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大森靖子 WEB LIMITED INTERVIEW

ネ申様乱立の現在、あの大森靖子がネ申に立候補!!

音楽活動を始めて今年で10周年の大森靖子。作家性豊かな文学的な歌詞と様々な表情を見せるその歌声が特徴的な女性シンガーソングライターだ。そんな彼女が3rdアルバム『kitixxxgaia』をリリースする。「ネ申」という言葉がインスタントに使われ、その価値観や基準のダンピングが起こっている現代に、<であれば、私も>と、<一人ひとりが「自称ネ申」なら世の中いさかいも少なく、各人のアイデンティティも尊重された世の中になるのではないか……?>と、作品各曲を通し伝えているように響く今作。これまで以上に様々な表情を見せる歌声や楽曲たちも特徴的だ。

■今年で人前で歌い始めて10年ですが。10年前に今の自分って想像できてました?

大森  元々こんなに長く生きていると思ってませんでしたから。(笑)高校の頃から、”私は23~25歳ぐらいまでしか生きていられないんじゃないか…”なんて勝手に想像していたもので。(笑)

■(笑)この10年を振り返っていかがですか?

大森  歌い始めた最初の5年はそれこそお客さんも一桁代でしたからね……。あと昔は来る仕事は全て受けてたんです。以前は歌だけではなくトークや役者等、いろいろなオファーがありましたから。でも逆にそれが地続きで全て今の自分に役立っているところもあって。今になって、無駄な活動はしてこなかったんだな…と思える時があります。

■それは受けてきた仕事たちが今の自身の表現の糧になっていると。

大森  直接的や間接的も含めて。まっ、歌もですが、あのときに仕事を依頼してきてくれた方から再びお仕事をいただく機会があったり、私の出ていた映画を観ていましたとか言われたり。アイドルが好きで勝手に観に行っていたのが、そういった類の原稿依頼がくるようになったり。

■アイドルにも精通してらっしゃいますもんね。

大森  その頃はまだここまでアイドルブームではなかったので、昔はよく影でコソコソって感じで観に行ってました。(笑)何ごとも続けていたり、申し出を断っていなかったからこそ、今に結びついているものばかりだなって。

■2016年もシングルを2カ月毎に3枚連続リリースしたり、全国ツアーや今作の制作等、かなり慌ただしかったのでは?

大森  そう映っていただいたのなら嬉しいです。そう見えるような活動を目指していたので。出産後って、一般的には活動が緩やかになるイメージじゃないですか。そう映りたくなくて。個人的にはあと30年は毎年1枚づつアルバムを出していくつもりですから。

■そんな中、今回のニューアルバム『kitixxxgaia』は、これまで以上にボリューミーですね。

大森  曲もサウンドも様々なタイプが揃いました。これまで以上にいろいろな方に参加してもらったので、それも関係しているのかも。

■これまでで最もバラエティに富んだ作品なのでは?

大森  先行で発表したシングル曲たちからしてバラエティに富み過ぎでしたからね。あとはいろいろな方とコラボレーションできたし。「この人とやりたい!!」という方や、逆に「大森靖子とやりたい!!」とオファーを下さった方とか。その分これだけ多彩でいろいろなタイプの曲を1枚の中でどうまとめるかの課題もありましたが。

■結果しっかりまとまったじゃないですか。これらを上手くまとめられたポイントは?

大森  「神」というキーワードでした。みんないますごく安易に使うじゃないですか、神って。「ネ申」みたいに。逆にそのインスタントな感じが個人的には気に入っていて。そのように沢山神様がいた方が、いっぱいアイデンティティがあって、自分の幅があるってことでしょうから。

■分かります。各曲からその主人公にとっての神感みたいなものを感じます。

大森  まさにそんなところです。

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