どうやって生きていくかを迷っている方たちの背中を少しでも押せたらいいな
1月11日(金)21:30~Yahoo! JAPANトップページにて第1話が配信され、以降毎週金曜日に新たなストーリーが配信される(映像配信サービス「GYAO!」でも無料配信)、オリジナルドラマ『TOKYO COIN LAUNDRY』は、東京にあるコインランドリーに通う若手ライター蔵島優斗が、さまざまな人と出会い、成長していく様子を描いた青春ラブコメディ。そんな蔵島優斗役を演じる片寄涼太(GENERATIONS from EXILE TRIBE)と、蔵島に恋をするカメラマン寺坂琴音役の清水くるみの二人に、それぞれの役どころについてや、現場でのエピソードについて話を訊いた。
■オリジナルドラマ『TOKYO COIN LAUNDRY』について、それぞれご自身の役を演じるにあたって、意識したことなどはありましたか?
片寄 普通の男の子というか、雑誌のライターとして東京に出てきて働いている人の日常に近づけたらなというのはすごく思っていました。
清水 私は今までに一番やりたかったと言っていいほどの役柄で、 自分から相手にいろんなボールを投げていくような振り切った役をやりたかったのですが、これまではあまり機会がなかったんです。それだけに、今回台本を最初に読んだ時には「こういう風に演じよう」と決めていて、現場でコインランドリーのセットを見ながら「このセリフはこうやって動いて…」みたいなことを1人で考えられたことがとても楽しかったのを覚えています。今見ると「もうちょっとこう演じたかった」と思う部分もあるんですけど、楽しかった感覚が忘れられなくて「またこういう役に巡り会いたいな」と思うほど自分の中で好きな役でした。
片寄 相方でもある寺坂琴音役の清水さんがテンションを高く演じてくれた部分もあるんですけど、僕の演じさせてもらった蔵島はあまり波がない性格というか。だからこそ、内に秘めている辛い部分や悲しかった過去も乗り越えて行くという、物語の終盤に向けて蔵島が成長していくことをとても意識していました。当初から全5話分の台本が上がっていたので、自分の中で大きな流れを意識しながら撮影に臨めたのも大きかったです。
清水 私が投げるものに対してちゃんと応えてくれる蔵島優斗くんの存在が本当にありがたかったです。寺坂琴音は、ちゃんとキャッチしてくれないとどっかに行ってしまうような役柄だったようにも思います。(笑)
■演じられた役柄とご自身の共通点はありましたか?
片寄 ボケ側ではなく、ツッコミ側であるところですかね。(笑) 琴音ちゃんが取材先のカフェで暴れたりするシーンがあるんですが、その時「ちょっとちょっと」と、止めに入るような冷静な部分は共通点かなと思います。
清水 確かに。(笑) 私はこの役をやったことによって、結果的に琴音ちゃんに似ていったところはあると思います。役と出会ってどんどん明るさが増していったからこそできた演技でもあって、最近演じた役で琴音ちゃんを軸にして作り上げた役もあったほど、寺坂琴音を演じたことは私にとってとても大きかったです。
片寄 逆に自分はストレートというか、思ったことは表現するタイプなので、蔵島のあまり表に出さない秘めた想いを大切にしているところは優しい男だなと感じていました。最後に見せる男らしさというか、成長した部分も含めてそう感じたんだと思います。
■それぞれの演技や印象についても聞かせてください。
片寄 清水さんと最初にお会いしたのは本読みの時で、ノリのいい子なのかなと思いながら接してみたんですが、蓋を開けてみると実は人見知りだったと。(笑) 印象としては初対面から気さくに対応してくださったので、明るい方なのかなと思っていたんですけど、実際に話してみるとすごくマジメというか。先ほど清水さんの発言にもあったように、撮影が進んでいくにつれて役の持つ部分も意外とあるのかなとは感じたのですが、本来的にマジメで仕事に対する向き合い方も尊敬できるところがたくさんありました。
清水 私もまったく同じ印象を片寄さんに持っています。最初の本読みの時ってシーンとすることが多くて、その後に現場で仲良くなっていくものだと思うのですが、今回は本読みの時から「同い年ですよね?」と、気さくに話しかけてくれたことにとても驚きました。お会いする前はおとなしい感じの方なのかなとイメージしていたのですが、声をかけてもらえたことで現場も温かいものになったと思いますし、そのまま片寄さんが引っ張ってくれた気がします。その後に聞いたら「仲良くなる役でもあったから」と言っていて、役を考えた上でそういう風にしているのはすごい人だなと刺激を受けました。
片寄 そういう意味で言えば、僕も同い年で真摯にお芝居と向き合っている方とご一緒できて刺激をいただきましたし、勉強させてもらえたと思っています。
清水 実際にカメラが回っても、私が投げたボールを受けてくれなかったら、はちゃめちゃなことになってしまうと思うんですが、本番とテストで動きを変えてしまったとしても、しっかりと対応してくださったので助かりました。(笑) 最後の長いシーンに入る前もセリフを合わせたりしたんですけど、コミュニケーションを取って撮影に臨むのは、改めて大事なことだと感じました。というのも、その場で「はい、やってください」というのが難しいところもあるので、読み合わせをさせていただけたのはとても助かりました。
■そんな蔵島と琴音のかけ合いも物語の見どころのひとつですが、お互いに役作りも含めて相談し合ったんでしょうか?
