クスッと笑えて癒される
ユーモアたっぷりの時代劇『猫忍』5月20日全国ロードショー
猫と時代劇という異色のコラボレーションが話題を呼んだ『猫侍』シリーズのスタッフが、新たに猫と忍者をテーマに描いたユーモアたっぷりの時代劇『猫忍』が5月20日に公開される。クスッと笑えて癒されて、あったかくてやさしくて、すべての人の日常をほんわかさせてくれる猫と忍者の物語。久世陽炎太役を演じた大野拓朗に今作について、そして父上(金時)について話してもらった。
■ドラマ版の放送も終わり、あとは映画版の公開を待つのみですね。
大野 昨年の10月から11月半ばまでドラマと映画の撮影を一緒にやっていたんですけど、最近取材を受けさせていただく機会も増えてきて、やっと実感がわいてきました。楽しみでもあり、怖くもあり、期待と不安とがあります。
■不安というのは?
大野 作品を背負っているというイメージもあると思うのでドラマとは一味違う責任感みたいなものは感じます。
■『猫侍』のスタッフが再集結して作られたとのことですが、『猫侍』はご覧になられてました?
大野 もともと大ファンだったんです。北村(一輝)さん演じる久太郎のキャラクターが魅力的ですしあのほっこりした世界観が大好きだったので、今回お話をいただいたときはとてもうれしかったです。
■『猫忍』も親子の絆や(久世)陽炎太の成長を描きながらもやっぱりゆる~く、ユーモアたっぷりのストーリーですよね。
大野 撮影中は一生懸命ストーリーに沿って心を動かして演じていますけど、できあがったものを観たら、観ている人にただ癒しや笑いを届けられたらそれだけでいいのでは、と思いました。
■たしかに、観終わったあとに何が残ったかと言ったら、「癒されたー」っていうほんわかした気持ちなんですよね。
大野 そうなんです。だからもう癒されてくれたらうれしいです。
■なるほど。忍者役なので走るシーンや立ち回りのシーンも多かったですね。
大野 走るのがいちばん大変でした。忍者走りと言って、前傾姿勢でからだを上下移動させないで手を振らずに走らなくてはいけないので、それがすごくむずかしかったです。アクションチームゴクウさんと相談して何度も何度も練習して、プライベートでも夜、ランニングをしているときに忍者走りをしたり、大変でした。走るだけでも大変なのに大体走るのは山の中で、変なところが筋肉通になったりしました。体力作りは普段もジムに行ったり、キックボクシングをしたり、バスケをしたり常に運動はしているので問題ないんですけど、忍者走りは本当に大変でした。
■そんな中、やっぱり猫の金時が癒しになったんじゃないですか。
大野 もう本当にかわいいんです。とても甘えん坊なんですよ。特に眠くなるとずっと甘えん坊モードになって、抱っこしているといつのまにか寝てしまったりするんです。でも、金時は今回初仕事なのに役者なんです。台本読んでいるのかな?と思うくらい台本の流れに沿った芝居をして、何度も奇跡を起こしている、奇跡の役者なんです。
■例えばどんな奇跡を?
大野 例えば、忍者が猫を飼うのはご法度なので、町中を歩くときは抱っこひもで父上(金時)を連れて歩くんですけど、「父上、お静かにしててくださいよ」と言って歩き出した途端に「にゃ~」と鳴くので、アドリブで「だーかーらー、父上お静かに!」って抱っこひもの中に押し込んだら今度は顔をグイグイ出してくるんですよ。普段はめったに鳴かないし、寝ていたいから出てきもしないのに、撮影中にはそういう奇跡を起こすんです。
■すごいですね。撮影中はずっと一緒にいたんですか?
大野 ずっと抱っこして、一緒にいました。
■じゃあ撮影終わってお別れのときは…
大野 とてもさびしかったです。撮影が終わるさびしさより金時と別れるさびしさのほうが大きかったです。だからいまは待ち受けも金時なんです。
■そうなんですか。
大野 iPhoneなんですけど、ロック画面がうちの実家の愛犬たちで、ロック画面を開けたところが金時になっています。もう自分の子どものように愛していますね。
■父上なんですけどね。(笑)
大野 だから撮影も大変で、父上なのにどうしても赤ちゃん言葉になってしまって、監督に「違う!いま赤ちゃん言葉になってた!父上だから!」って注意されました。それがいちばん大変だったかもしれないです。
■さきほど愛犬の写真とおっしゃっていましたけど、犬派、猫派で言ったらどっちなんでしょう。
大野 もともとは犬派でした。でもいまは両方好きですね。いま一人暮らしなんで動物欲しいなと思っていたんです。でも犬は散歩とかなかなか連れて行けなかったりするので、かわいそうかなと思っていて、そうしたら猫好きの方や猫を飼っている方から、猫だったら一人暮らしでも融通効くよ、という話を聞いて、いま猫を本気で探しているんです。
■いい子と出会えるといいですね。
大野 金ちゃんみたいな甘えん坊な子がいいですね。
■金時はまるまるしてて、抱き心地も気持ち良かったでしょうね。
大野 重いですけどね、8キロもあるので。抱っこひもが肩にくい込んで肩凝りになりました。でもその重さも愛おしく思えるようになってくるほどかわいかったので、大きい猫を飼いたいなと思っているんです。
■金時ともぜひ再会して、続編でまた癒してくれたらうれしいですね。
大野 やりたいですね。だから本当に多くの人に観に来てもらって、癒されてほしいし、楽しんでもらえたらうれしいです。
■そうですね。では最後に見どころも含めてメッセージをいただけますか。
大野 猫好きの方も、そうでない方も、すべての人の癒しになる、笑える忍者猫エンターテイメントになりました!あったかくてやさしくて観ていて疲れる要素が一切ない、癒しの要素100%の映画なので、気楽に観て、日々の疲れを癒して、明日への活力にしていただけたらうれしいです。ぜひ劇場に足を運んでみてください!
Interview & Text:藤坂綾
PROFILE
立教大学在学中に「キャンパスター☆H50」 のグランプリ受賞をきっかけに芸能界入り。2010年、映画「インシテミル ~7日間のデス・ゲーム~」で俳優デビュー。2011年に「美咲ナンバーワン!!」で連続ドラマに初出演。14年から3年間、NHK Eテレの教育番組「Let’s天才てれびくん」 のメインMCを務める。NHK大河ドラマ「花燃ゆ」を経て、NHK連続テレビ小説「 とと姉ちゃん」で注目を集める若手俳優。
http://www.horipro.co.jp/ohnotakuro/
公開情報
『猫忍』
2017年5月20日(土)角川シネマ新宿ほか全国ロードショー
出演:大野拓朗、佐藤江梨子、藤本泉、渋川清彦、鈴木福、柄本明、麿赤兒、船越英一郎ほか
監督:渡辺武
配給:AMGエンタテインメント
http://neko-nin.info/