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LUNA SEA『LUNA SEA The Anniversary 2017 5.29』@日本武道館 ライブレポート5月29日(月)

バンド結成日に日本武道館で見せた希望に満ちたステージ!
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客席をぐるりと見渡すように設けられたステージをランウェイが囲み、後方の観客もメンバーを目前にできるよう配慮された今回のセット。開演が近づくにつれて360度の客席は埋め尽くされていき、徐々に登場を煽るかのようなクラップが起こり始める。やがて暗転すると、ベートーベンの“月光”の厳かな旋律が響くなか、メンバーが登場。鳴りやまない歓声を受け止めた5人が最初に投下したのは“Metamorphosis~Beginning part”。RYUICHI(Vo)の叫びに観客の轟くような声が応え、拳が宙に突き上げられる。続く“PRECIOUS”の冒頭では火花が打ち上がり、メンバーがランウェイをまわりながら四方のファンの目の前で演奏するなど、早くも場内のテンションは昇り詰めていく。
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「LUNA SEAの結成日にみんなといられて幸せです。ありがとう!」とRYUICHIが叫び、“Dejavu”へ。もはや客席とステージの垣根は微塵も見当たらない。“JESUS”では底から突き上げるような真矢(Dr)のドラムにSUGIZO(Gt&Violin)の挑戦的なリフが乗ったかと思うと、スモークがSUGIZOの真下から吹き上げ、熱量そのものを肉眼で見ているような演出に歓声が上がった。“Image”ではJ(Ba)のエッジの利いたベースに、時に低く這うような、時に開放的なRYUICHIの歌声が重なる。
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「年々、歳を食ってばかりじゃなくてクオリティーも上げていきたいね。俺たちが70歳になっている頃には、いなたい音楽をやっているのか、もっとハードコアになっているのか」とRYUICHIが客席を沸かせると、“The End of the Dream”“HURT”と、その答えともとれる攻めのナンバーを披露。戦争をテーマに、平和へのメッセージを込めた“NO PAIN”では、LEDのスクリーンがステージを囲むように降り立ち、映し出される映像の世界観と一体化するような迫力のあるパフォーマンスで会場を魅了した。続く“I’ll Stay With You”でアコースティックギターを手にしたRYUICIHとINORAN(Gt)、ギターをバイオリンに持ちかえ、美しく歌うような音色を披露したSUGIZO。そして幻想的なSEに乗せて、轟く雷のようなエフェクトをかけた真矢のドラムソロへ。徐々にスクリーンが上がり真矢が煽ると、お馴染みの“真矢コール”。さらにJも登場し、彼ならではのロックな重低音が会場を揺るがすと、「行けるかー!」と叫んで観客を盛り立たせた。inoranshinya

5人がステージの定位置に戻り、RYUICHIのタイトルコールでひと際歓声の強まった“BLUE TRANSPARAENCY”。SUGIZOがスモークに包まれ、JとINORANが息ぴったりな華麗なターンを見せるなど、その勢いはとどまるところを知らない。MCでは、LUNA SEAにとってここ日本武道館が縁のある地であることを感慨深く語ったRYUICHI。「ここに帰ってきたんだなという思いでステージに上がるとハイテンションになるね。もうすぐ30周年。30年前に町田プレイハウスで結成したときは、さすがに今の景色は想像していませんでした。みんなに感謝の気持ちを込めて」と“I fou You”を届けた。しっとりと、そして確実に心に入り込んでくる音と言葉に、誰もが魅了された瞬間だった。しかしここで終わらないのが5人だ。「まだまだイイ子ちゃんすぎるからね。ケガしなきゃ何してもいいぞ!」とRYUICHIが叫び、“STORM”“TIME IS DEAD”“ROSIER”と畳みかけて会場のテンションは最高潮に。ラスト“Metamorphosis~Ending part”まで駆け抜け、大歓声のなか5人はステージを後にした。

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すぐにアンコールが起こるかと思いきや、会場を包んだのはバースデーソング。スマートフォンのライトが一斉に灯され、満天の星が揺れるなか、LUNA SEAの誕生日をファンが祝った。再びステージに戻った5人。「ありがとう。めちゃくちゃキレイだった!」とRUICHIが感謝の気持ちを伝え、“Anthem of Light”を披露。観客のジャンプに会場は揺れ、ステージと客席のエネルギーが手に取るように伝わってくる。その揺れがさらに強まったのが、INORANのお馴染みのリフで始まる“TONIGHT”だった。四方のファンに少しでも近いところで届けようとランウェイをゆっくりとまわるメンバーの姿が印象深い。メンバー紹介では、RYUICHIが各パートに「宇宙一」とつけてリスペクトを表し、結成当時の思い出話に花を咲かせた。それぞれに思いの丈とファンへの感謝の気持ちを話し、最後に真矢が、「今日でLUNA SEAは28歳。RYUICHIもこの間誕生日を迎えたんだけど、28年前に緑の頭をしていたRYUICHIを俺は忘れない!」と蛍光グリーンをまとった今回のドラムセットにまつわるエピソードを紹介。会場は大きな笑いに包まれた。そして、ファンにとってはたまらない知らせも。年内にはテーマを「愛」とするニューアルバムを発売すると共に、LUNA SEAの恒例ともなっている「LUNA SEA The Holy Night 2017」を12月23日・24日、さいたまスーパーアリーナにて敢行することが発表された。嬉しい悲鳴に包まれるなか、キャノン砲からシルバーのテープが打ち上げられ“WISH”へ。LUNA SEAとの新たな未来を確約された観客はさらにエネルギーをチャージし、ウェーブと共に大迫力のシンガロングでメンバーとの一体感を見せつけた。「今日みんなが見せてくれた星を忘れません。これから、もっとスリリングなバンド人生を歩んでいきます。みんなが描いてくれた星空に」とRYUICHIが伝え、届けられたフィナーレは“MOTHER”。壮大で幻想的なメロディーが会場いっぱいに広がり、やがて虹色のライトが前方を照らし出す。それは希望に満ち満ちていて、思わず息を呑むほどの光景だった。LUNA SEA結成日の今日、これまでの28年間はもちろん、これからの彼らの行く先を垣間見ることのできたステージ。メンバーが去った後も、客席の晴れやかな表情が消えることはなかった。今年、また5人が届けてくれる新たな音を心待ちに、筆者もこの日の余韻に浸ろうと思う。

Text:矢作綾加

LUNA SEA
The Anniversary 2017
5.29 日本武道館セットリスト

1.Metamorphosis ~Beginning part
2.PRECIOUS…
3.Dejavu
4.JESUS
5.Image
6.The End of the Dream
7.HURT
8.NO PAIN
9.I’ll Stay With You
10.Dr. Solo ~ Bass Solo
11.BLUE TRANSPARENCY
12.I for You
13.STORM
14.TIME IS DEAD
15.ROSIER
16.Metamorphosis ~Ending part

ENCORE
1.Anthem of Light
2.TONIGHT
3.WISH
4.MOTHER

LUNA SEA
The Holy Night 2017

2017年12月23日(土・祝)、24日(日)
さいたまスーパーアリーナ 2days

5/30(火)正午より、オフィシャルファンクラブSLAVEにて
会員先行受付スタート!
http://www.lunasea-slave.jp
※受付期間:5/30(火)12:00~7/5(水)18:00
(6/29(木)23:59までに新規WEB入会された方までお申し込み可能です)
チケット一般発売:9/30(土)
問合せ:キョードー東京 TEL:0570-550-799(平日11~18時/土日祝10~18時)

LUNA SEA オフィシャルサイト:http://www.lunasea.jp/