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access WEB LIMITED INTERVIEW

時代毎に常に音楽的な革新を重ね、ファンとaccessし続けた、この25年

今年デビュー25周年を迎えたaccess。デビュー以来、電子音楽の進化と可能性、歌謡性を帯びたポピュラリティのある歌やメロディを同居させた音楽性を用い、多くのファンを持つユニットだ。シンセサイザーを中心とした革新的なサウンドとアクティブで表現力豊かな歌声で、これまで多くの人を魅了してきた彼らがデビュー25周年を記念した4枚組のオールタイムベスト『access BEST ~double decades + half~』を発表した。これまでの全シングル28曲に加え、彼らのもう一つの魅力とも言える表情豊かなバラードやミディアム曲に加えレア音源もプラスされた盤、それからリビルドのなされたリミックス盤の計4枚全54曲が収まった同作品。全曲リマスタリングが施され、値段も¥4,815(税抜)とかなり良心的につき、彼らの軌跡や主な活動を網羅するにはもってこいの逸品とも言える。

■活動開始25周年おめでとうございます!!まずはこの25年間、accessが保持してきた信条があったら教えて下さい。

浅倉 accessはこうあるべき!!」といった形容がしづらいのが僕たちの特性で。(苦笑)定義はあるんですが、常に時代毎に変わってきてますからね。

■では、その定義というのは?

浅倉   可能性の追求ですね。シンセサイザーというセオリーの無い楽器を用い、テクノロジーの進化と共に変化し、時代毎に新しい音を取り入れて自分たちなりの音楽を生み出していく。HIRO(貴水)にしてもポジティヴで前向きなメッセージを歌の中に織り込んできただろうし。特に今回のベスト盤からは、電子音楽のこの25年の移り変わりを始め、その辺りも感じてもらえるんじゃないかな。

■ここまで続けて来れた秘訣は何だったんでしょう?

浅倉   現在進行形の部分と確固たる不偏的な部分の共存のバランスが常に上手く出来ていたからかな。

■確かに常に革新し続け、進化し続けてここまで来られてますもんね。

浅倉   とにかく新しもの好きなので、アンテナは常に広げてます。(笑)都度都度、それを形に出来てきた自負もあるし。今や打ち込みも当たり前ですが、僕らの初期はそれすらトライでしたから。とにかく新しいもので、“これだ!!”ってものに出逢っては、取り入れてきました。

貴水   大ちゃん(浅倉)の作る音楽は常に最先端ですし、僕たちにはファンのみなさんと共有したいものが常にあった気がします。それを音楽というツールを通して2WAYで常に共有してきた。それが続けてこれた理由の一つかな。

浅倉   あとは任せるところは任せる信頼関係でしょう。トラックを作ってHIROに渡して、HIROがそこからイメージした歌詞を載せて、その歌詞に合わせてまたアレンジを変えていき楽曲が構築されていく。この2人によるキャッチボールから生まれたものがaccessの楽曲となるので、曲によっては当初の自分の想像の範疇を越えて完成に至ることもあります。でも、それは聴き手にも言えることで、決して一つのイメージに固執せず、各々の中で物語を繰り広げたり、ビジョンを浮べてもらうことにも繋がっているように思います。

貴水   大概が楽曲を聴いた第一印象から歌詞を書いてるんです。音がほぼ完成形に近く、既に音が語っている部分があるので、そこから浮かんだ景色や物語を描いてきた感じです。

■歌詞もポジティブなものが多いのも印象深いです。

貴水   あまり暗いことを考えない性格ですから。(笑)例えネガティブな題材だとしてもキチンとどこかで光を見出せるような着地点は意識していて、聴いてくださる方と共有したい気持ちが常にあるんです。

■それを表すように、2002年の活動再開以降は常に毎年必ずライブやツアーを行ってますもんね。

浅倉   楽曲は発表した時点で聴き手のものになりますが、それを生で聴いてもらう場を作るのもクリエーターの責任だと思っています。その空間を同じ時間、同じ場で共有する、その機会は常に作っていきたいんです。

貴水   ひとつのライフワーク化してますからね。CDでもコミュニケーションは取れますが、やはり生による2WAYでのコミュニケーションにはかなわないし、みなさんとリアルに人生を共有できる時間といったら、やはりライブしかないですから。

浅倉   デビューした時から「2WAYでアクセスしていこう!!」がテーマでしたから。それこそ25年前は、まだインターネットも無い時代でaccessという言葉も馴染み薄かったんですが、今の時代、出会ったり、赴いたり、接続する行為としてもaccessという言葉で成立してますからね。名は体を表すことが出来ました。(笑)

■で、今回ベスト盤『access BEST ~double decades + half~』がリリースされます。

浅倉   あまり立ち止まったり振り返ったりしない、この二人ですが(笑)、四半世紀音楽をやって、それを続けられるのも、やはり聴いていただける方の存在のおかげなので、ここで一度立ち止まり、日頃の感謝をキチンと音にして届けてみました。

■4枚組でかなりボリューミーな内容ですが、これまでのファンはもとより、これからファンになるであろう方にも絶好の入門盤ですね。

浅倉   デビューの頃はまだ生まれていない方や、「25年前は幼くてライブに行けなかったのが、最近ようやく行けるようになった」なんて声、それから、今は親子2世代でライブにも来ていただけるようにもなっていて。そんな方々にも、これ一つで自分たちのこれまでの軌跡や足跡が網羅できるでしょうから。是非聴いてもらいたいですね。マスタリングも改めてし直したので、これまでのファンの方でも違った楽しみ方が出来るようにもなっています。

貴水   今の時代ってボーダレスじゃないですか。あまり古いも新しいも関係ない。逆に古いものの方が新鮮に感じられたり。なので是非先入観なく聴いて欲しいです。たぶんイメージも変わるだろうし、今の時代の新鮮味を感じ取っていただけるのではないかと思います。

浅倉   どれをとっても恥ずかしくない楽曲たちですから!!

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