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9nine WEB LIMITED INTERVIEW

■それにともないベストアルバム『BEST9』もリリースされましたけど、思い出深い曲は他の媒体でさんざん話しましたよね?

佐武 そうですね。(笑)

川島 でも、みんな思い出深い曲がいっぱいあるから、その都度話すことを変えてるんです。

■今回は発売当時とは歌うときの気持ちが変化した曲を教えてもらおうと思いまして。

佐武 あー、いいですね、おもしろそう!

■ひとり1曲お願いします。

村田 “SHINING☆STAR”(2011年3月発売)は全然変わりましたね。

川島 あー、取られた!

村田 この頃はまだ(5人の)9nineが始まったばかりで、歌うこと踊ることに必死だったんですよ。歌詞は希望に満ち溢れているのに、自分のことに精一杯で、顔もこわばっちゃって。でも、いまはライブでも鉄板で盛り上がるし、「元気をもらえる」と言ってくれる人も多くて、お客さんと一緒につながれる、一体感を高められる歌に育ったかなって思いますね。

佐武 はい!佐武は“Re:”(2013年11月発売)でいきます。

川島 また取られた!

村田 早い者勝ちだね。(笑)

佐武 “Re:”は「リスタート」っていう意味で、当時もそういう気持ちだったんですけど、いまもリスタートですよね。(笑)この曲を発売したときは、ドラマ『リーガルハイ』のオープニングテーマだったこともあって、いちばんがむしゃらにメディアにも出させてもらってたし、宣伝トラックが渋谷を走ったりもして、たくさんの人に9nineを知ってもらった思い出深い曲だったんです。それから時間が経って、この曲に再び背中を押してもらうときが来るとは思いませんでしたけど、いまこそ必要な曲なんじゃないかなって思います。

吉井 私は“少女トラベラー”(2012年1月発売)。このときもワンマンライブがあったり、メディアにもたくさん出させてもらったり、リリースイベントをやったり、攻めた時期だったんです。いまはライブでこの曲が来たら、絶対みんな声を出したくなっちゃうような曲に仕上がっていて、最近では曲をアレンジしてもらってダンスコーナーにつなげてみたり、そういう進化もしているんです。これからもワンマンライブでは重要な位置に入ってくる1曲になると思うので、ぜひ聴きこんでライブに来てほしいです。

西脇 私は“流星のくちづけ”(2012年6月発売)。この曲を出したときは、私たちのキラキラレインボー期だったんですよ。(笑)衣装もチュチュとかフリフリなものを着て、アクセサリーもキラキラみたいな。当時はとにかくかわいく歌ってて、動きや仕草ひとつにしても、どうやったらかわいく見えるんだろうと考えていたんです。でも、いまはライブで客席に降りたりとか、お客さんとの距離が縮まる曲というか。自分たちが見せたい曲じゃなくて、みんなと楽しむ曲に変わったなと思いますね。当時みたいに仕草とかは気にすることなく、自然体で歌えるようになりました。

■じゃあ、満を持して川島さんお願いします。

川島 はい。私は“HAPPY 7 DAYS”(2015年6月発売)です。この曲は最初、真っ赤な衣装で、ちょっと大人っぽく、あんまりガツガツ踊りすぎず、色っぽさを出せる曲にしたいなっていうテーマだったんですよ。その時期はガツガツ踊る曲が続いていたので、シンプルなダンスにするのは不安もあったんですけど、イベントで披露したら、みんな見入ってシーンとしちゃって。そのときは「この曲、大丈夫?」と思いましたね。最新のシングル曲で盛り上げたいのに、イベントでいちばん盛り上がらないみたいな。でも、絶対にいい曲だし、私たちなりに盛り上がれる曲にしようって言って、お客さんにフリを教えて、サビの「Yeah Yeah」を一緒に歌ってくださいって呼びかけたんです。

村田 教えこむコーナーあったね。(笑)

川島 それでようやく浸透して、最近ではライブで盛り上がるポイントに持ってくるほどの曲になったんです。だから、ファンの人に成長させてもらった曲だと思います。

■振り返ると本当にいろんな曲があるなと思いますけど、9nineの活動を通して得たものはなんだと思いますか?

佐武 私はすべてを得ましたね。

■大切なことは全部9nineに教わった的な?

佐武 青春のほとんどを9nineに注いだので、学校じゃ教えられないことも9nineの現場で教えてもらったと思うんです。普通の人だったら経験できないような人生を、9nineを通して送ることができてるなって。いまも昔もそう思いながら活動してます。

川島 私は度胸がつきました。やっぱりステージに立つことって、お芝居の世界でも少ないですし、特に武道館のときは本当にたくさんの人が来てくれて、こんな大人数の前で何かをすることは、なかなかできない体験ですよね。最初はもちろん緊張しちゃってたし、自分に自信もなかったけど、そういうステージをたくさん経験したことが、自信や度胸につながったと思います。

村田 私は最近になって、やっと自分らしさみたいなものが出るようになったかなって。私は芸能界に入ったのが9nineからだったので、最初は「これをやってください」と言われたことをやるのが当たり前だと思っていたんです。でも、それだけじゃダメだということにどこからか気付いて。自分たちなりに考えて、自分のやりたいことも発信していったほうがいいんだなって。ありのままとまでは言えないかもしれないですけど、いい子ちゃんしてたところもほどけるようになって、自分らしさみたいなものを見てもらうことの大切さを知りました。

吉井 私はずっと歌手になりたくて、9nineになれて、最初は自分が楽しいとか、自分の気持ちしか考えられなかったんです。でも、最近やっとお仕事に対して誇りを持てるようになったというか。いまは何を伝えなきゃいけないとか、意味を考えて、まわりを見れるようになったなって思います。なので、その気持ちを大事にして、まだまだ成長していきたいです。

西脇 かんちゃんと同じようなことを私も考えていたんですけど、見せ方、見られ方を考えられるようになってきたのかなと思います。さっきの“流星のくちづけ”の話もそうですけど、自分たちがかわいくしたいからかわいくするとかじゃなくて、自分たちがそれをやることによって、まわりからどう見られるのかを意識するようになったかなって。それは大人になっていくにつれて、まだまだ磨かれていく部分だと思うんですけど、最初にはまったくなかった感覚なんです。

■みんなアーティストとしての自覚が芽生えたんでしょうね。

川島 自立しだしたのかもしれないですね、それぞれが。いい意味でわがままになって、これやりたい、あれやりたいっていう欲がどんどん出てきて。意見が5個出て対立しちゃうときもありますけど、ひとりで意見を出すよりも、確実にいい答えにたどり着けていると思うんです。そうやって常に、いちばんいい答えを探しながらやってきたと思います。

■これからもその経験を活かして。

川島 そうですね。活躍できるようにがんばります!

村田 お互いがんばろうね!

Interview&Text:タナカヒロシ

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