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LeChat  WEB LIMITED INTERVIEW

初音階段のボーカルが本格デビュー。テーマは人類滅亡後に生き残ったAIロボット
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モデル、コスプレイヤーとして活躍する一方で、2014年からはバンド「初音階段」の2代目ボーカリストとして、初音ミクのコスプレをして世界各国でライブを行なってきたLeChat(るしゃ)が、ソロとして初のミニアルバム『Ash and Irony』をリリースした。意味深な言葉の数々と、悲しげな雰囲気が漂う世界観を持った今作は、人類滅亡後に生き残ったAIロボットが主人公。何事にも考えすぎてしまう性格という彼女は、どのように楽曲と向き合ったのか。本格デビューを目前に控えた心境とともに語ってもらった。

■昨年から本格的にソロシンガーとしての活動も始めて、今作がデビューミニアルバムとなりますが、どんな感じで制作は進めたんですか?

LeChat まだまだ勉強不足なので、まずはプロデューサーに入っていただいたんです。そうしたら最初からいいものをドンと作ってきてくれたので、「こんなよくなっちゃう?」みたいな感じでした。

■まず曲をもらって、そのなかからLeChatさんが選んだんですか?

LeChat いや、曲をいただいて、「これをやるので歌ってください」「はい、わかりました」っていう感じでした。実はレコーディングのスケジュールがかつかつで、当日スタジオに入ってから初めて聴いた曲もあったんです。だから何か意見する間もなく、ロボットのようにやってました。

■なかなか触れにくいですね。(苦笑)

LeChat 書いてもらって大丈夫です。(笑)それでも満足するものができあがったので。

■アルバムはLeChatさんがAIを搭載した人型ロボットというコンセプトと聞きましたが、それは事前に知っていたんですか?

LeChat 突然ありました。(笑)ただ、今回のジャケットのヴィジュアルは、以前、別のお仕事のときに出てきた案で、お蔵入りしていたものなんです。実はその案が凄く良くてもったいなくて今回のジャケットは、そのときのデザイナーさんに「やりませんか?」と相談したんです。それを基にプロデューサーさんが世界観を広げてくださったんです。

■そうだったんですね! その世界観を少し説明していただけますか?

LeChat 人類が滅びた後の世界で、生き残ったAIロボットが無数の人間の記憶や感情をディープラーニングした話なんですけど、雰囲気は1曲1曲違っていて、ちょっと説明が難しいですね…。“覚悟より切実な現実の前で”に関しては、勢いもありつつ、単純に明るいだけの曲じゃないところが好きで。

■アップテンポな曲も、ゆったりした曲も、全体的に悲しげな雰囲気が漂ってますよね。

LeChat そうですね。報われてない感というか。私はそれが気に入ってます。特に“星の奴隷”は、わりと早いタイミングでもらえた曲なんですけど、歌詞に「幸せの奴隷」という言葉があって、それを見たときに考え込んでしまったんです。「人は幸せになるために生きているのに、奴隷!?」みたいな。すごい深いですよね。この曲をもらってから数日間、その「幸せの奴隷」だけについて考え込んでしまって。すごく怖い言葉だなと思ったんです。

■考え込んで、結論は出たんですか?

LeChat いまも出てないです。でも、いちおう自分のなかでは納得させました。幸せになるために奴隷になっているんだというか。

■「幸せにならなきゃ」という気持ちに追い立てられるような?

LeChat そうですそうです。「でも、それは幸せなのか?」みたいな。ちょっと深いことを考えてしまいました。だから、私にとっては怖い曲なんです。いろいろ考えさせられてしまうので。

■レコーディングでは、どういう気持ちで歌ったんですか?

LeChat あまり感情を入れず、淡々と歌ってほしいと言われたんです。

■ロボット感という意味では、事前に曲を聴き込んで感情移入するよりも、直前に聴いてレコーディングしてよかったのかもしれないですね。“Missing”も“星の奴隷”と同じMI8kさんが作詞作曲されてますけど、「機械と1つになるのね」とか、「人類を超えた新しい世界で」とか、ロボット感が強いと思いました。

LeChat ただ、これすごい我がありますよね。他の曲と比べて。どの曲も主人公はロボットですけど、AIが人間の感情や記憶を学んでいるので、それを歌っているのではないかと私は思ってます。だから歌うのはロボットだけど、歌っているのは人間の感情というか。

■どの曲も意味深というか、思わせぶりな要素がありますよね。

LeChat ちょっと考えないとわからない感じではありますね。でも、私は斜めな考えを持つところがあるので、こういう歌詞のほうがすんなり自分のなかに入ってくるんです。私としては「わかるわかる」みたいなのが多くて。

■どういう部分がわかるんですか?

LeChat このちょっとひねくれた感じが。さっきの“星の奴隷”もそうですけど、私は答えが出ないことをよく考えるんですよ。だから楽曲から自分に近いものを感じつつ、ちょっと怖いというか。答えが出ないことを考えるのは怖いじゃないですか。眠れなくなっちゃうので。友達にも「考えすぎ」と言われることが多いんです。よく「人間はどうして生まれてきたんだろう」とか言うんですけど、「疲れない?」って。

■疲れそうですね。(笑)

LeChat そうなんです。でも考えてしまうので。そういうところに共感します。

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