■ホント、いろいろなタイプが収まっていますもんね。
BENI でもそんなに「バラエティに富んでいる」と称されると自分的には意外さもあって。と言うのも、私の中では今作はけっこういろいろなことをしていながらも、キチンと一本筋が通った作品と自負していて。
■では、特にジャンル的には？
BENI 全く捉われてないかもしれません。それは元々なんですが、実際、様々なタイプの音楽を聴いて感じてきたので。自然とバラエティさが出ちゃうものなんでしょう。今作もJ-POP的なものもあれば、めちゃくちゃR&Bでソウルフルな部分も出せたし、リズムも4つ打ちもあれば、R&Bやバラード、アコースティックなものもあったり。いや、言われてみれば、やっぱりパラエティに富んでいるかも。（笑）でも、どれも無理をしたり、背伸びや変に気構えての初挑戦って感じではないんです。
■なるほど。
BENI 映画だってそうじゃないですか。アクションシーンやスリリングな場面ではロックが流れて、スイートなシーンやラブな場面、悲しい場面等々、いろいろなシチュエーションで様々な、それにあったタイプの楽曲や曲調の歌が流れる。それに近いかも。だから聴くのはもちろん、聴いて何かを思い浮かべたり、シーンや光景が思い浮かんでくれたら嬉しいですね。
■でも、それらが浮かびやすいように、ある程度余白や行間を取って、その聴き手がそこに自分なりの絵を思い浮かべたり、重ねたりしやすいのも今作の特徴ですね。
BENI それはありますね。「これ!!」と誰が聴いても共通して浮かぶ物語やビジョンがあるというより、それをモチーフに聴き手が各々自分なりのストーリーを展開して欲しくて。今回のMVにしても、あえて歌にそぐわせてはいないんです。観た方それぞれの解釈に委ねたかったので。
■あのMVはすごいですよね!!予算も時間もすごくかかっていそうで。あの3部作が最後にフラッシュバックのように一つになっている、そのストーリー性と伏線にはヤラれました。
BENI でも実はあのMVって、全部1日で撮ったんです！
■１日ですか!?あんなにすごいのに？
BENI できるんです。優秀で素晴らしいスタッフさんたちのおかげです。今回は特に映像から音楽が更にそこに入ってくるような作品なので、是非エンジョイしてもらいたいですね。
Interview&Text：池田スカオ和宏
PROFILE
沖縄県出身。アメリカ人の父と日本人の母を持つバイリンガル。2008年に発売した『もう二度と…』が着うたランキング1位を記録し話題に。女性のリアルな気持ちを歌ったラブソングが多くの共感を呼び、2ndアルバム『Lovebox』がオリコンチャート1位を獲得。2012年には自身初となる英語詞カヴァーアルバム『COVERS』をリリース。オリコン1位を記録しロングヒット。その後『COVERS』シリーズは合計100万枚の大ヒットを記録。2015年には6thオリジナルアルバム『Undress』をリリース。2017年に4年振りとなる英語詞カヴァーアルバム『COVERS THE CITY』をリリース。2018年11月、3年振りとなるオリジナルアルバム『Cinematic』をリリース。圧倒的な歌唱力と音楽性の高さに注目が集まる実力派シンガー。
RELEASE
『Cinematic』
初回限定盤（CD+DVD）
UMCK-9976
￥4,320（tax in）
通常盤（CD）
UMCK-1611
￥3,240（tax in）
ユニバーサルシグマ
11月28日ON SALE
