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Ipcress Mod File PRESENTS SWINGIN’SIXTIES PARTY「Double Sight Tokyo 2016」イベントレポート@東京キネマ倶楽部 1月16日(土)

「本当にこのイベントをやって良かったなと思っています」
人と人が繋ぎ忘れられない一夜を刻んだ「Double Sight Tokyo 2016」の光景!

sabu1960年代の後半のSwinging Sixtiesの雰囲気をそのままに、ファッション・音楽・アート・ライフスタイル全般を現代風な解釈とアプローチで提案してきたIpcress Mod File。

そんなIpcress Mod Fileが10周年の感謝の気持ちを込めて、本場英国の60 sシーンにおいて一際華やかに盛り上がりを見せる「Double Sight Glasgow」との共催で、グランドキャバレーとして1968年にオープンした東京キネマ倶楽部でイベントが開催された。

会場の1階には、レアチーズサンドイッチや、牛すじカレー、鳥のからあげ&フライドポテト、玉こんにゃく、さらにはお寿司まで用意されたドリンク&フードブースが設けられ、2階はIpcress Lounge が拠点を置く墨田区や台東区を中心としたイースト東京エリアにて活躍中のクリエイターによる60sファッションなどのブースが約40店舗展開。その他にもイプクレス将棋倶楽部やさくらばし卓球倶楽部など、おもちゃ箱のような楽しいコンテンツが溢れかえっていた。

イベントのオープンを待ち望んでいたかのように1階や2階のブースでは60sテイストのファッションやオシャレに着飾った観客が大勢つめかけ、1階ホールはDJの選曲にあわせダンスする観客など、またたく間にダンスホールとなり楽しいイベントは幕を開けた。

オープニングMCからイベント前半はモダンなグルービーサウンドで会場を沸かせた島田正史氏率いるTHE HAMMOND CONECTIONやポールダンス界の重鎮GENA が、60sの曲に合わせた最高のパフォーマンスを披露すると観客はドリンクを手に持ち、笑い叫ぶ。ここで、「Double Sight Glasgow」の主催者Holly Calderをはじめ、ヨーロッパで活躍するトップDJ6名が紹介され、その後、台車に乗ってFEMMが登場。意思を持つマネキン「RiRi(リリ)」と「LuLa (ルラ)」からなるDANCE&RAPデュオFEMMによる完璧なパフォーマンスには拍手と歓声が巻き起こる。続くIpcress Special Session’s!の生バンドをBGMにIpcress Mod Fileの新作シャツお披露目も兼ねたファッションショーなど贅沢すぎる時間が過ぎていく。

そしていよいよ、このイベントの最大の目玉のひとつであるフランスのポップスターThomas Baigners初の来日ライブがスタート。一曲目からポップなギターサウンドとシャウトするボーカルで瞬く間に1階はダンスホールとなり、2階では食い入るようにステージを見つめる観客。リズムにあわせステップを踏み、会場を煽っていくThomas Baignersが「サンキュー、アリガトウ!」と簡単に挨拶をすませるとそこから、巧みなコードさばきで観客を魅了。スローナンバーではハンドクラップが会場に沸き起こり、続く楽曲では、まるでギターそのものが生き物のように思えてしまうほど観客のハートを掴み、気持いい高揚感が鳴り止まない歓声と拍手を呼びおこしていた。ここで、この日の為に日本語を勉強してきたようで「東京に来ることができて嬉しいです!」とコメントをすると温かい拍手がステージに贈られた。ライブも中盤から後半にかけて勢いは留まらず、ギターを置き、手拍子で観客を煽り、ボーカルとしての魅力と表現者としてのパフォーマンスを見せつけると、再びギターを持ち「アー・ユー・レディ!」の掛け声とともに、ステージ上ではサポートメンバーとアイコンンタクト!楽しそうに演奏をする様はこちらまで自然と笑顔で踊りだしたくなる。そしてライブも終盤、観客に対してコール&レスポンスを煽り「Wanna get high!」の掛け合いが巻き起こり盛り上がりも頂点に達したところでラストナンバー。気持いいポップなグルーブで楽しい空間をつくりあげ深夜を美しく彩り、鳴り止まない歓声と拍手の中、終演。

イベントの後半は、10年に一度のモッズの祭典「MODSTOCK LONDON」にて2回連続大トリ出演の経歴を持つLes Cappuccinoがスタイリッシュな演奏でライブのラストを飾り、ヨーロッパで活躍するトップDJやKazunariとmomo♪による選曲で楽しいダンスナイトは翌朝4時近くまで続き、疲れをしらない観客は音楽とお酒に酔いしれ笑顔でイベントを心ゆくまで楽しんでいた。

イベントも間もなく終演を迎えるころに、Ipcress Mod File代表であり、イベントの主催者でもある阿部訓諭が挨拶を促され、「昨日の夜7時~あっという間で……本当にこのイベントをやって良かったなと思っています」と述べ、さらにこのイベントに関わった人たちすべてに素直な感謝の気持ちをコメント。会場からはどこからともなく訓諭コールとともに歓声と温かい拍手が届けられた。阿部は、その様子をステージ上から照れくさそうに眺め「この場をお借りして、本当に感謝しております。ありがとうございました。」と深々と一礼し挨拶を終えると、ラストは、阿部とも長年付き合いのあるDJ MORRIE MORISSETTEによるパフォーマンス。すると国籍や男女関係なく人と人が手と肩で自然と連結した列車がフロアやステージを楽しそうに走りだす。このイベントを象徴するかのような光景は、観客から主催者に対するプレゼントにも感じられ、約9時間にも及ぶイベントは大団円で幕を閉じた。

Ipcress Mod File代表の阿部の想いや人柄が大勢の人たちを繋いでいったからこそ、ラストのあの光景が自然とできたのではないだろうか。Late60sの音楽・ファッション・ライフスタイルにスポットを当てたSWINGIN’ SIXTIES PARTYは、間違いなくこの場にいた人たちすべての心に忘れられない一夜を刻んだことは言うまでもない。現代、いろいろなイベントやフェスが乱立していく中、人の心を繋いでいける場所がもっと増えて行けばいいなと思えたイベントだった。

Photo:Toru Kawaguchi

Ipcress Mod File
http://www.ipcressmodfile.com/