これらは私の一部なんです。まだまだ幅はあって。今はまだ小出しにしておいて、徐々に広げていこうと。(笑)
■あとは歌声に慈しみを感じます。
番匠谷 ありがとうごさいます。私が基本いいなと感じたり心に残る音楽って、どこかその歌声に慈しみや哀しみを湛えているものだったりするんです。なので、それらが私の根っこにはあるんでしょう。人間的にもそんな感じだし。だけど、そんな自分だからこそ出せる歌声でもあるとも自負していて。自分の歌だからこそ届けられる何か、それを信じているし、もっと強めたり確かなものにしていく為に今、いろいろと勉強したり、吸収したりしているんです。
■そんな中、この度シングル『ここにある光』でメジャーデビューしますが、今回のシングル制作に際してどのような気概で臨みましたか?
番匠谷 自分の原点となる作品との意識を持って臨みました。これからどう進んでいっても、この盤を聴いた際には、「ああ、こういった大事な気持ちを抱えて東京に来たし、失くしたらあかんものがあるんや!」と。そんな気持ちに常に戻れる作品にしたくて。それと同時に、もし同じような気持ちを抱えている人がいて、ふとした瞬間に寂しくなったり、「ひとりぽっちやなぁ…」と感じる時があったら、この作品で少しでもその固まった心がほぐれたり、優しくなれたりしてもらえたらいいなって。
■タイトル曲の『ここにある光』は、「この世界でこれから勝負してやる!」といった秘めた闘志を感じます。
番匠谷 普段はあんまり見せへんけど、私の負けん気の強さが現れちゃいました。(笑)ほんま上京した時はそんな気持ちやったんです。正直、自信とかもめっちゃなくなっちゃったし。周りのアーティストさんを見て私ももっともっと頑張らなって思ったり。これまでは根拠のない自信でやってきたけど、これからはもっともっと頑張らないと。毎日自分自身と対話しながら、今自分に出来ること準備しておくことを日々見つけてやっているんです。だからその辺りが曲にも表れているんじゃないかな。
■この楽曲はサウンドがシンプルな分、歌でメリハリやドラマティック性、表情づけ等をしなくちゃいけなく大変そうなイメージですが、実際歌ってみていかがでしたか?
番匠谷 大変でした。特にデリケートな部分を歌うのに苦労して。ちょっと気を抜いちゃうと歌い過ぎちゃうんですよね。ついつい盛り上がっちゃう。だけど、この曲の性質をキチンと考えた時に、盛り上がりよりもむしろ歌詞を大事に歌う方が大事なことに気がついて。この曲に流れている空気感や雰囲気、世界観を大事にして歌いました。それこそ歌詞の意味をキチンと考え、把握して、出来るだけ曲に寄り添えるように臨んだんです。