main

RIZE TOUR 2017 “RIZE IS BACK”@日本武道館ライブレポート 12月20日(水)

「これがジャパニーズ・ロックバンドRIZEだ!」
20年目の約束を果たした日本武道館公演でみせた絆

main2

今年結成20周年を迎え、4月20日から“RIZE IS BACK”という言葉を掲げ、全国各地へツアーでまわり、9月にはおよそ7年ぶりのアルバム『THUNDERBOLT~帰ってきたサンダーボルト~』をリリースし、その集大成とも言うべき20年目にして初の日本武道館公演がこの日開催された。会場にはこの日を待ち望んでいたRIZER(RIZEのファン)含め、多くのオーディエンスが会場に訪れていた。

客電が落ち、紗幕のかかった暗闇のステージにスポットライトに照らされたJESSE(Vo&Gt)が登場し「RIZE IS BACK!」と雄たけびをあげると、歓声と手拍子が鳴り響く中、金子ノブアキ(Dr)とKenKen(Ba)、サポートのRio(Gt)もステージに登場し“帰ってきたサンダーボルト”で開演。のっけから目まぐるしく巻き起こるクラウドサーフとハンズアップから紗幕が落下すると一際大きな歓声に、この日をどれほど待ち望んでいたのかがわかる雰囲気を感じた。JESSEが「今日は楽しんでいってくれ!」と言い放つと手を掲げ手拍子とともに“MUSIC”。“Light Your Fire”ではステージからフレイムボールが舞い上がる演出など武道館ならではのパフォーマンスでオーディエンスを楽しませる。“Good Day”ではKenKenのステップを踏みながら踊るようなベースラインに呼応するかのようにハンドウエーブが揺らめくなどライブ前半から熱気にあふれていた。ここでメンバー紹介を挟み「メッセンジャーJESSE、よろしく!」と挨拶をかまし、“ONE SHOT”“ZERO”と続き、「武道館は神聖な場所なのは100も承知!おじゃますんぜ!」と発した言葉から「オレらはおもちゃじゃねー、人間だ!バカヤロー」と叫び“KAMI”。さらに「亡くなった人たち全員オマエらと来てっからよ!」と言い放ち間髪入れず披露した“ピンクスパイダー”では場内がピンク色に染まり、ステージ前にはスモークの柱が立ち並び、クラウドサーフが飛び交い歌声が響きわたる。

sub
そんな場内の雰囲気に「みんな楽しんでますか!やばくねーか?こんな日が来るなんて。ここを狙ってなかったら嘘になるけど、生きていて良かったぜ!様々なことが20年間あったけど、オレはストリートで育って、そこで出会った仲間たちと今日は一緒に楽しみたいと思います」と伝え、ゲストとのコラボへと突入。1番手に登場した市原隼人は、2010年に市原隼人主演で公開された映画「ボックス!」の主題歌でありボーカルとして参加した“LAUGHT IT OUT”を披露。市原から「RIZE20周年おめでとう!まだまだ、ヤバい奴が集まってるぜ!」とオーディエンを盛り上げると、金子によるドラミングでステージに招かれたのはDef Tech。2003年に8thシングルとしてリリースされた“VIBRATION”で、心地いいリズムにのせたハーモニーを奏で「NO RIZE! NO Def Tech!」と叫びステージを後にすると、場内が赤色のライトで染まり、ステージに登場したのはラッパ我リヤ。2008年にシングルのカップリングとして発表された“Break your self”を披露し、畳みかけるラップにJESSEも思わず「騒げ!」と雄たけびをあげる。続いて登場したZeebraは、2005年にリリースされたベスト盤に収録されている“I CAN’T LIVE WITHOUT MY RADIO”を披露。JESSEとZeebraによる軽快なラップの掛け合いとDJ KEN-BOのスクラッチでオーディエンスを盛り上げるとZeebraがこの曲がそもそも日本武道館で披露するために作られた曲であることを明かし、さらに「15年たって、武道館に立ってこの曲をやれたのはマジで嬉しい!」とガッチリとハンドシェイクをかわす場面も。ここで新曲を披露することが発表され、FIRE BALLをステージに招きいれる。「こんばんは!RIZERのみなさん。」と挨拶をかわすと遊び心満載の“新曲”が披露されキレキレのパフォーマンスにコブシをステージへ振りかざすオーディエンスにステージ上では満面な笑顔が溢れる。この日ゲストのラストを飾ったE.D.O.は、2008年にリリースされた6thアルバム『K.O』に収録されている“火事と喧嘩は江戸の華”を披露。フレイムボールが舞う中、アグレッシブなパフォーマンスで締めくくった。

