山内総一郎（Vo＆Gt）、金澤ダイスケ（Key）、加藤慎一（Ba）
山田孝之とのコラボレーション
華やかでパンチの効いたシングルリリース
『山田孝之のカンヌ映画祭』（テレビ東京系）のオープニングテーマ曲である『カンヌの休日 feat. 山田孝之』をリリースするフジファブリック。昨年12月にリリースしたアルバム『STAND!!』の延長線上にあるかのような勢いを持つこの曲からは、現在のバンドの状態が手に取るようにわかり非常に喜ばしい。フジファブリックのいまを表すこのシングルについて、メンバー3人に話してもらった。
■今回のシングルはどのような経緯で作ることになったんですか？
山内 まずは、番組サイドから、ぜひフジファブリックにやってほしいとオファーをいただきまして、そこから作り出したんですけど、タイアップとか主題歌とか、ドラマでもアニメでもそうなんですけど、物語とまったく関係のない曲っていうのはどうなんだろう？っていう気持ちがあるんです。今回は『山田孝之のカンヌ映画祭』ってドラマのタイトルに名前が入ってることもあって、山田さんに歌ってもらったらよりドラマのストーリーと一緒になるんじゃないかって。それで僕らから山田さんにオファーさせてもらったんです。「歌ってもらえませんか？」って。
■そうだったんですね。
山内 そうなんです。そしたら快諾していただけたので一緒にやったんです。楽しかったですよ。今回いちばんおもしろいなって思ったのが歌詞なんですけど、山下（敦弘）監督と松江（哲明）監督から、カンヌの受賞作で歌詞を作って欲しいというアイディアがあったんで、やってみたらこれがすごく楽しくて。受賞作がバーッて書いてあるA4の紙を見ながら、これとこれをつなげたらおもしろいんじゃないかとかね。(笑)
■うまい具合にハマッてますよね。覚えやすいというか、歌いやすいというか。
山内 ですよね。こういう機会にしかできない音楽の作り方ができて、すごく楽しかったですね。
■曲のイメージは？
山内 最近アルバムを出したところだったので、曲を作るモードというか、そういう流れではあったんですけど、昨年末くらいに3人でウチに集まって、ドラマの第1話の完成前の映像を観ながら作っていった感じですね。その場で「こんなん合いそうやない？」とか言いながら。
金澤 ドキュメンタリードラマっていうことだったんですけど、よく目にするドキュメンタリーとはまた違うし、一体何が本当でっていうのがよくわからない話じゃないですか。そういうところにうまくハマるような曲が書けたらなとは思ってましたね。
加藤 ほんとにどこまでが本当なのかわからないですよね、本気でいろいろ言ってるし。（笑）おかしいよね！
山内 そうそう、そのおかしさみたいなところをサウンドとしても出せたらいいなって。だからちょっと奇天烈なギターリフやシンセリフを入れたりして、そこはすごく意識しましたね。
■昨年末にアルバムを出して、先ほど曲を作るモードだったとおっしゃってましたけど。
山内 いまはツアーが始まってるんでツアーのモードではあるんですけどね。でもアルバムを作ってヘトヘトになったんですけど、その最後のひと絞りがこの曲だったみたいな感じもあるかなって。
■それはすごく感じます。勢いとか、あのアルバムからすごく自然ないい流れだなって。
山内 すごく勢いのあるアルバムができたので、それをそのまま持ってこれた感じはありますね。
■ちょっと話戻っちゃいますけど、山田さんにオファーをしようと思ったのは曲を書き始める前からですか？
山内 作っていく途中ですかね。やっぱりこの物語にはこの音楽がないとっていう欲求があるんで、それにはどうするのがいいかなって。『ドラゴンボールZ』で言うと“CHA-LA HEAD-CHA-LA”だろ、みたいなところが絶対あるじゃないですか。
■はい。（笑）
山内 あれはドラマじゃないですけど、『東京ラブストーリー』の小田（和正）さんの“ラブストーリーは突然に”もそうだけど、そういうものになりたい、そうなってほしいっていう気持ちがあったし。
■なるほど。
山内 特にこのドラマはユーモアがあるじゃないですか。山田さん自身は超二枚目なんですけど、なんかちょっとおかしい人だろうなというか、ユーモアがある人だろうな、でもほんとはどんな人なんだろう？ってすごく興味があったんで、一緒にやってみたらっていうのが途中で湧いてきたんです。
■実際お会いしてどうでした？
金澤 物腰がすごくやわらかい人ですよね。
加藤 あたりまえですけど、ドラマみたいに変なことを言い出すってこともないです。（笑）
山内 共通の知り合いが何人かいて、その人たちから静かな人だとは聞いてたんですけど、しゃべれるイケメンというか。
■イケメン。（笑）
山内 顔が凛々しすぎるんですよ。（笑）すごく凛々しい。でもすごくフラットな印象ですね。
