INRN

INORAN VANITYMIX WEB LIMITED INTERVIEW

20周年の“いま”が凝縮された『Override』リリース

2017年9月29日に開催された『SOLO 20TH ANNIVERSARY TOUR 2017 -INTENSE / MELLOW-<B-DAY LIVE CODE929/2017>at SHINKIBA STUDIO COAST』のライブ映像&ドキュメンタリー映像に新曲をプラスした『Override』をリリースするINORAN。書き下ろされた新曲3曲のうち、スペイン・バルセロナでレコーディングしたというリード曲“I’m Here for you”の制作秘話を交えつつ、ソロ活動21年目に突入したいま、あらためて20周年という月日を振り返ってもらった。

■新曲“I’m Here for you”はスペインのバルセロナでレコーディングされたそうですね。

INORAN 4月にスペインのイベントライブに呼ばれて、呼んでくださったオーガナイザーのひとりがスペインでスタジオのエンジニアとかプロデュースをやっていて。もちろんその人自身もミュージシャンなんですけどね。その方が、「せっかくスペインに来るんだから、自分のスタジオを見ていってくれ」と言ってくれて。その時にレコーディングをしてもいいよ、っておもしろい話になったので、今回レコーディングさせてもらいました。

■曲はいつ作られたんですか?

INORAN 曲はスペインに行く前に作って準備して行きました。

■そうなんですね。

INORAN 曲に関しては、スペインでレコーディングするからということより、ライブでこんな曲があったらいいなっていう、現状である曲のほかに、もっとこういう曲がほしいなとか、そういうイメージで作っていって。

■シンプルでストレートなロックですよね。

INORAN ソリッドなね。

■まさにライブで聴いてみたいと思いました。

INORAN その1曲があるかないかによって、ライブって全然変わることがあるから、この曲が加わったことでどうなるかっていうのがまた楽しみですね。

■実際にスペインでレコーディングされてみていかがでしたか?

INORAN そのイベントでのライブが終わったあとで、スペインのオーディエンスや土地に触れたせいもあるけど、なんかすごくいい感じでできましたね。音や空気感っていうのは、どこでも違うものだから、それは日本でも場所によって全然違うし、その場に合わせて楽しめるマインドだけ持っていれば、どこに行っても楽しいよね。ただ、今まで何10ヵ国も行っているんですけど、日本はやっぱり便利だなって。

■というのは?

INORAN どうしてもそれに甘えちゃうというか。例えば海外だと、ここで水飲んで何か食べておかないと、そこからはあと何時間も何も食べられないとか、けっこう生死に関わることとかもたくさんあるからね。その辺は考えながらというか、楽しめるところは楽しんで、やれるときにやる、みたいなね。そういう経験もあるのかもしれないですね。いまの自分の考え方というか、“いま”を大事にしているというのは。

■そんな20周年を迎えたINORANさんの“いま”がつめ込まれたDVDと新曲だと思いますが、あらためて20年を振り返ってみていかがですか?

INORAN ここまで続けてこられたっていうのは、やっぱり応援してくれて支えてくれたすべてのみんなに感謝しているし、変な言い方だけど、ここまで続けちゃった分、この先も続ける責任があるというか、そういう気持ちはありますね。ただ、音楽に嘘はつきたくないし、嘘をついてまでする気もないし。好きなところ、嫌いなところって、物ごと何にでもあるじゃないですか。それを両方で天秤にかけたときに、好きが上回ってたらっていう毎日を更新してきただけで、嫌いなところが上回っていたらきっともうやってないですから。(笑)と言っても簡単にはやめられないけどね。だからこそ責任を感じているし、好きであり続ける努力をしなければって思いますね。

■好きであり続ける努力をする、なるほど。

INORAN 何であれ、続けたいと思って続けるっていうよりは、気づいたら続いていたっていうものなんじゃないかな。ここまで続けたいとは正直思ってはなかったですよね、特にソロは。でも、何か作り続けたいっていうのはあって。だから年月じゃないんですよ。たぶん人間関係とかもそうだと思うんだけど、いつまで続けたいっていうことよりも、一緒にいたいっていうのが気がついたら3年経って、5年経って、情が沸いて、とかさ。(笑)

■はい、たしかに。

INORAN だからほんと、気がついたらっていうものなんだと思いますね。

1 / 212