片寄 笑える部分というかシュールに面白いシーンが結構出てくるんですけど、そういうところは琴音ちゃんに担ってもらえればみたいな話はしたかもしれないです。ご本人もやる気だったと思うので、思い切りやってくださいといった話はしましたね。役に関してはそんなになかった気がするのですが、清水さんから「台本をどうやって覚えているんですか?」と聞かれたことがあって、どちらかと言えば彼女の方がよほど経験されているはずなので、「それは俺に聞かないでくださいよ!」と思ったのはありました。(笑)
■清水さんは台本を完璧に覚えて来られるんですか?
清水 むしろ逆で、私自身は台本を覚えるのが速くないと思っているんです。だから、私だったら時間がかかるだろうなと思うような長ゼリフを片寄さんは覚えていたので、「どうやって覚えるんだろう?」と思って聞いたんです。そうしたら、「普通に読み込んで覚えます」と言われて、「あっ、そうですか」みたいな!(笑) そこで、私は声の流れやリズムで覚えますというのは言いました。
片寄 そう、声の流れやリズムで覚えていると言ってましたね。歌うのも好きだと言っていて、それこそ舞台やミュージカルも経験されているので、そういうセリフの覚え方もあるんだと、話を聞いて思ったのを覚えています。
■そんな清水さんの役に対する姿勢もあって、片寄さんの発するセリフと呼応する感じが生まれたのかもしれませんね。
片寄 リハーサルを経て本番を撮っていったのですが、トライしてくれているのが伝わってきていたので、僕も生の空気感に反応するというのはありました。台本自体も舞台っぽさがあったり、ワンカメでの撮影もところどころ出てきたりするので、緊張感やリアルな間を画面からも届けられたら面白いのかなと思っていました。
■そこを意識しながら見ていくと、かけ合いの面白さもさらに見えてくるかもしれないですね。そういう意味でも清水さんの演技に触発されたこともあったのではないですか?
片寄 吹っ切れ感というか、自ら面白さをさらけ出して演じ切るというのは勉強になりました。その後に『PRINCE OF LEGEND』という作品の撮影に入ったんですが、朱雀奏という役で、コメディのエッセンスを出す時の参考にもなった気がします。
清水 ありがとうございます。そう言っていただけるのは正直に嬉しいです。あと、かけ合いと言えば、5話で優斗くんが想いを伝えるクライマックスのシーンはやはり見どころかなと思います。台本を読んでいても、誰もが経験したことがあるんじゃないかなと思うほどすごく共感する部分が多かったです。そうやって、笑いでぶっ飛んでいるシーンもあれば、リアルに心のそこにズドーンと来るシーンもある作品なのかなと思います。
■印象に残っているご自身のシーンやセリフはありますか?
清水 個人的に最初のコインランドリーのシーンに出てくる「わからないんですか?」みたいなセリフはとても好きで、登場シーンということもあってすごく考えました。
片寄 僕もいっぱいあるんですが、最初に撮ったのが高校時代にその当時の彼女である岩崎修子と2人で歩いているシーンだったんですけど、今の自分で高校生の設定は大丈夫かなと思いながら初日を迎えたのを覚えています。(笑) あとは、病院のベッドで寝ている修子と部屋の中でデートをするという切ない演出があって、あのシーンはすごく斬新だと思いました。プロジェクターで壁に景色を映し出してお芝居をやらせてもらったんですけど、不思議な世界に入り込んだ感じがして印象的でした。