sub2
JESSEが思わず「オレが感激!」と言い放つくらい様々なゲストが駆けつけてくれたライブ中盤戦に「今日のセットリストは今日しかねーし、今日しかできねーし。心で感じてくれるか!」と語り、さらにオフマイクで「楽しんで行ってください!」とありったけの想いを伝え、ライブ後半の口火を切ったのは“missing you”。揺らめく優しい灯のような炎に囲まれながら披露された楽曲は心にやさしい灯を宿してくれた。演奏中にJESSEが、もうひとつ言い忘れていたことがあったと再婚と男の子を授かったことを報告。会場からは温かい拍手と「おめでとう!」とお祝いの言葉がJESSEに手向けられた。その後“In or out”から2006年に書いたけど、書いて良かった楽曲とオーディエンスに感謝の言葉を伝え歌った“heiwa”では、自然とピースサインを掲げるオーディエンスの様子を見て「何が正しくて、何が悪いのかオレにもわからないけど、子供たちの為にもオレらで作っていきましょう。よろしくお願い致します。」と力強く伝えたJESSEの姿がとても印象的だった。

本編も後半戦にさしかかり、「オマエら突っ立ってんじゃねーぞ、立ち上がれ!」の号令から“STAND UP”。呼応しコブシを突き上げ、クラウドサーフからモッシュピットとリミッターが外れたかのように楽しそうに笑顔を溢れる場内の様子を嬉しそうに笑顔で見つめつつJESSEがバンドのこれまでを振り返ると共に、盟友・Pay money To my Painとの出会いを語る。そして、「この3人であの強え4人に立ち向かって、勝つ日もあれば負ける日もあって。RIZEを強くしてくれたのはP.T.P.のおかげだと思っていて……けれども死んじまったら終わりなんだよ! P.T.P.は解散してねーけど、ライブはやれねー! オレはKじゃないし、まったく違う人間。オレたちはRIZEでP.T.P.ではないけど…。でも、アイツらを一生背負ってこれからも生きてくからよー!!」と想いの丈を宣言し“日本刀”をドロップ。想いをのせたグルーブがオーディエンスに伝染していく様子に力強く「オマエらの時代だ!」と雄たけびをあげ、天高く手を掲げた様は、P.T.P.のKに手向けているような気がしたのは私だけではないだろう。本編ラストナンバー“カミナリ”では、普段のライブでお馴染みであるオーディエンスをステージに上げるパートへと差し掛かると、JESSEが「今日は俺が歌わしてもらうぜ!その代わり、オマエらの声を聞かせてくれ!誰も置いて行かねえぞ!!」と伝え、みんなで歌いあげる。あとを絶たないクラウドサーフがライトアップされ、一体となった日本武道館に心地いい音像を残し終演。終演後、JESSEが中央にバンドロゴがデザインされたフラッグを振りかざし「RIZE IS BACK!!」と言い残しステージを後にした。

sub3
アンコール前には、ステージ左右の花道に、北沢南口商店街、金子総本店などののぼりが運び込まれ、ラストに入ってきたP.T.PののぼりをP.T.Pメンバーが持って運び込まれる一幕も。アンコールでは、「今日関わった人、来てくれた人、中継を見てくれている人、本当にありがとうございます。」と深々と一礼し、“Get the Mic”でスタートし、“Why I’m Me”と畳みかけると一進一退で楽しそうに踊りあかすオーディエンス。JESSEが「20年間ありがとう!オマエらのために、あと1曲やらせてもらいます。」と祭囃子的なリズムにのせ披露された“NAME”では、自然と肩を組みフロア各々で大小さまざまなサークルができあがり、今日一番の光に満ちたステキな笑顔と光景にJESSEも「いい1年だったな」と微笑みかける。そして「日本中のFM、ライブハウス、バンドマン、RIZER、1年間本当にありがとうございました。オレは、一生この旗を下げるつもりはないからついて来てくれ!ありがとう!!」と誓うと同時に銀テープが放たれると、ラストはステージ前で肩を組み「ありがとうございました」と一礼し、拍手と歓声に包まれた日本武道館公演は最高のかたちで終演を迎えた。

ステージを去る中、「20年目の約束を果たせました。夢はぜったい叶う!少年少女忘れんな!!これがジャパニーズ・ロックバンドRIZEだ!」とJESSEが言い放った言葉が心に焼きつきて離れない。まっすぐに20年間走り続けて、たどり着いた場所は仲間たちとともにみせつけてくれたジャパニーズロックのカッコよさと素晴らしい景色だった。この先も走り続けるであろう彼らの姿をともに追い続けていこうと思う。

Photo:RIZE IS BACK OFFICIAL

1 / 212