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カフカ WEB LIMITED INTERVIEW

愛をコンセプトに、更なる広がりのポテンシャルを多分に擁した、カフカのニューアルバム

カフカがニューアルバム『あいなきせかい』をリリースする。作品毎にコンセプトを有し、これまでは、それにまつわる各曲を収めながらも、作品一枚を通し各コンセプトが内包する本質や核をあえて抽象的に表現する作風が特徴的だった彼ら。しかし今作では、あえてその辺りをストレートに伝達しているのも印象深い。そんな今作のコンセプトはズバリ「愛」。これまでも愛を擁している曲や、その愛を炙り出したり、あえて逆説的に描いてきた曲もあった彼らだったが、今作では11曲に渡り様々な求愛模様が情景豊かに具体的に展開され、逆に聴き手側に本質を問いてくる。まさに聴き手のシーン毎に違った心のリンクを見せてくれそうな今作。歌内容やメロディ、そしてサウンドも伴い、今作を経て更なる広がりのポテンシャルを多分に感じさせてくれる。そんな今作についてをソングライターでもあるボーカル&ギターのカネココウタが答えてくれた。

■『あいなきせかい』は、これまでのカフカには見受けられなかった求愛的な要素が全編に渡り、かなりストレートに表れており非常に驚きました。

カネコ とは言え、前作のアルバム(『Tokyo 9 Stories』)がなければ、今作には辿り着けなかったところもあって。前作は歌詞の世界観も、<生活から生まれることだけ>をコンセプトに、あえて生々しい表現に挑戦してみたんです。人間の核にあるものは、やはり生活の中からしか表せられないと常々思っていたもので。それをこれまでのファンタジックに置き換えての伝達方法から、リアルにダイレクトに伝える方法論に変えてみたんです。

■その中から何故に今回のコンセプトは愛に?

カネコ 前作のリリース後、全国をツアー等で回っていく中で、その生活を更に突き詰めていくと、そこに<愛>があったことに気づいたんです。そこから、”人間の根本は、やはり愛なんだ”と。愛こそは人間でしか持てないものだし、一番小さくて、一番大きいものでもある。そんな愛について直接フォーカスを当てたくなったんです。

■では今作は、まず先に「愛」というコンセプトがありきだったと?

カネコ ですね。逆に先に「愛」というコンセプトがあったが故に突き詰められたし、いろいろな種類の愛が描き出せたと思っていて。女性との恋愛ももちろんですが、友人とか家族とか、嫉妬や憎しみも愛の裏返しからくるものだろうし。いろいろな角度から愛を描いてみたら、結果、すごく大きなものが見えてきたところもあったんです。何か特化した1曲ではなく、これだけの種類の曲を作ったからこそ、愛って人それぞれに無限にあることに改めて気づかせてもらえた。愛ってみんなが必ず持っているものじゃないですか。なので、この曲種の中から、どれか1曲は聴き手に理解してもらえるんじゃないかなって。

■とは言え、これまでの活動やファン層を考えると、この直接性は、かなり冒険的な印象があります。

カネコ もちろん自分たちにとってもある種の挑戦でした。今までだったらなかなか愛なんて言葉は使えなかったし、使うことに嫌悪すらありましたから。愛って良く言えば普遍的だけど、それを用いることで起こる誤解や薄っぺらさも同時に持っている。だけど今回は、あえてそこを乗り越えて。<カフカが愛を突き詰めて曲を作るとどうなるんだろう?>との自身への好奇心も手伝い、結果ここに至ったんです。

■元々カフカも直接的ではないながらも、根底では愛を感じさせる曲もありましたよね。それがどうしてここまで直接的に?

カネコ やはりストレートに伝えなくちゃ伝わりずらいところもあるし。今回、そこは恐れずにやってみました。

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