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SuG WEB LIMITED INTERVIEW

SuG 足掻き続けた10年を示す渾身のシングル『AGAKU』投下、武道館公演へ
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能動的に足掻き続けた10年だった――。決して楽な道を選ばず、自身の美学を貫き通して走ってきたSuG。その道は、楽ではないどころか、様々な紆余曲折と葛藤を孕んで彼ら自身を追い詰め苦しめてきた。それでも5人がこの道を選んできたのはなぜなのか。7月5日にその生き様を示すシングル『AGAKU』をリリースし、9月には10年を締めくくる武道館公演を迎えるSuGの武瑠(Vo)に、嘘のない今の気持ちと、バンドへのひたむきな想いを訊いた。

■今回のシングルですが、シンプルな『AGAKU』というタイトルが逆にインパクトあるなと。今までや今後のSuGの姿勢を示しているような。

武瑠 そうですね。これまでの10年を象徴する曲にしたかったので、去年からタイトルだけはあって。今回はタイトルとロゴのデザインが先行してできていました。これに合う曲を書こうということで作っていって。10年を総括した時に、SuGの姿勢っていうのはあくまで能動的に足掻き続けた10年だったなって思いますね。

■具体的にはどういうふうに足掻いてきたんですか?

武瑠 楽な道を選ばないできたっていうのはずっとあって。たとえば、当時インディーズのビジュアル系界隈でブログのペタやツイッターのリプライを一人ずつ返していくだとかが流行っていて。でも、俺らみたいなキャッチーなバンドがそういうのは一切やらなかったり、ライブの物販で定番のチェキを売らなかったり。楽して稼ぐっていうのをしてこなかったですね。こういうバンドと対バンしたらもっと名が知れるのにって言われてもしてこなかったし。今はこういう曲が流行っているよっていう時にも、敢えて書かなかった。美学のせいでかなり損してきたこともあったとは思うんですけど、そういう楽な道は選べなかったんです。あくまで、自分たちが本当にやりたいことに対して足掻き続けてきたんだと思いますね。

■なるほど。

武瑠 それも音楽だけじゃなくて、世界観とかファッションだとか、自分たちにはいろいろな武器があるから、それが逆にありすぎて散らばってしまうというか。音楽で言えば、大好きなアーティストもたくさんいるんですけど、本当にジャンルがバラバラなんですよ。だから目標が点在してしまって、自分たちの目指すべき道を探す、仲間を探すという意味でも足掻いてきた。

■そうやって10年間やっていくことは、ものすごい労力と熱量が必要なんじゃ?

武瑠 そうですね。目標をクリアしたことは一回もないです。動員にしても、音楽ランキングにしても。そういうのを原動力に変えてきたって感じです。届かない、悔しい。それでも、やりたい。

■でもある意味、9月の日本武道館公演は、その目標の最たるものの一つがやっと実現することになるんじゃないですか?

武瑠 なんだろうな。ずっとやりたかったっていうよりは、ずっと目標がないバンドだったんで。それこそ目指す先がないというか。で、空中分解しそうだったメンバーやチームと話して、これは何かしらの目標が絶対に必要だなって。それで武道館公演なんじゃないかって決めていった感じで。だから長年の夢だったというわけではなくて、5人やチームで見つけていった夢という感じですね。

■その武道館公演でも披露されることになる今作は、10年の集大成という大事な位置づけですよね。“AGAKU”はどういう経緯でリードトラックに選ばれたんですか?

武瑠 まず、選曲会でイントロが完璧だったんですよ。俺たちの音楽を象徴するのって、踊れることと、踊れるといってもEDMだけじゃなくてファンクやヒップホップも取り入れたりっていうもので。そこにカッティングとディレイピアノも加わっていて、まさにこれだなと。このままサビも良かったらいけるなってちょっとドキドキしながら聴いてて。(笑)でも不要な心配でした。キャッチーだし、音数もSuGらしい詰まり方をしてたんで。もう満場一致で決まりましたね。

■すごくスムーズだったんですね。

武瑠 そうですね。“AGAKU”っていうテーマが決まっていたので、5人がそれに則って書いてきて、言ってみれば10曲の“AGAKU”があって。その中のベストがその場で決まった。選曲会の前はすごく不安でしたよ。そのレベルのものが果たしてくるのかって。そこはさすがyujiだなって。

■アレンジもハンパないですよね。様々な要素が詰まっていて、いい意味でとても一度では消化しきれないというか。

武瑠 そうなんですよ。イントロに関してはその当時のもので9割できていたので、ほぼそのまま使ってます。yujiがいろいろな音色を入れてきていたので、あとはそれを世界観に合わせてブラッシュアップさせてもらった感じですね。かなり個性的な音になっていると思います。

■その曲調とは裏腹に、歌詞はすごく実直で泥臭い部分もあって。

武瑠 やっぱり10年のまとめっていうのがあったので、(歌詞の)「3650 days」っていうのもそうですけど、比喩とかも使わずにかなりストレートに書きたいなと思って。外面はスタイリッシュでも、中を覗いてみたら熱いマインドを秘めているっていうのは、音楽に限らずファッションもそうですけど、自分にとって共通してあるものなのかなって思います。

■MVは毎度ながら武瑠さんがプロデュースしてますよね。どういうコンセプトで作っていったんですか?

武瑠 10年をストーリー化しようとすると、どうしても収拾がつかなくなるので、そういう要素はあまり入れないようにしようと思いました。あくまで絵がきれいで印象的なことと、カット割りが音に合っていることと、アイコンとして、赤いロープで縛られてちょっと不自由な感じで歌ってみたりとか。ダンサーもロープで互いに縛り合って、がんじがらめになって踊ってるんですよ。あれすごく難しくて。ちょっと息が合わないだけですぐロープが弛んじゃったりするんで、それを何度も撮り直したり。こういう演出は、メンバーが互いに命綱で繋がれてここまでやってきたこととか、そういう状態でも足掻き続けたっていうことを絵で表現したくて取り入れたものですね。

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