つばきファクトリーのこれまでがすべてがつまった『first bloom』
つばきファクトリーが1stアルバム『first bloom』をリリースする。これまでのシングル曲に新曲6曲をプラスした全18曲。個性溢れる楽曲1曲1曲に彼女たちのいまが色濃く現れ、かなりたのもしい仕上がりとなった。グループのこれまでがすべてつまったこのアルバムについて、そしてそれぞれの成長について、新沼希空、浅倉樹々、秋山眞緒の3人に話を訊いた。
■盛りだくさんの1stアルバムになりましたね。
秋山 このアルバムを聴くだけで、つばきのすべてを知ることができるんじゃないかという1枚になりました。MVも入っていて、成長した部分も観られると思うので、そういうところに注目してもらえたらうれしいです。
浅倉 とにかく盛りだくさんで、聴いていて飽きないんじゃないかと思います。インディーズの頃は切ない曲が多くて、乙女心満載だったんですけど、最近は盛り上がる曲とか、いろんなタイプの曲があるので、ジャンルにとらわれずに楽しめる1枚になりました。聴いて絶対損はないと思います!
新沼 初めてこの曲を聴いたときはこんな気持ちだったな、とか思い出しながら聴いてもらっても楽しめると思います。今回は新曲が6曲入っているんですけど、これらの曲はまだツアーでしか披露したことがなくて、CDになるのは今回が初めてなので、ぜひ手に取っていただけたらうれしいですね。
■成長した部分も感じられるとおっしゃいましたが、それぞれが成長したと思うところを教えてください。
新沼 曲をいただいたとき、いつも歌詞を読んでこういう気持ちなんだなって考えるんですけど、そのことをちゃんと考えながら歌うことが、いままではなかなかできなかったんです。でもいまはこういう気持ちだからこういう表現をしたらいいかなとか、考えながら歌えるようになって。そこが成長したところですね。
浅倉 わたしは昔に比べて歌をうたうときに気をつけることが増えたと思います。昔は発声法もわからなかったので、ただ歌っていただけだったんですけど、最近では、曲によって声色を明るくしたり、暗くしたり、そういうことまで考えながら歌えるようになってきたかなって思います。でも、まだまだなので、同じ見せ方にならないように、曲によって気持ちを切り替えることを心掛けていきたいです。
秋山 わたしはもともと歌があんまり好きじゃなかったんです。
■そうなんですか…?
秋山 もともとダンスをやっていたから、ダンスが大好きで、歌と比べたらダンスのほうが全然上って感じで。でも、最近は曲も増えて、カバー曲とかも歌わせていただいて、そういう経験を重ねていく毎に、歌うことの楽しさを感じられるようになって。そこはすごく成長した部分だと思います。
■その成長は自信にもつながっているんじゃないですか?
秋山 そうですね。でも最初は歌うことに毎回緊張していて、自分のパートもイヤになるくらいだったんです…。いまも失敗することはあるけど、歌っていて楽しいなって思えるようになりました。
■歌うことのどういうところが楽しいと感じますか?
秋山 歌詞のことをもっと深く考えてみると、歌の楽しさってこんなにいっぱいあるんだって気づいたり、アクセントをつけるだけでこんなに違うんだとか、そういうところにも楽しさを感じるようになりましたね。
新沼 わたしはステージに立って歌って踊っているときがいちばんしあわせだし、いちばん楽しいです。わたしたちの歌を聴いて毎日がんばっているお客さんたちもいて、そういう方たちのことを考えると、もっとがんばらなくちゃって思うし、わたし、もともとは自分の声があまり好きじゃなくて、もっとカッコいい声がよかったなって思っていた時期もあるんですけど、でもわたしの武器はこの声だなって。もっとこの声を生かせるような歌い方や歌をうたっていきたいなって思うようになりました。
■嫌いだった部分を武器だと思えるようになったなんて素晴らしいですね。
新沼 お客さんに「希空ちゃんって言ったらその声だね」って言われることもあって、言われてみれば自分の個性がいちばん出るのは声なのかなって。だからこの声をもっともっと生かせられたらいいなって思います。
浅倉 歌とちゃんと向き合うためには、やっぱり経験が大事だと思っていて、リリースイベントやツアーをたくさんやらせていただける場があったからこそ、いまこうやって歌のことを考えられていると思うので、そういう場でお客さんと楽しむ時間が増えたおかげで、歌やダンスに向き合うことができて、だんだんと自信になってきたんじゃないかと思います。
■なるほど。ではつばきファクトリーとして成長したところというのは?
秋山 メンバーみんな、最初は恥ずかしいし、緊張してあんまり発言できないって言っていて、わたしが入ったときも、なかなかみんなに溶け込めなかったんですけど、いまではみんなが前に前に出るようになって、「いまのつばきいいね!」って言われることも多いので、そういう前に出る精神みたいなところが成長したところかなと思います。
浅倉 たしかに明るくなったと思います。昔はステージに立つと緊張しちゃって、みんないい子ちゃんになっちゃっていたんですよ。無意識に奥のほうに下がっちゃったりして。楽屋では元気なんですけど、それをなかなか出せない時期もあったので、そこはすごく変わったなって思います。
■そうなるきっかけは何かあったんですか?
新沼 メンバー全員で話すことが増えたのが大きいですね。言いたいことをなかなか言えなかったんですけど、最近ではちゃんと言えるようになって。そういう雰囲気作りが自然とできるようになったので、その仲のいい感じがステージでも出せるようになったんじゃないかと思います。
秋山 岸本ゆめのちゃんが「もっとこうしよう」とか、いろいろ言ってくれるようになって、それも大きいですね。言いづらいことでも前に出て、何でも言ってくれるんですよ。それがいまにつながっているのかなって思います。
新沼 1回、全員で話し合いをしたことがあって。そのときにひとりひとりが言いたいことを言ったんです。そのおかげで、この子はこういうことを思っているんだってわかったから、それがきっかけで大きく変わったと思います。最近では気軽に「ここはこうしたほうがいいんじゃない?」って言えるようになったから、そういう雰囲気作りができてよかったですね。
秋山 いまは全員が言いたいこと言っているし、言ってもらえるとやっぱりうれしいですね。わたしはアドバイスしてもらうのが好きで、もちろん自分でこうしようっていうのも大事ですけど、メンバーから「もっとこうしたほうがいいんじゃない?」って言われたほうがしっくりくる気がして。ステージに上がる前にはマネージャーさんとメンバーに聞いています。
■安心感もあるんでしょうね。
秋山 ありますね。もっとがんばろうって思えるし。目標が持てるというか、何も考えないでやるよりも目標を持ってステージに立ったほうがいいステージになると思うし、だからみんなで目標を言い合っているんです。
■毎ステージですか?
浅倉 はい。終わったら反省会をしてから、次の目標を言うんですよ。声に出して反省することによって、頭でもちゃんと覚えてるし、自分の中で思ったことをためちゃうと自分でもわからなくなることってあると思うので、1日終わるときの反省会って大事だなって思いますね。
■毎回反省と目標を繰り返していたら、自然とステップアップしていく気がしますね。
新沼 しているといいですね。言うだけじゃダメだし、言ったぶん絶対にやらなくちゃいけないし、他のメンバーの反省や目標も聞くことで、この子はこういうことを気をつけてやっているんだから、わたしも気をつけようって気持ちにもなりますし、これはこれからもずっと続けていこうと思います。