私は私でええんやね――こてこての関西弁で自らの存在価値を肯定する感動作
この4月でメンバー全員が高校生になった関西在住の5人組、たこやきレインボー(通称:たこ虹)が、今年初のシングル『RAINBOW 〜私は私やねんから〜』を5月10日にリリースする。ヒャダインこと前山田健一がプロデュースを手掛けた表題曲は、なんで自分はみんなと違うんだろうというネガティブな感情を、「私は私でええんやね」と、こてこての関西弁で明るくポジティブに受け入れるメッセージソング。たこ虹版“世界に一つだけの花”とも言える感動作について、多感な時期の真っ最中にいるメンバーが、悩んでいた頃の自分と重ね合わせて語ってくれた。
■“RAINBOW 〜私は私やねんから〜”は、たこ虹版“世界に一つだけの花”的な歌ですよね。
春名 それ、さっきのインタビューでも言われたんですよ!
堀 たこ虹っぽく歌いました、みたいな感じですけど。
彩木 前山田ワールドになってますね。
■曲をもらったときは、どんな印象でした?
春名 出だしでは「それ!それ!」とか言って、いつものたこ虹っぽい賑やかな感じやなと思ったんですけど、AメロからBメロにかけてメッセージ性の強い歌詞がバンと来て。
堀 わいわい系かと思いきや、ストーリーがシリアスなんですよ。ちょっと悲しい言葉も入ってて。
清井 「なんで生まれてもうたんや」とか、けっこう重い歌詞やったけど、たこ虹らしく明るく歌おうっていう感じやったな。
春名 前山田さんからは、ピッチがどうのこうのよりも、感情を入れて歌ってほしいと言われました。
彩木 間違えても、感情が出たテイクのほうがいいと言われたな。
■自分の嫌なところも認めてあげていいんじゃないかという歌だと思うんですけど、みなさんが共感したフレーズは?
彩木 もう全部なんですよ!
■「なんで生まれてもうたんや」と思ったこともあるんですか?
彩木 そりゃありますよ。
堀 だいたい中学生のときにない?
根岸 ないない。
彩木 悩んでた。常に思ってた。
根岸 私、常に「生まれてきてよかったー」って思ってるけど。(笑)
彩木 私は嫌なことがあると、すぐ「自分ってあかんな」と思うんですよ。特に「なんで自分だけできひんのやろ」って思うときは、ほんまにイライラします。その自分にイライラしてる自分も嫌で、その自分にイライラしてる自分にイライラするのも嫌で…。
■無限ループですね。(笑)
彩木 もうどんどん重なっていくんです。それで、まわりに当たっちゃう。いちばん最悪なやつなんですけど…。
■それはメンバーに対しても?
彩木 メンバーにもイライラしてるかな?
清井 あんま感じたことないな。
堀 たぶん、咲良がイライラしてても気付いてない。(笑)
■そんなもんですよね。自分が心配してても、他の人は気にしてない。
彩木 メンバーを傷つけるようなことを言っちゃってるときもあるのかなと思って。私は傷つけようとして言ってるわけじゃないんですけど…。
堀 言ったあとに「なんでこんなこと言っちゃったんやろ…」って?
彩木 なる!めっちゃなる!
■でも、メンバーはそんなこと一切感じてない?
堀 うん、まったく感じてないですね。なんか、逆にごめんっていう感じ。(笑)
■まさにこの曲みたいな話ですよね。
彩木 ほんまに!だから共感できるんです!
■ほかにグッと来たフレーズはありますか?
春名 私は最初に歌詞をもらったときに、サビの「この生命 この体/もう 認めてあげてええのかな」がパッと目に飛び込んできて、昔の悩んでる自分と重なったんですよ。だから、その頃の自分に聴かせてあげたい。ありのままの自分でええんやで、認めてあげてええんやでって。
■何で悩んでいたんですか?
春名 すべてのことにおいて、まわりの人がうらやましくなる時期があったんです。みんなはこれができてるのに、なんで自分だけできひんのやろなみたいな。この曲は1サビでは「認めてあげてええのかな」と歌っているんですけど、大サビでは「認めてあげてええんやね」に変わってて、1曲を歌っている間に自分を認められたというか、そこもええ歌詞やなって思いますね。
■いわゆる芸能界的なところって、自分が嫌だなと思っていたところが、武器になることもあるじゃないですか。
清井 それ、めっちゃ思うかも。
堀 中途半端に隠して悲観的になるよりも、開き直っちゃったほうがいいこともいっぱいありますよね。咲良が全然勉強ができひんこととか。(笑)
彩木 ほんまに、打ち明けてよかったなと思う。(笑)
■昔は隠していたんですか?
彩木 「全然わかりますよー」みたいに装ってるけど、実はわかってなかったことがたくさんあって。だから、みんなが回答するのを待って、「そうそう、それな」みたいな。(笑)
堀 えっ、そんなことしてたん!?
春名 それは初めて聞いた!
彩木 それがしんどくて。ストレスやったんですよ。でも、笑ってくれるならいいやと思って、パッパラパーっていうのを打ち明けました。
清井 この歌そのままやん。
彩木 ほんまにそのままやで。