川島海荷卒業目前、揺るぎない決意を胸にした5人が語るこれまでとこれから
グループのエースである川島海荷の脱退が発表され、5人時代の集大成となるベストアルバム『BEST9』をリリースした9nine。いよいよ現体制では最後のツアーも始まった彼女たちは、未来のドアをどのように開けようとしているのか。過去最大の危機に直面し、「解散寸前までいった」という彼女たちが、そう簡単に諦められるわけのない決意を胸に語ったこれまでのこと、これからのこと。30分一本勝負で行なったインタビューをほぼノーカットでお届けします。
■最初に訊かないといけないと思うんですけど、川島さんが7月のツアーをもって9nineから卒業されますよね。卒業の理由はニュースにも出てましたけど、改めて教えていただけますか?
川島 はい。4月のライブで発表させていただいた通りなんですけど、日本武道館でのライブ(2014年8月)が決まったときから考えていたことでして。9nineとしての自分の目標は、そこで達成してしまったような気がして、その先の目標を考えたときに、もっと女優さんとして自立した人になりたい、もっといいお芝居ができる人になりたいと思ったんです。そうなったときに、自分も勝負しなきゃと思って、ひとつに専念するという決断をしました。
■メンバーにはいつ話したんですか?
川島 武道館が終わって、少し経った頃でした。
■じゃあ、卒業は2年前から決まっていたんですか?
村田 決まっていたわけではなくて、そのときに私たちは聞いたんです。
川島 そこで自分がそういう想いでやっていたということを言いました。でも、すぐ卒業が決まるわけではなくて。メンバーやスタッフさん、いろんな方々から引き止めていただいたんですけど、自分の気持ちは変わらなかったので、4月のライブで発表することになったんです。
■卒業が確定するまでには、けっこう長い間があったんですね。
川島 そうですね。もちろん、その間にあったライブは、全力でやってきたつもりです。
西脇 去年はツアーもまわっていたので、やるからには5人の意志を合わせなきゃいけない。そこは毎回、気持ちをしっかり置いてやってました。
■他のメンバーは、初めに聞いたときは、どう思ったんですか?
村田 なんとなく「そうなんじゃないかな?」っていうのは、みんな気付いてはいて。でも、実際に海ちゃんの口から聞くとショックだったし、武道館が終わって、いまからがんばっていこうって言ってたときだったので、「なんで?」と思ったときもありました。でも、いろんなことをみんなで話し合って、私たちも受け入れて、応援しようっていうことに2年かけてなりました。
■ぶっちゃけ解散とか考えなかったんですか?
吉井 解散まではアレですけど、4人になってどう進んで行けるかもわからないし、続けられるかもわからないみたいな時期もありました。そのときは必死でそれぞれが考えて、どうするべきかを何度も話し合って、ようやくいまの状態までたどり着いたんです。いろいろあったと言えばあったんですけど…。
村田 あったっちゃあったね。(笑)
■新しいメンバーを入れる選択肢もあったと思うんですけど、なんで4人で続ける結論に至ったんですか?
佐武 さっき、かんちゃん(吉井)も言いましたけど、今後どうなるかわからない、エースが抜けて4人でやっていけるかもわからないという状態で、本当に解散寸前までいったのは事実です。やめたいって思った子もいたと思います。だけど、それでもやるって決めて4人が残ったわけなので、いまから新しい子を入れても、うちらの熱にはたどり着けないと思ったんです。それで、このまま4人で勝負をかけてみようっていう結論になりました。
■4人でやると聞いて、川島さんはどう思いました?
川島 やっぱり9nineは私にとって大切なものだし、続けてほしいなという想いはありました。でも、私は大切なものだからといって、続けるという決断ができなかったんです。自分の夢もあったし、自分が信じた道を進まないと後悔すると思ったので。もし誰かから説得されて、やっぱり続けますとなっても、またどこかで熱が冷めたときに、「なんで続けちゃったんだろう?」とか、「女優さんのお芝居がうまくいかないのは、そっちのせいなのかな?」とか、何かのせいにしちゃう自分が嫌だったんです。言い訳できない状況を自分で作らなきゃいけないと思って、私自身はそういう決断になりました。私が言える立場ではないですけど、9nineに愛着があることは間違いないですし、9nineが残るのはうれしいです。
■4人になって、新たにどういうグループになりたいですか?
佐武 やっぱり海ちゃんが顔となって、ここまで9nineを引っ張ってきてくれたと思うんです。その顔がいなくなってしまうので、こうなったらどんなことでもやって、自分たちのいまの状態をみなさんに受け入れてもらえる活動をしようと話し合っています。なので、海ちゃんのファイナルが終わった後も、すぐにTIF(8月5〜7日に開催される「TOKYO IDOL FESTIVAL 2016」)があるんですけど、今年は初めて3日間出演するんです。とにかくやれることは全力でやろうというスタンスでいたいと思ってます。
■歌割りやフォーメーションも作り直さないといけないから、大変ですよね。
吉井 そうですね。ツアーと同時進行しないと。
■でも、それだけ本気ということですよね。ピンチはチャンスと言いますし。
吉井 まさにその通りです。それを信じてやっていきたいです。
■5人体制のライブは、7月1日の名古屋、19日の大阪、23日の東京が最後です。どんな感じになりそうですか?
村田 今回はベストアルバムを引っさげてのツアーなので、シングル曲は全部入れたかったんですけど、さすがに入りきらなくて。だから各地に分散させて、全会場来たら全曲聴けるセットリストにしました。今回はストレートな9nineを楽しんでもらおうと思っているので、この曲はこうやって盛り上がってたな、こうやって踊ってたなっていうのを持っていきたいなと思ってます。この5人でできるのは最後なので、5人の9nineを余すところなく楽しんでいただきたいですね。
■川島さんから意見を出したりはしているんですか?
川島 私はいつも通りがよくて。いままでの9nineを変わらずに続けることが私にとっての集大成なので、最後だからといって特別なことをするよりは、これが9nineの王道だと言えるライブ、間違いなく盛り上がるライブにして締めくくりたいなと思ってます。
■やめるからといって、遠慮だけはしてほしくないなと。
川島 言うところは言ってますし、みんなの意見も助けになってるので、そこは大丈夫です。
佐武 いままで遠慮されたことないですし。(笑)
川島 セットリストに関しては、私が先日ドラマでバタバタしていたので、4人が中心となって決めてくれたんですけど、もう最高のライブが想像できる構成になっていたので、すごく楽しみです。
■小林幸子さんみたいなドレスを着たいとかもなく?
川島 はははは。(笑)できればそんなに目立ちたくないです。普通にいつも通りで。
村田 それはそれで話題になりそうだけど。(笑)
川島 ファンの人にずっと見られるのも恥ずかしいくらいです。最後だから見納めなきゃっていう人もいるかもしれないですけど、真顔で見られたら、どうしていいかわからなくなってしまうので。発表してから「いなくなっちゃうのは寂しい」と言って頂くのですが、芸能界を引退するわけではないですし、絶対また何かで会えると思いますし、今度のライブは笑って終わりたいですね。