銀杏BOYZ 「世界平和祈願ツアー2016」@Zepp DiverCityレポート 6月22日（水）
少なくとも自分にとっては特別な夜になりました。
8年振りとなる単独ツアー初日はシンガロングの大合唱！
2枚同時発表したアルバムから2年ぶりとなるシングル『生きたい』を2016年4月13日にリリースし、銀杏BOYZ単独ツアーとしては8年振りとなるツアー初日がZepp DiverCityで開催された。
SOLD OUTの会場には男女問わず大勢のオーディエンスが集まり、開演前から異様な熱気を放っていた。場内が暗転すると、大歓声とともに拍手が巻き起こり峯田和伸がステージに登場！峯田がひとこと言わせてくださいと「20年作ってきた、自分で作ってきた曲を披露します！楽しんで下さい、気持ちを込めて歌います！」とスタート前に想いを伝え開演。ステージバックには峯田のステージで歌う姿が映し出され、メロディーにのせた言葉をひとつひとつ大切に放っていくライブに会場は1曲目からシンガロングの大合唱。続くニューシングル“生きたい”ではオーディエンスにやさしく語りかけるように唄いあげる中、サポートメンバーの山本幹宗（Gt）、藤原寛（Ba/AL）、後藤大樹（Dr/AL）がステージ登場すると爆音サウンドで、さらに躍動していく峯田に対してコブシが自然と突き上がる！その勢いのまま“若者たち”では気持ちいいくらいのアッパーチューンに高揚し、ステージに向かってクラウドサーフやモッシュが巻き起こり、その楽しげな様子に峯田もギターを持ったままフロアへダイブ！オーディエンスに抱えあげられながら歌い弾く姿は、煌々と輝いていた。さらにGOING STEADY時代の“DON’T TRUST OVER THIRTY”のリアレンジ“大人全滅”では全身全霊ありったけの想いを歌に込める峯田に呼応するかのようにコブシを突き上げシンガロングするオーディエンスに心震わせられた。
ライブも前半から中盤に差し掛かかると弾き語りを披露し、その中には「何年振りに歌うか記憶にない」と歌った曲などで盛り上げた後、「抱きしめたい」のフレーズから歓声が巻き起こり“骨”。会場が淡いライトに照らされると、たくさんのやさしさに満ち溢れた笑顔が咲き誇っていた。また“BABY BABY”では4人による壮大なグルーブからオーディエンスがリズムにあわせた大ジャンプは一体感を生み、愛くるしいナンバーにコール＆レスポンスからサポートメンバーが演奏をとめると大合唱が始まっていた。ライブも後半に突入し、アコギ1本で力強くも伸びのある歌声を場内に響かせた “新訳 銀河鉄道の夜”の途中では、不意に峯田がギターフレーズにのせ今日のライブへの思いを馳せ「少なくとも自分にとっては特別な夜になりました。感謝します。」と述べると、それに反応するかのようにこの日何度となく見た大合唱にはグッと込み上げてくるものがあったのは私だけではないだろう。オーディエンスのその応えに感謝の気持ちを再び述べ、“ボーイズ・オン・ザ・ラン”を披露。マイクスタンドをがっちりと掴み歌うその姿は輝いて見えた。ラストは「何歳になってもずっと音楽をやっていきたいです！ありがとう！」と高らかに宣言しツアー初日は新旧織り交ぜた全19曲を披露し終演を迎えたように見えたが、その後、鳴り止まないアンコールの声に満面の喜びを浮かべ2曲を披露し終演となった。フロアに手を振り深々と一礼しステージを後にする峯田の姿はとても清々しく見えた。
8年振りとなる単独ツアー初日。人の心に何かを残し、考え、生きる力を宿してくれる音楽を20年変わらずやってきたんだなと改めて感じられたこの日。ライブMCの中で峯田が言い放った「音楽で世界は変えられない……」という言葉。例え音楽で世界は変えられなかったとしても、少なくとも今日ここにいたすべての人の心は救われ、変えることはできたのではないだろうか。様々な問題から生きづらい世の中と言われ続けてきた近年、銀杏BOYZのような、気を張って、弱いところも見せて、それでも自身の音楽や歌を信じて、作り歌い続けてきたからこそ、生きづらい世の中でも生きていこうと聴くものの心を奮い立たせてくれる音楽が届けられるのではないだろうか？今日のライブを観て不思議と音楽で世界を変えることがもしかしたらできるんじゃないかと信じてみたくなった一夜だった。
Photo：村井香
LIVE
銀杏BOYZ 「世界平和祈願ツアー2016」
7月2日(土)@仙台 Rensa
7月8日(金)@名古屋 DIAMOND HALL
7月16日(土)@福岡 DRUM LOGOS
7月19日(火)@広島 CLUB QUATTRO
7月29日(金)@札幌 PENNY LANE 24
8月3日(水)@なんばHatch
銀杏BOYZ 特別公演「東京の銀杏好きの集まり」
8月17日(水)@中野サンプラザ
