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安田レイ VANITYMIX 2018 AUTUMN PICK UP INTERVIEW

異なる2種の希望の光で聴き手を包んでくれる、安田レイのニューシングル

歌手活動を始めファッションモデルやラジオDJとしても活躍中の安田レイ。ここ最近は比較的、大人の女性を漂わす楽曲タイプが多かった彼女だが、このニューシングル『Sunny』は、聴く者を明るく前向きにさせてくれる楽曲群。その表現方法も現在の彼女ならでは感があり興味深い。また、カップリングでは初の自作作曲楽曲も収録。今作での2種の異なる光は、きっと各々違った煌めきであなたを包んでくれることだろう。

■タイトル曲の“Sunny”は、シングル曲としては久々にパーッと明るい路線ですね。

安田 よく「レイちゃんっぽい曲だね」と言われます。(笑)この曲はドラマ「健康で文化的な最低限度の生活」のオープニング曲なんですが、既に流れていることもあり、ラジオにもみなさんから、「ドラマにピッタリ」とか「夏っぽくて気持ちがいい曲」「明るくなれる曲」等の感想をいただけて。そんなみなさんのお言葉にホッとしています。

■ということは流れるまでは多少の怖さがあったり?

安田 もうドキドキでした。聴いて下さる方がいての私の表現でもあるので。常に相手のことを思いながら制作をしていますからね。そんな中、このようなリアクションを聞けて、ようやく「作って良かった!」と思える。その時点が私にとっての「楽曲の完成」でもあるんです。

■今回も歌はもとより、歌詞も自身で手掛けていらっしゃいますが。

安田 原作を読んで、それに基づいて書かせていただきました。とは言え、かなり自分っぽさも交えさせてもらっていて。ドラマや歌の主人公に私自身を投影させてみたりしています。

■その辺りをもう少し詳しく聞かせてください。

安田 仕事に就いたばかりの若い女性がこのドラマの主人公なんですが、とても不器用なんです。周りの同世代の子たちがみんな完璧に見えて、それと比べて自分はこんなにも出来てない…とヘコんでしまったり、この仕事は自分に向いてないんじゃないかと葛藤したりする子なんです。それでも「自分にどれだけのパワーが出せるか分からないけど、全力で誰かの為に生きよう!!」と、毎日一生懸命生活をしている。その姿勢に共感して、その辺りをクローズアップして書いてみました。

■そこに自分も投影して?

安田 そうですね。原作を読んでいて、「これって私と一緒だ…」と気持ちが重なる場面が多々あって。私も「度胸がある」とか、「ハートが強い」等、みなさんおっしゃって下さるんですが、実際はすごく小心者で。勇気が足りなかったり、同世代のアーティストさんのことが気になってしまったりするんです。でも、「ステージに立って曲を届けたい!!」「少しでもみんなのプラスになれる曲を作って歌いたい!!」との気持ちを持って常に活動をしていて。その辺りは、まさに「あっ、これって私と一緒だ!!」でした。

■この“Sunny”は、ちょっとした光明でパッと考え方が変わり、全てのものがポジティブに映り出す、あの瞬間を想い起させます。

安田 そうなんです!この曲はアッパーで、もちろん太陽のようなキラキラ感はあるんですが、ただハッピーでアッパーなだけの曲にしたくなくて。言葉やメロディの中にある不安、それが見え隠れする、その辺りもポイントなんです。歌詞に「現実と理想が渦巻くリアリティ」という箇所があるんですが、そんな毎日の中で些細な幸せを見つけて自分の心の栄養にしていく、そんな面を今回は表したくて。それって、誰もが持っていたり体験したりするもので。生まれてから死ぬまでずっと幸せなんて人などいないし、みんなどこか傷を負い、かさぶたを作り、自分の皮膚をパワーアップさせて強くなっていく。そうやって成長していく中で、何か好きなことが見つかり、「生きていてよかった!!」と思える。それを見つけるために人は生まれてきた、その辺りを今回は歌詞で表してみました。闇を知っているからこそ、太陽の明るさやありがたさを知っている、そのような部分も表しています。

■安田さん自身は、過去にこのように状態になった時に救われた音楽や文章ってあったんですか?

安田 私の場合、それが音楽でしたね。小さい頃からずっと音楽に支えられてきた感はあります。音楽には無限の力があると確信していて。私の場合は、それが宇多田ヒカルさんでした。あとは小さい頃から即興ソングを作るのが好きで。そこで言葉には出せない想いをメロディに乗せて歌ったり。口では伝えられないことも音楽に乗せると伝えられたりしますからね。その辺り、心が解放されていく感じがするし、それがすごく気持ち良くて。私、こう見えても思ったことをバシッと言えないタイプだったりするので。(笑)

■ちょっと信じられません。(笑)

安田 よく言われます。(笑)海外の方はわりとストレートにものを言う方が多いイメージからなんでしようが、私の場合はそんなことはなく。極めて日本人っぽい気質なんでしょうね。

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