main

THE BEAT GARDEN WEB LIMITED INTERVIEW

ニューシングルは「いまの僕らだからこそ歌える3曲」

THE BEAT GARDENが5枚目のシングル『花火』を7月18日にリリースする。本作は胸に秘めた片想いを綴った切ないラブソング、アコースティック編成の胸に響くメッセージソング、そしてEDMサウンドが特徴的なアッパーチューンの3曲が収録されている。今回のインタビューでは、3曲すべてが「等身大」だという本作への想いを、メンバー4人に語ってもらった。

■前作『僕がいる未来』の取材で恋愛観についてお話したときに、Uさんは自分の気持ちを隠すタイプで、REIさんは積極的にアピールするタイプとお聞きしました。ニューシングル“花火”に登場する主人公は、そのちょうど中間くらいなのかなと。

U そうですね。“花火”は僕の実体験をもとに歌詞を書いています。だいぶ前なんですけど、好きな女の子と花火大会に行く約束をしたことがあったんです。2人で花火大会に行くって結構いい感じじゃないですか。でも、タイミング悪くその日に雨が降ってしまって、行くのを諦めちゃったんですよ。

■“花火”の歌詞にも、「こんな日に限って雨が降るんだね/花火は今日はもう上がらないらしい」とありますよね。

U そうなんです。雨が降ったらプラン変更して会えばいいものの、そのまま会わずに帰っちゃったんです、僕。正直その日はすごく緊張していて、彼女と「何を話そうか」ってずっと考えていて。花火大会の中止のアナウンスが駅で流れた瞬間、ホッとした自分がいたんです。その苦い思い出を今回のテーマにして書こうと。歌詞の最後に「君に会いに行くよ」というフレーズがあるんですが、これは昔との心境の変化を表しているかな。今は伝えた方がいいと思えるからこそ、この言葉を歌詞に反映させましたね。

■今でもそういったことがあったら、プラン変更はしない?

U しないというか、できないですね。同世代の男の人より、恋愛で傷ついている方だと思います。だからちょっと臆病になっているんですよね…。

■MASATOさん、SATORUさんが聴いた感想を聞かせていただけますか?

MASATO 僕は学生の頃、見栄っ張りなところがあって、弱さを見せられなかったんです。当時付き合っていた彼女と手持ち花火をしよう、ってなったときに、一人で行くのが怖くなって友達を連れて行ったら嫌な顔されたり。(笑)「友達と一緒の方がおもしろいじゃん!」とか言って、二人っきりになる恥ずかしさを紛らせていたんですよ。男って表面でかっこつけたいのに、内面では弱々しい部分ってたくさんあって。“花火”はそれを歌っているようで、瞬間的に自分のものに差し替えることができましたね。

■あまりイメージないです。恋愛に臆病になってしまう感じが。

MASATO 見せないようにしている部分はありますね。だから“花火”は、僕のすごく内側の部分を表している感じがあるんです。

SATORU 僕もかなり共感しますし、聴いた瞬間、情景がきれいに浮かぶというか。自分もこういった経験したのかな?っていうくらいストーリー性がある歌詞だなと思いましたね。

■“花火”のサウンド面について聞かせてもらえますか?

REI 前作『僕がいる未来』から、等身大の僕らの気持ちを届けたいという想いが強くあり、「どうしたらうまく伝わるのか」と考えたら、メロディの良さというのは必須だなと。そういった意味でも、よりメロディの心地よさを意識してトラックを作っています。トラックでいうと、打ち込みサウンドよりも、ベースやギターの音を足してあげることで、人間味も出るし、僕らの声の温かさも伝わると思って、そういった感じで作りました。

■花火の音とか入っていないんですけど、インストのオケだけを聞いてみると、サウンドの変化がすごく花火っぽいことに気が付いたんです。サビ前のところでフィルターがシューって上がっていって、サビの部分に入るタイミングが花火っぽいなって。

REI え?そうですか…?

■1番のサビは花火がシューっと上がって、パッと咲くんですけど、2番はフィルインがあるので花火が連続であがっている感じで、最後のサビはシューっていってから、少し間があるじゃないですか。あそこで「あれ?」と思わせて、思いっきり大きな花火が打ちあがる感じがしました。

U あれ、意図的に作ったんだよね?(笑)

REI あー…仕掛けましたね…。(笑)

U すげー!(笑)オケだけ聞くからこそ分かるポイントかもしれないですね。

■続いて、“あのね”について。これまでの楽曲のなかで、一番語りかけているような、ファンやリスナーに最も向き合っている曲だという印象をもちました。

U そうですね。“あのね”の歌詞は、MCとかで今まで伝えてきた言葉をもとに作りました。これまでのライブを振り返ってみると、僕らって「一緒に盛り上がろうぜ!」っていうぶち上がるライブをやってきているんです。MCとライブがすごくリンクしているか、と言ったらそうではなくて、みんなへのメッセージを曲として形にちゃんと残したいなと思って書いた曲が“あのね”なんです。

■「インスタグラムで/幸せだって言ってる誰かと代われたとして/じゃあ その幸せを自分が可愛いがれるかって/それもむずかしそう」の歌詞の部分、すごく好きです。まさに現代の若者の悩みを映し出しているようなフレーズで。

U ありがとうございます!インスタグラムのストーリーって、みんなオシャレだったり、素敵な投稿するじゃないですか。で、自分もファンの人が見てくれるから、なんかこう…SOSが出したいのにSNSに上げられないときがたくさんあって。歌詞が全然書けないとか、SNSで言いたくないけど、呟きそうになるときがあって。でもファンの人から届くリプライを見ると、みんな辛いことがあっても、そのSOSを僕らに送らずに、気を遣ってくれている感じがあって。

■なるほど。

U 自分が辛くても、僕を元気にするためにメッセージを送っているんだろうなって思うときがあるんです。実際にすごく力をもらっていますし。僕はファンの方のTwitterをたまに覗きにいくんですよ。そうすると、仕事で悩んでいたりとか、僕の知らないところで悩んでいるのを知って。いつも僕らは、みんなから存在する意味をもらっていて、みんなにも僕らからあげられるものとして、届けた曲が“あのね”なんです。

MASATO 僕自身も誰かのためになりたいとか、すごく求めちゃうんですよね。何かに縛られて苦しんでいる人もたくさんいると思うので、それを歌で少しでも支えてあげたいというか。救ってあげられたらいいなと思いますし、この曲を聴いて感動してくれているファンの姿を目の前で見ると、苦しんでいる人がたくさんいるんだと実感しましたし。この曲を通じて伝えていけたらと思います。

SATORU この曲はライブで何度かやっていて、今まで僕らをみてくれているファンの人たちにも、少し違う風に見てもらえているなという印象があって。なかには笑顔のまま涙を流して聴いてくれている人もいましたし、そういう状態で一緒に歌ってくれていたりとか。僕はそういったライブがすごく好きなので、みんなが感動してくれているなと実感できる曲ですね。

■メロディもアコギとクラップ音と、とてもシンプルで伝えたいメッセージというのがスッと入ってきますよね。

REI このメロディはキャンプファイヤーをイメージして作ったんです。ライブで聴くときには、普段のしがらみや悩みを取っ払って、フラットの状態で、ただ黄昏れてほしい。そういった曲って今までなかったので、歌詞もハマったことで、より10~20代の人たちに共感できる楽曲なんじゃないかなって。歌っていても、みんなが温かい眼差しで聴いてくれているのを見ると、作ってよかったなと思える曲です。僕らが理想とする形で、“あのね”が届いているんだろうなって思います。

1 / 212