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LUNA SEA The Holy Night 2017 @さいたまスーパーアリーナ ライブレポート 12月23日(土)

LUNA SEA恒例クリスマスライブ開催!新アルバムからも曲を披露!

LUNA SEAの単独ライブ『LUNA SEA The Holy Night 2017』が12月23日・24日にさいたまスーパーアリーナにて開催された。本公演は2015年から3年連続で行われているクリスマスライブで、ファンにとっては早くも恒例のイベントとなりつつある。また、今回は12月20日に彼らの通算9枚目にして実に4年ぶりとなるフルアルバム『LUV』が発売されたばかりとあって、そのセットリストにも期待が高まるところ。LUNA SEAの新たな局面をいち早く目に耳に焼き付けようと、多くの観客が会場に詰めかけた。この記事では初日である23日の模様をお届けする。

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イブイブのこの日、黒装束が多い中でもサンタクロースのコスプレが目立つ場内。開演前から待ちきれぬように四方でクラップが起こり始めると、暗転してベートーベン“月光”の厳かな旋律をバックにメンバーが一人ずつ登場。最後にRYUICHI(Vo)をひと際大きな歓声が出迎えると、さっそく“STORM”を投下。序盤から攻めの姿勢で臨む彼らに、会場も激しく揺れて応える。続く“Dejavu”でRYUICHIが「アリーナ!」と叫ぶとファイヤー砲が上がり、客席の振動は更に強くなっていく。SUGIZO(Gt)の肩を抱いたり、INORAN(Gt)と向き合って笑顔で歌うRYUICHIの姿や、上手下手へと走りギリギリまでオーディエンスに近づいて演奏するメンバーのパフォーマンスが、場内のボルテージをどこまでも高めていく。「毎年こうしてみんなとこの時期に会えるのを楽しみにしています。ケガをしなければ何をしてもいいです。ここにいる全員はみんなメンバーだと思ってLUNA SEAの世界を作ってください」とRYUICHIが不敵な笑みを浮かべると、“TRUE BLUE”“Sweetest Coma Again”と熱量を増していく。SUGIZOの空間を切り裂くようなエッジの利いたギターがかき鳴らされると、吹き上げるスモークが彼を包む。そこにJ(Ba)のベースが重圧を絡ませ噛みつくように攻め込んでいき、早くも場内はむせ返るような熱気に包まれた。

「アルバム『LUV』は聴きました?世界は今、紛争や戦争が日々起こっています。俺たちに何ができるか分からないけど、その現実を直視して作ったアルバムです」とRYUICHIが告げると、そのニューアルバムから“Hold You Down”“Brand New Days”“誓い文”の3曲を初披露。暗いニュースの少なくない現代においてもなお希望を紡いでいく、そんな彼らの想いを改めて感じさせるように解放感のある音と歌が幾重にも広がり、曲の持つメッセージそしてパワーが解き放たれた瞬間だった。そして再び鋭く胸を突くような“Limit”、続いてSUGIZOのバイオリンの音色がダイナミックさと華やかさを添える“I’ll Stay With You”、シンガロングが会場の一体感を高める“absorb”と惜しげもなく彼らの世界を隅々まで浸透させていく。

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中盤は恒例のドラムソロ&ベースソロ。ミステリアスなSEにバスドラムを3つ携えた重装備で真矢(Dr)の叩く轟音が会場を揺さぶる。それに重なる真矢コールに満足げな表情を浮かべると、続いてJが登場。シークエンスに合わせて尖ったベースラインが場内の空気に侵食していく。「スーパーアリーナ、一緒に行こうぜ!」と叫び、そこに真矢のドラムが再び加わると、LUNA SEAの基軸となる二人の重低音が力強く響き渡る。再びステージ上に揃ったメンバーが“BELIEVE”を届けた後、RYUICHIが自らの思いを語った。「LUNA SEAというバンドは、一時は立ち止まったけど、あっという間に走っている時間のほうが長くなりました。いつも支えてもらっているみんなへ5人から送ります」と“I for You”を披露。胸に染み込むような言葉と声で先ほどの想いを届けるべく壮大に歌い上げ、ファンを魅了した。

終盤は“JESUS”“SHINE”“TIME IS DEAD”と容赦のないナンバーで攻め立てるなか、メンバー同士の演奏中のチャーミングな絡み合いにこちらもじんわり心温まるような一面も見られた。本編ラストを“WISH”で迎えると、キャノン砲からきらめくテープが打ち上げられ、それを手にしたオーディエンスが会場をウェーブで輝かせる。言葉の一つひとつが耳にハッキリ届くほどの大きなシンガロングが全体に起こり、まさに至福のエンディングとなった。

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メンバーが去ると、やがてスマートフォンで灯されたいくつものライトが会場を揺らし、ファン達の歌う“きよしこのよる”が響き始める。そこへライトの点いた自らのスマートフォンを手にしたSUGIZOを始めメンバーが再び登場。RYUICHIが「宇宙に浮かんでいるみたい。すごくきれいだよ。僕らからもクリスマスソングを」と“HOLY KNIGHT”へ。ステンドグラスとキャンドルの明かりに雪が舞い散る映像をバックに、美しい歌声とメロディーが神秘的な空間を織りなした。

メンバー紹介ではJとINORANが一言ずつ話した後、「また12月23日は“ルナティック・クリスマスを祝いに来てください」と、SUGIZOが本公演を今後も続けていくことに触れつつ、前回の日本武道館に続き今回も水素燃料で全員の音を出しているエコへの取り組みの話、ニューアルバムについては「どう歳をとってもその時のベストを尽くしていきたい」と意思表示を新たにした。そして真矢が衣装のパンツの丈について冗談を言い、会場を爆笑の渦に巻き込むいつもの流れに。そんな和やかな雰囲気を一変させるRUICHIの「もっとすごい景色をみんなで見にいきたくない?」の一言に歓声が応えると、“ROSIER”“TONIGHT”と、叩みかけるようにフィナーレまで駆け抜けた。

燃え尽きたルナティック・クリスマスの余韻がしばらく会場に漂うなか、スクリーンには『LUV』を引っ提げた2018年の全国ツアーのスケジュールが流れだす。今年も残り僅かとなった今、早くも30周年へと向けて突っ走っていく彼らの向かう先を、追い続けずにはいられない。

Text:矢作綾加
Photo:LUNA SEA Inc.

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