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花澤香菜 VANITYMIX 2016 SPRING PICK UP INTERVIEW

これまで以上にナチュラルで、最も自身のパーソナルが表れた花澤香菜の新作

耳を惹くその独特の声質を用い、曲毎に様々な世界へと誘ってくれる花澤香菜。そんな彼女の最もナチュラルな部分が各曲毎に表れているのが、今回のシングル“透明な女の子”だ。空気公団の山崎ゆかりをトータルプロデュースに迎えた今作は、歌内容、歌声、アレンジ共に、彼女のパーソナルや趣味性が上手く引き出されたものに。心地良いながらも、どこか前向きにさせてくれる1枚となっている。

■先日まで、朗読とアコースティックライヴで全国を回る『かなめぐり』を展開されていましたが、よりデリケートな伝え方を用いる形態だったので、さぞかしコンディションの維持も大変だったのでは?

花澤 幸い喉は強い方なので、つぶれる心配はなかったんですが、身体や精神的な疲れを取ったり癒すところには、より注力してましたね。いわゆる、常にいつでもどこでも自分のペースを保つ、それを第一に過ごしてました。

■その秘訣は例えば?

花澤 沢山寝ることでした。私、普段から平均7時間は寝るんです。あと、美味しいものを食べてエネルギーを蓄えて。おかげさまで今年も風邪もひかずに過ごせてます。あと、お休みの時はひたすら充電してますね。やはり発しているだけだと、どんどん空っぽになっていっちゃうので。

■ちなみにお休みの時は、どんなインプットの仕方を?

花澤 私、小説を読むのが好きなんです。あと、人と会っていろいろと話をしたり、訊いたりしています。

■新曲の“透明な女の子”も、どこか空想の中に居る、もう一人の自分がテーマの一つにあるので、その辺りは花澤さんの小説好きと繋がってますね。

花澤 そうなんです。実は今回、トータルプロデュースを空気公団の山崎ゆかりさんにお願いしたんですが、まずは山崎さんといろいろとディスカッションをしたんです。そんな中で、私が小説を読むのが好きとか、パン屋さんや本屋さんを巡るのが好きといった話も出て。なので結果、そういった要素も歌詞のテーマや楽曲に盛り込んだりして下さいました。特に“透明な女の子”は、歌を作るにあたり、私が読んでいる小説の一行や、私が山崎さんにお伝えした様々なモチーフの中から、〈変化〉というものを読み取って下さったようで。そこから、自分をどうやって励ましていくか等を基に、繋げて書いて下さったそうなんです。なので、今回は今まで以上に〈私〉というパーソナルが沢山入っているものになってます。

■私は“透明な女の子”に、新しいタイプの鼓舞ソングを感じました。こういった伝え方の「頑張れ!」もあるんだなって。

花澤 確かに自分の中で自分を励ましたり、なだめたり、応援しているところはありますよね。私の中でも、応援ソングまではいかないけど、聴いていて心強いものになってます。

■歌声にしても、これまで以上に花澤さんのウィスパーな声質に合っている印象を持ちました。

花澤 実は歌入れは、あえて私の声の成分が変化していかないうちに録ったんです。いわゆる、歌い慣れて喉が開き切ってしまう前の普段喋っている感じを上手く活かして下さったというか。

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