あなたが今日も安心して眠れますように…。
仲宗根泉(HY)が1分間の中に込めた安堵や明日への活力
HYの鍵盤＆ボーカルの仲宗根泉。HYの楽曲の中でも彼女の歌う、聴く者に寄り沿い心を重ねたくなるバラードは人気も高い。インスタ動画を通し、自身の近況やメッセージ、身近な状況を1分の中で発信している彼女。中でも都度毎にメッセージや想いが込められたオリジナル歌唱動画は人気のカテゴリだ。安堵や鼓舞、「私は今の私はでいいんだ!!」と改めて確信させてくれる数々の言葉を、短いながらも歌と詩を通し伝えている、このシリーズ。それらが彼女初のソロアルバムとして作品化され、その各楽曲や、より仲宗根自身のパーソナルに触れられる書籍が、この度それぞれ届けられた。仲宗根の経験と想い、バイタリティが1分間という短い時間の中に込められたこれらの作品は、聴く者、読む者に安堵感と更なる自信を与えてくれる。
■多分に漏れず私も仲宗根さんのインスタの更新を楽しみにしている1人です。あのシリアスさとコミカルさの混合が凄く人間として信用できるんですよね。
仲宗根 くだらない動画の方が多いでしょうけど。(笑)一般的に私は「HYでバラードを歌っている寡黙な女性」ってイメージでしょうが、実際にあれを観たら、「これでお母さんやっていて大丈夫…？」って内容ですからね。でも、あれも実は私の自信のなさの裏返しでもあって。
■意外です。何ごとも自信たっぷりにこなしている印象があります。
仲宗根 あえてそう見せてはいますが、実際は自分に自信のないタイプで。だから、あえてああいった完璧じゃないところも発信しているんです。本来の私は、あのインスタ通りなので。みなさん是非あれを見て、「あっ、この人も実は自分たちと同じで、こんなところもあるんだ…」と受け止めてもらえたらなと。正直、昔からあまりアーティストの自覚がないですからね、私。歌が好きでこの世界で歌ってますが、実際はそれこそインスタ通り色々な面があるんです。
■確かにあのインスタからは仲宗根さんの様々な素が伺えます。
仲宗根 ふざけた投稿や真面目な投稿、母の顔もあれば、ミュージシャンの顔もある。それらを通してより私を知って欲しい意図もありますからね。より仲宗根泉という人間を分かってもらえる、そんな感覚でやっています。
■で、その中でも人気もある1分間で歌を届けるシリーズが、このたび作品化されましたね。
仲宗根 自身の趣味を世の中に出させてもらいました。制作段階でも仕事って感覚が全く無くて。すごく楽しかったし。元々このような作品化ありきで、あの動画のアップも始めていませんからね。
■そもそもあのシリーズを始めたキッカケは？
仲宗根 インスタの私に対するコメントへのアンサーのつもりで始めました。私、いただいたコメントは全て読むんです。その中でも今、その人なりに悩みを抱えている心情吐露にも似たものもあって。その人に私なりの言葉をかけてあげたくて、歌にしてアップしたのが始まりでした。その苦しかったり、悩んでいる一瞬を手助けして安らかに眠ってもらいたい。そんな想いからです。でも、そのスタンスは今も変わっていません。
■そうだったんですね。てっきりインスタを見ている多くの方に向けての特別な歌かと。
仲宗根 なので不思議でもあるんです。これだけみなさんが自分の為に歌われているように響くと同調して下さるのが。逆にみなさん実は、このような言葉を欲していたことにも気づけました。
■それもありますが、他者に向けて歌いながらも逆に仲宗根さん自身にも言い聞かせていたりとかは？
仲宗根 結果的にそういった面も出てきました。歌っていて自身でも納得したり、「変わらなきゃ!!」と決意を新たにしたり、振り返ったり、自分の来た道や経験や過去の光景が浮かんできたり…自身と重ね合わせる箇所が多々出てきましたからね。
■内容も恋愛のみならず、他にも幾つかのタイプがありますね。
仲宗根 当初は自分のフォロワーは、恋愛で悩んでいる人ばかりだと思っていたんです。でも意外にも夢で悩んでいる人や仕事で悩んでいる人、このままでいいのか？と悩んでいる等々のコメントも多くて。それに対して励ましたり、鼓舞したり、なだめたりといった具合に歌のタイプも増えていきました。
■CDも書籍も自身の経験値からかけられる言葉が詰まっている印象があります。よく1分間で、あれらの真理が伝えられますね。
仲宗根 1分という限られた中で、どんな言葉を伝えれば、今夜はそれを聴いてその人は眠れるのか…を考えていると、真理がフッと降りてくるんです。それに従って書いている感覚というか。基本どの曲も2～3分で作り上がっています。
■あえて一場面だけを切り取り、あとは聴き手に委ねているところも印象的でした。
仲宗根 人の心理を読むのが好きなんです。いただいたコメントからその人の背景や状況を勝手に推測し、「この人はきっとこんな言葉を、いま欲しがっているんじゃないか…？」って。すると、それに合った言葉がすっと降りてくるんです。私は、それを綴っているだけで。（笑）
